第二十二話 岩倉殿
大盛況のうちに終幕した一族会議。
それではお待ちかね!
秘密の従兄弟会議、はじまりはじまりー
お前ら、そんな目で見んなっ
* * *
「お前は変わらず馬鹿だな。」
いきなりご挨拶だなオイ。
まあいい。
今回は、従兄弟同士で秘密会議を開催した。
実際は密議の建前に過ぎないけどね!
でも、参加者は信広殿、信長、信勝、信成などちゃんと従兄弟同士だ。
何も問題ない。
「それで、岩倉殿が居る理由を聞いても?」
うん。
それこそ本題で間違いない。
岩倉殿ってのは、信家の兄・信賢のこと。
廃嫡され、隠居した後はそう呼ばれてる。
ホントは岩倉じゃなくて、俺のトコに居たんだけど。
どうでもいいか。
で、だ。
岩倉殿も信家も、俺たちの従兄弟で間違ってない。
「いや、問題はそこじゃないから。」
判ってるよっ
今説明するから、そんな苦笑いすんな信成!
ったく。
そう言ってもまあ、簡単な話だよ。
岩倉殿は、俺たちに家督を奪われたことに不満を持ち、密かに逃亡する。
「なんだとっ!?」
うおっと。
信長、落ち着け。
「む、すまん。」
ああ。
そんで逃亡先は、甲斐の国だ。
「甲斐……。ああ成程、武田ですか。」
そうだよ信勝、奴らは強敵だ。
情報は幾らでも欲しいし、幾ら仕込んでもし過ぎることはない。
「しかし、繋ぎを取れば見破られるのではないか?」
そうですね信広殿。その通りだと思います。
だからね?
岩倉殿には、甲斐では好きに動いて貰うのさ!
「「は?」」
* * *
と言う訳で岩倉殿。宜しく頼むぜ?
「ふん。せいぜい気儘に生きるとするさ。」
設定では、織田宗家嫡流を取り戻す為に策動する云々。
本気で動いてくれよ?
「ああ。生駒や山内とだけ連絡を取る。それでいいんだろ。」
応ともよ。
……もし仮に。
俺たちが武田に敗れ、滅んでも。
岩倉殿が残れば織田家は残る。
なんて殊勝なことが一瞬頭を過ったが、負ける気は毛頭ないぜ!
逆に、完遂した岩倉殿を、後で忘れないように回収せんとなー
と言う感じで、後ろ向きな心配事は全くない。
「しかし信清。連絡を取らず、本当に大丈夫なのか?」
大丈夫さ。
むしろ武田に気取られないために、必須だとも言える。
そんで、あちこち経由して情報だけは入る様にしとくから。
ま、方針だけ確認しといてくれ。
あとは俺の方で、上手くやるからさ。
「良いだろう。ならばもう、何も言わん。好きにせよ。」
ありがとよ。
安心しろ、悪い様にはならないよ。
* * *
これで第二回一族会議、及び秘密会議も全て終わりっ
尾張だけに。
そんなある日。
「守護代様。三河より使者が参っております。」
ん。
ああ、御苦労さん。
すぐ行くよ。
三河の国から、お客様がやって来た。
せっかくだから良い事を教えてあげよう。
今回のお客様は、三河国からの使者である。
三河国を代表して、来てるお客様。
そんなお客様は、こちらっ
「ようこそ、吉良殿。」
当初のプロットからは、大分かけ離れたストーリーとなってきました。
少し前、ほぼ完璧に見通されて考え直した結果故ですが、後悔なんて。