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第十七話 協定

尾張織田家と三河松平家の間で、和睦が成った。



織田家代表は、織田信清。


松平家代表は、松平家次。



* * *



はいっ


何かおかしいよね!?



徳川家康どこ行ったとか、松平家次が誰だとかそういうことじゃない。



なんで、俺?



聞いてみたら、

「守護代だから。」

だってさ!



* * *



今川義元を討ち取ったからと言って、今川家が滅んだ訳じゃない。


だけど信長の目は美濃を向いている。


三河以東はあんまり興味がない信長にとって、そっちは背後という位置関係。


そこで、俺に任された。



どぅーゆーあんだすたん?



のーあいどんっ



理由は判るが納得は出来ない。


そも、美濃なら俺こそ真っ先に出るべきだろう!?

犬山城主だぞ、俺!



* * *



Q:三河に騒乱起こしたの、だーれだ?


A:



三河の騒乱が、尾張に影響及ぼすようでは困る。

防波堤が必要。


そこで、松平家次に白羽の矢が立った。


松平家次は、代を経てるけど元は宗家の連枝だから血筋は良い。

それに、織田家との関わりが強いと言うのも大きい。


そして、信光叔父上と松平家次は従兄弟関係。

一族の範疇に加えても、まあ大丈夫だろう。



で。

その辺のアレコレをもにょもにょするには信清オレが一番ってことらしい。


そんな風に能力他、全般的に信頼されてるのは嬉しいんだけどねぇ。


まあ仕方ないか。

当事者の親戚たる信成を補佐に就け、交渉に当たった。



* * *



ふう。

和睦を纏めて、漸く帰って来れた。

条件はまあ、適当にね。



一方信長は、何度も美濃へ侵攻してるらしい。

だけど道三殿の嫡男は中々優秀らしく、上手く行ってないとか。



美濃国衆への調絡も、さっぱり進んでない。



「道三殿が亡くなられて以来、険悪な間柄になってますから。」


戻ってきた俺に教えてくれたのは信興。



信長は信広殿、信勝を副将として連れ回している。

信家と広良も、信次叔父上の補佐を受けて頑張ってるようだ。


信興は信張の補佐を得て、伊勢方面の抑えを任されて残っていた。



若い皆も、どんどん立派になって来てる。

桶狭間に散った秀敏様たちに顔向けできるよう、俺も頑張らないとな。


と、言う訳で。

まずは、桶狭間で散った者の遺族への手当支給をば。


特に永政の子は、その外祖父が引き取ってくれた。

大事な織田一族の子だ。

しっかり育てて、亡父のように立派な武将に成って欲しい。



* * *



「道三殿。調子はどうです?」


犬山城の離れに在る、隠し部屋モドキ。

ここには斯波義銀と斎藤道三、ついでに織田信賢が居る。



「おお、信清殿。戻ったか。」


元気そうで何よりですわ。

斯波義銀も、最初のうちは死んだ魚の目をしていたが、今ではすっかり輝く瞳に!


信賢は出家したのだが、信安と本人の了解(笑)を得て、再教育に力を入れている。

こちらはまだ輝く瞳にまでは至って無い。

死にそうな目をしてる。


うん。

もうちょっとの辛抱だ。頑張れ従兄弟殿!



「で、どうです。調子は?」


「悪くはないの。」


体調が回復しても、斯波義銀共々大っぴらに表に出すことは出来なかった。

道三殿に関しては、そもそも信長にすら言ってない。



正直、既に機を逸した感がある。



もう覚悟は決めた。


信長に怒られる覚悟をな……。



ともかく。

道三殿は秘密裏に匿っている。


一族のほぼ全員が知らないことだ。



ほぼってことは知ってる奴も居るってことで。



それは誰か。



まず、俺。


弟の信正。


そして、何故か信広殿。



広良には言ってないよ。

素直な広良が知ると、ひょんなことから信長にバレる可能性があるからね。


信正は、基本的にずっと俺と行動してるので問題ない。


じゃあ信広殿は?



なんと、普通に気付かれた。



何故だ……



しかも、それで信長にはばれてないとか、信広殿も相当だよね。


ともかく、秘密だよ?

ってことで約束したんだ。



いやー、共犯者が居るって素晴らしいネ!




予約投稿セット二日目。

尾三同盟だと思いました?残念、ただの秘密協定でした!

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