第十八話 暴露
美濃国が信長の物になった。
そこで遂にネタ晴らし。
おーい信長、来たぞー。
お前の喜びそうな土産、持ってきたぞーっ
ほら見て?
道三殿、生きてるよ!
俺は、星になった。
* * *
岐阜城奥座敷。
俺は信長とサシで向かい合っていた。
「信清!お前っ、せめて報告しろっ!」
いやあ、ちょっとした出来心と言いますか。
正直すまんかった。
とりあえず正座で謝罪会見。
流石の信長も、半日も怒鳴り喋れば流石に疲れたろう。
「ッ!…まあ、良い。後で濃(信長の奥さん。道三の娘)にも直接伝えておけよ!」
俺は絶望した。
* * *
まあ、そんなこんなで。
色んなトコを小突かれたけど、無事に生還した。
じゃなくて、信長一家は岐阜と改名した稲葉山に転居。
道三殿も岐阜城に一室を与えられ、住むことになった。
信長やお濃さんの嬉しそうな顔を見れて、頑張った甲斐があったと思う。
二人には怒られたが、名誉の負傷と言ったところか?
俺も岐阜に屋敷を貰ったが、尾張守護代の役職はそのまんまだった。
他は尾張で信広殿が清州城主となったり、信勝が勝幡を修築して居城としたり。
多少の動きはあったが、まあ些細なことだ。
信広殿と言えば、共犯者のくせに上手いこと逃れてた。
許せぬっ
そこで俺は、信広殿に復讐を考えた。
信広殿を尾張守護代に就任させようという、世にも恐ろしい計画。
信長にばれないよう細心の注意を払い、信成や宗政を巻き込んで勢いを付けた所で、まさかの事態が!
密告者ありっ
信長にバレータ。
超怒られた。
* * *
密告者はまさかの信成。
裏切り者め!
「いやあ、てっきりバラして欲しいのかと思ってね。」
あれか。
押すな押すなって言うネタ?
んなわけあるかぁーっ
「信清殿は、守護代を辞めたいのですか?」
ああ、宗政。
居たのか。
「殴りますよ。」
冗談だよっ
仕事が嫌だとか面倒だとか、そう言うんじゃないんだ。
ただ、俺だけ怒られて信広殿が怒られない理不尽が許せないだけなんだ!
「主犯と共犯の違いじゃないかな?」
それでも共犯じゃないか!
少しくらい怒られろっ
「信広殿は、御屋形様の兄君にあらせられます故。」
遠慮があると?
「遠慮と言いますか……。」
「それ以前に、どう考えても君が悪いからね?」
信成よ。
正論だけ言ってれば勝てると思うなよ!?
「その結果が?」
これだよっ
って言わせんなよ!!
「あっはっは!」
「はあ。お二方、じゃれ合いも程々にして下さいね。」
あーもう。
ほれ、宗政に怒られちゃったじゃんか。
「はっはっは!クククッ。はぁ。ああ、うん。ごめんね?」
笑いすぎだ馬鹿野郎。
「……続けますよ?伊勢のことです。」
* * *
伊勢の国。
守護ではなく、国司が治める伝統ある地域。
尾張と美濃を取った後、行く先は近江か伊勢の二択と言っても過言ではない。
で、信長は伊勢を御所望の様子。
伊勢国の先に在る、志摩国に居た九鬼の若い衆が信長にHELP希望したのもある。
何より、良い土地だからね!
特に理由はないけど侵攻したいね!
そんな話になったのを、とりあえず押し留めたのがつい先日の話。
ならば、どうにかせよと命令を受けたのが昨日の話。
で、協議をするべく信成と宗政を呼んだ訳だ。
決して、密議の反省会をしたかった訳ではない。
しかし伊勢。
伊勢ねぇ。
伊勢えび食べたいねぇ。
予約投稿セッ…と、無事に撒いて戻りました。
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