第二十話 二回目
第二回!織田一族大会議、はっじまっるぜーーっ!!
コホン。
領域が拡大し、各々の領分も大幅に増えた。
今後は綿密な打ち合わせで、潤滑な運営を築き上げないといかん。
と、言う訳で。
主催者は俺こと、犬山城主にして尾張守護代・織田信清。
協賛に、岐阜城主にして織田家の屋台骨・織田信長と言う感じで。
参加者は一族全てだ!
と、言いたいところだが流石に無理。
伊勢や三河向けの抑えに残した、信張たちは当然不参加だし?
濃尾両国の通常業務も放置は出来ない。
そんな彼らを除いた、元服後の一族は大体集めたよ!
* * *
前回は未知の不安を、既知の安心に変えてやろうと企画した。
今回も似たようなもんだ。
円滑化は大事だからねー。
議題は浅井との同盟や、足利将軍(仮)のこと。
あとは伊勢への侵攻に、東海道は三河についても。
まず、浅井との同盟は急がないことに決まった。
同盟はともかく、織田家当主の妹を嫁がせるのは破格に過ぎると。
信勝から慎重論が出た。
感情論なら無視するけど、理路整然と語られたら無視は出来ない。
しかも、言ったのは信勝。
信勝はずっと信長に付いて活躍してる。
そんな信勝を、信長も大いに可愛がっていた。
昔は、兄弟なんて信清だけで良いーなんて言ってたのがウソのようだ。
この件は、事前に俺と信長で進めることに同意していた。
でもいざ別の案が出されると……。
うん。
悪くないね。
一考の余地あり、だと思う。
そもそも、二人で決めて上位下達なら会議なんて必要ない。
信長は憮然としたが、激昂はしなかった。
理を感じたし、発言したのが信勝だったのも大きい。
俺や信長は、ついつい先を先をと見通し考える。
対して信勝は、足元を重視する。
この差が出た形となったか。
いや、ホント会議開いて良かったわー。
信長は暫く憮然として黙ってたけど
向こうで於市ちゃんが苛められたりしたら、嫌だもんね!
そう言うと、信長も慎重になったみたいで同意してた。
やっぱ信長はシスコンだ。
俺は一族バカだけどな!
* * *
足利坊主と伊勢侵攻については現状維持で。
俺の暗躍についても、特に異論は出なかった。
なら、問題は三河だね!
と、言う訳で。
ここからは、俺のターン!
「三河織田家、創出しようぜ!」
「お前は一体何を言っているんだ。」
* * *
なんだよー。
三河の騒乱を収める為の策だぜー?
松平家次と和睦したからって、三河が治まった訳じゃない。
その先には今川も控えてる。
早めにどうにかしたいじゃない?
「それは判るけど、三河織田家って……。」
一度ポシャッたからね。
誰も考えてなかったみたいだけど。
でも、前に言ったよね?
亡き信秀叔父上の、大言壮語を事実に替えるってさ!
「確かに言っておったが。いや、しかし……。」
おお、珍しく信広殿が狼狽えてる。
これは良い物が見れた。
「わっはっはっ。」
ざわめく広間に一際響く、大きな笑い声。
「道三殿。」
「はははっ。いや、面白い。実に面白いな信清殿は!」
お褒めに預かり恐縮です?
道三殿は信長の岳父だし、広義の意味で一族と考えた。
相談役として参加して貰った。
大丈夫、問題ない。
「うむうむ。良いではないか。どんどんやりなされ!」
Oh…。
なんと素晴らしき煽り哉。
「義父殿。そのように安易な……。」
眉間に皺を寄せた信長が言うが。
いやいや、難しいのは承知の上さ。
でも今なら三河は乱れてるし、協力者もいる。
出来ると思うよ?
「……だが、信広兄者はやれんぞ?」
判ってるって。
安心しろよ、ちゃんと考えてる。
いざ、披露されませいっ
因みに、この流れで「披露されませい」は文法上とてもオカシイ。
勢いだけで言うのは危険だからお勧めしないぞ!
書き始め当初のノリと勢い、そして薄さ軽さが失速したような気がします。
二十話過ぎたことですし、一度省みてみようと思います。