第三十話 三回目
第三回!織田一族大会議、はっじまっるにょーんっ!
コホン。
うん、「また」なんだ。すまない。でも(ry
俺たちは畿内を抑えたが、仮想敵国が四方に広がった。
それだけ支配領域が拡大したってことだが。
そんな訳で、管轄の整理と配置を整理する必要がある。
正直、遠江国の守護代は誰かに任せたい。
主催はお馴染み、最近側室を迎えた犬山城主・織田信清。
協賛は引越し計画中、岐阜城主・織田信長。
オブザーバーに、於市ちゃんを妻にして一族に列した遠江守護職・斯波義銀。
今回の参加者は、関係する主要一族を招待した。
もう全員参加なんて、不可能を追及したりしないよ。
* * *
では早速だが、会議に入ろう。
まずは、洛中で信長の代理と補佐を行う者。
「信広兄者しか居らぬわ。」
そだね。
今までも、そしてこれからも。宜しく頼みます。
「承知した。養嗣子の為にも、もそっと気張るかの。」
信広殿には嫡男が居ないので、信長の三男・信孝を養子にと勧めた。
庶流とは言え、一族衆の筆頭家門だからね。
努力型の秀才タイプだと思うので、少し気にかけてみた。
そんで信長の次男・具豊は、史実同様に北畠の養子となった。
伊勢国司の名は大きいし、利用しない手はない。
その支配領域は、大幅に削減されたけどね。
そんな訳で、伊勢の守りは。
「信興に任せて良かろう。」
うん。
信張も付いてるし、問題ないね。
因みに、降伏した北畠親子は犬山に回送されてた。
あんた等もか……。
* * *
こんな感じで、次々と決められていった。
山陽道:大将は信勝。副将に広良。
弟コンビ。何も問題ない。
山陰道:大将は秀孝。副将が信昌。
秀孝は相変わらず俺を怖がるので、西の専任とした。
丹波路を信治。
河内国は信包に任せ、摂津国は信家、紀伊方面は秀成と信直、などなど。
「そして信清、お前を畿内統括とする。」
いや、畿内統括ってなんだよ。
中心は信長だろうが。
「そうだが、義昭公や朝倉が居る。その為だ。」
ああ……。
そういや最近、朝倉は滅ぼす方向に傾きつつある。
不透明な存在が居るには、越前は近すぎると言うのがその理由。
また少し、暗躍が必要かもしれんね。
まあ次。伊賀・大和方面。
「信清を主将とし、信正を代将とする。」
は?
こっちも俺かよ。
伊賀はともかく、大和は松永殿が居るだろう。
「それ故だ。まあ、普段は信正に任せればよかろう。」
んー、それで良いなら。
てーか、後で色々詰める必要があるよな。
美濃は当然信長、じゃあ尾張は?
「当然貴様だ。織田家の本拠だからな。」
それは判る。
でも、俺の担当領域多くね?
「次に、東海道方面だが。」
聞けよっ
「主管を信清とする。三河はそのまま、遠江守護代を信時に任せる。」
オイ。
なんで上位権限を渡そうとする?
「皆、ここまで何か異論はあるか?」
「「「ありませんっ」」」
待てやコラァッ!!
明らかにオカシイだろっ
「なんだ信清。皆、異論なかったぞ?」
俺だけ増えまくっとるやないかっ
それに、義銀は……
「ちゃんと、遠江守護代は信時に任せたぞ。義銀、問題か?」
「いえ、問題ありません。」
あ、そうなん。
いやいやいや、そうじゃねーだろっ
「なんだ一体。何が問題だ?」
守護代が一個減っても、色々増えすぎだろうがーっ
「信清。」
お、おお?
なんだ、真面目な顔して。
「俺は畿内と西に注力する。お前には、その外枠を任せたい。」
……えぇー。
* * *
そんな大真面目に「任せる」とか言われても、困るよ。
昔の俺なら、
彼の大英雄・織田信長に、ここまで買って貰えるとはっ
って、舞い上がってホイホイ承諾しただろう。
しかし俺も分別のある大人になり、軽くない立場になった。
「安心しろ。信清なら問題ない。俺が言うのだ、間違いない。」
……。
ずっけぇ。
信長、それはずるいよ。
以前の俺が憧れ続けた英雄・織田信長ではなく、
現在の俺の大親友・信長に此処まで言われちゃー、ねえ?
しょーがない。
期待に応えられるよう、頑張りますか。
「判ったよ。任せろ、信長。」
何やら青春していますが、此奴ら既に結構いい歳したオッサン共です。
今後はエスパーに遭遇しても、曲がらない芯を持って流れに身を任せます。