第四十一話 南海道
淡路に置いた佐治信方から連絡があった。
村上水軍が動いたと。
* * *
毛利家は、防長芸備に山陰まで治める大大名。
これを一気に滅ぼすのは、流石に難しい。
だったら、周りから圧力を掛けて行くのが良いかなって。
そこで、考えたのが三道併進策。
山陰道、山陽道、南海道の三道を進み、毛利に圧力を掛けよう!
そんな策。
因みに南海道は、紀伊国と淡路国、及び四国を差す。
淡路は既に佐治信方が抑えてるし、紀伊も進行中。
信直に聞いたところ、紀州平定は間近らしい。
秀成たちが合流するのも、そう遠くないだろう。
つまり、信忠と信益に任せた南海道だが、実質は四国征討軍ってことになる。
* * *
南海道征討軍の総大将は、当然信忠。
なんだけど、阿波国と讃岐国も同時に侵攻する予定なんだ。
だから、阿波方面の大将は信忠。
これに信孝や信興が従う。
一方の讃岐方面は、信益を大将にして侵攻させる。
こっちは信澄や信包、藤掛永勝らを率いさせて。
藤掛永勝は、桶狭間で戦死した永政の嫡男だ。
立派な若武者に成長してくれて、とても嬉しい。
若い衆メインの軍勢だけど、別に四国勢を侮ってる訳じゃない。
若い衆には言ってないが、既に先遣隊も派遣してる。
順当に経験を積んで欲しいと願う、信長と俺からの老婆心だ。
どっちにも義弟たちを付けてる。
保険って大事だよね。
* * *
まずは、佐治信方も淡路より出撃。
讃岐沖で村上水軍衆と対峙したのだが。
鉄甲船と鉄砲船を使って、村上水軍をいい感じに燃やした。
そんな感じに船戦はアッサリ終わり、瀬戸内を窺う姿勢を見せて牽制。
そして、信忠たちは水軍の力を借りて四国に上陸。
阿波国では、信忠が将軍義助の名を使って喧伝しながら進軍。
順次掃討していった。
讃岐国の信益も、全力で西進掃討を続けてるようだ。
率いる将は若くとも、兵力は十二分にある。
脇を締める将も付いてるしね。
瞬く間に両国を落とし、次の土佐国・伊予国を窺う姿勢を見せた。
先遣隊は、既に土佐と伊予両国に入ってる。
それらの情報は信興と信包に集積され、それぞれの大将へ渡される。
正しく、ベテラン社員が若社長たちを補佐する形だね。
四国征討は、若い衆の経験値稼ぎの場となって貰っちゃおう。
すまないね。
この恩は、ちゃんと開発で返すから安心してくれ。
豪族たちも、降伏すれば家名存続は許すよ?
* * *
長宗我部が、信長に同盟打診に来る前で良かった。
土佐半国くらいは安堵してやってもいい。
そんなレベルになる。
四国は九州や中国地方との関係も強い。
その辺は、シビアに見ていかんとね。
油断すると、ひっくり返され兼ねない怖さもある。
ま、土佐はいいや。
問題は伊予国だ。
なにせ、力を持つ河野などは、毛利との繋がりが非常に強い。
侵攻するには、山陽道・山陰道と歩調を合わせるのがベスト。
そんなタイミングが命な状況で。
実は信長が摂津国に入り、俺は讃岐国に入ってる。
ここまで侵攻状況について、詳しく知ってたのは現地で見てたからさ!
勿論、信忠や信益たちには内緒でね?
状況進捗の決断を促すためだ。
フォローは任せたまえ!
あ、甲信は信時に任せたよ。
北条との折衝とかは宗政に、北信濃への侵攻の采配は信成が頼もしいぜっ
北陸方面は、信家と忠政に任せてる。
畿内は信広殿と信治が居るから、一時的に信長が留守しても問題ない。
信長も、久々に遠足出来るとあって嬉しそうだった。
ちょっとした、リフレッシュ休暇みたいなもんだよ、多分!
さてさて。
武田の次に滅びるのは、どこかなー?
御指摘「中身がスカスカの癖に間延びとは片腹痛い。」→確かに!(納得)
そこで、改めてサクサク進行を心がけて参ります!もうすぐ終わります。