第三十三話 覚悟
浅井家の後始末をちゃちゃっと終わらせ、信長と合流。
ついでに、越前にある織田家発祥の地を軽く拝んどこう。
* * *
浅井・朝倉を滅ぼし、北近江と若狭・越前国が空いた。
またも領土が増えるが、流石に俺がどうこう言うこともないだろ。
一応所見は信長にも伝えたし、今回は次世代の初陣も上手く行った。
なので、大事なことを話そうと思う。
つまり。
俺が決めた覚悟の中身。
それは、足利義昭の排除。
* * *
朝倉義景が滅亡し、足利義昭の目論見は水泡に帰した。
だが、それで諦めるよーな奴ではないわな。
各地の大名や豪族に、密書を乱発。
やれやれだ。
「それで排除か。しかし、我らが直接手を下すのは上手くないぞ?」
そうだねー。
てーか、排除には賛成なんだね。
で、方法か。
史実の様に、ギリギリまで粘って下手に出て、そして最後に巻き返すやり方は良いと思う。
現役の将軍を追放しても、誰からも文句を言われないような方法。
または、その状況まで持っていけば良いってこと。
でもさー、かなり迂遠だよねー。
だからさぁ?
サクッとやっちゃえばいいと、俺は思うんだ。
あ、信長がギョッとしてる。
レアショット、ゲットだぜっ
* * *
さて、やっちゃうと言ってもすぐには無理だね。
色々準備や根回しが重要。
基本的な流れは、尾張一国の時と変わんないけど。
でも、俺だけが暗躍する時代は終わりにしたい。
宗政とか、案外いいかも?
ところで。
越前を落としたら、加賀の国と接してしまった。
何かと厄介な一向一揆の国。
そして、越後上杉の存在が遠望出来るように。
上杉謙信かー。
めんどいな。
うん。
こっちも慎重を期するね。
今は積極策は下策として、置いとこう。
西方は信長・信勝に任せきりで、俺は良く知らない。
ただ広良から、播磨平定は順調だと便りが届いてるから心配してない。
そういや秀孝も、但馬を獲ったとか言ってたな。
今世においては、干殺しとかはなさそうで良かった。
さてさて。
色んな根回しを終えて、上手く踊ってくれることを願う俺の元に、急報が一つ。
それは?
武田軍、南下のお知らせ。
* * *
甲斐・信濃を治める武田信玄。
史実と違い、未だ駿河国を獲れてない。
主に俺のせいで。
今回は必勝を期し、駿河・遠江に攻め込む積りとか。
甲斐国に放流した岩倉殿から、意気揚々とした手紙が送られてきたらしい。
岩倉の旧臣が受け取ったが、普通に俺の元に来た。
いや、うん。
ありがとう。
岩倉殿も、元気にしてるようで何よりだ。
じゃなくて。
とにかく武田が来る訳よ。
今川家でも準備を進めているらしいが、援軍の依頼もあった。
北条にも頼んで、必死の様子。
当然か。
うん。
俺も遠江に出陣しよう。
信長は来ないが、援軍の都合を頼んだ。
対・武田戦。
出来れば避けたかったが、今は目標達成の為に、最早避けては通れぬ場面。
よし、気張って行くぜ!
調子に乗って外伝とか新作ネタとかを書いていたら、こっちを忘れていました。
急いで書いたので、普段以上にムラがあるかも知れませんが、ご容赦下さい。




