第三十六話 包囲網
史実における、信長包囲網。
足利義昭が暗躍し、集って危機的状況に追い込まれた。
浅井・朝倉、一向一揆に比叡山延暦寺。
武田信玄もだし、雑賀衆と三好・松永、摂津・丹波・播磨衆。
コイツらが固まると、流石に大変だ。
だから俺は、東奔西走して懸命に防いだよ。
褒められて良いと思う。
* * *
浅井も朝倉も滅び、武田も撃退に成功。
三好・松永は足利義昭の対応から、転ぶ可能性は低い。
今のところはね。
でも、まだ危機は過ぎ去って無い。
一向宗は、今のところ大人しい。
石山本願寺はね。
ただ、加賀一向一揆は暴れまくってる。
出来れば加賀国を抜き、能登まで治めたいところなんだけど。
まだ無理そうだね。
差し当たり、越前を抑えた諸将に忠政・忠頼兄弟を向かわせて対応。
その内援軍も出して、一気呵成に蹴散らしてやろうと思ってる。
それ以上に危険なのが、天台宗だ。
正確にはその総本山で、比叡山延暦寺なんだけど。
こっちはもう、やりたい放題。
聖地は見る影もなく、腐敗の極致に至っていた。
白河院の頃からの伝統みたいだけど。
聖地ってなんだっけ?
そんな感じ。
真面目な宗徒も居るんだろうけど、極少数だろう。
焼き払うしかないか。
* * *
比叡山延暦寺の無法ぶりを訴えた。
誰が?
庶民代表として、俺が。
誰に?
朝廷に。
どのように?
焼いていいかって。
そしたら?
慌てて調停に動き出したよ!
* * *
結局、延暦寺は焼けた。
朝廷の調停を蹴っちゃうんだもん。
どうしようもないよね。
一応、真面目な坊さんや女子供は逃がしたよ。
てーか、女子供が普通に居る時点でおかしいよね。
焼き払われた中には、何か偉い人も居たらしいけど、ご愁傷様。
因みに。
”焼けた”と”焼いた”は大違いだから注意が必要だぞ!
腐敗した僧兵たちに罰を与えるために山を登ったんだ。
そしたら篝火が倒されて、たまたま風が強くて、焼けちゃったんだ。
真面目な坊さんや、女子供は争いから逃がしただけだよ。
意図的に丸焼き・蒸し焼きにした訳じゃぁ、決してない。
偶発的なことだから、偉い人が巻き込まれちゃうことも、あるヨネ!
* * *
比叡山、完了。
紀州には信直と秀成が侵食してるが、伊勢方面からも信張を差し向ける。
徐々に徐々に、挟撃圧縮されることだろう。
さて、次は……。
* * *
こんな感じで、周囲掘削を進めてる。
勿論、俺だけでやってる訳じゃないけどね。
で。
洛中は信広殿が警固してるんだけど。
普通に朝廷や都の治安を守る以外に、秘密裏にお願いしてることがある。
それは何か。
将軍の身柄。
そして、情報の遮断。
さあ、待ってろよ……。
完結への道筋が整ってきました。
そんな中、新作書きたい病を抑えるのが大変です。あんまり時間ないのに。
2016/9/29 誤字修正