幻想入りと言うこと2
沈黙と暗闇の中、臣は必死に考えていた。足の痛みと恐怖を忘れるために。
臣 (いくらなんでも自己紹介はまずかったか?でも先ずは相手の要求に答え続けていかないと・・・)
今、臣が知り得ている情報は、見たこともない場所に居ること、突然辺りが真っ暗になったこと、少女の声が聞こえること、左足が折れていることそして・・・
臣 (命の危機・・・)
解らないこと、疑問に思うことは一旦忘れた。どんなに考えても答えなど出ないと判断したのだろう。
臣 (この声の主は女の子、多分中学生くらい・・・信じられないがこの暗闇もこの子のせい・・・そして、俺を殺そうと・・・)
ある程度ではあるが自分の考えがまとまった時、ついに少女が口を開いた。
??? あ!そっかそっか。自己紹介がまだだったよね♪私はねぇ~妖怪だよ♪
臣 妖怪!?
妖怪 そうだよ♪妖怪とあったのは初めて?じゃあお兄さんは、この幻想郷に幻想入りしたんだね?
今朝ニュースで聞いた言葉を、自らを妖怪と名乗る少女がけらけら楽しそうに口にした。その笑い声を聞くと今までの疑問と不安が溢れだし。ほとんど怒鳴り声で妖怪に聞いた。
臣 幻想入り・・・いったいなんなんだ!何故俺はここにいる?何故こんな目に遭ってるんだ!
また沈黙が流れた。その沈黙が冷静さを戻した。
臣 (しまった。つい怒鳴ってしまった・・・ん?)
予想とは違い暗闇が少しずつ晴れていく。まだ夜明け前だったせいで日は出ていなかったが、十分明るいと思えた。
臣 (やった・・・怒鳴ってやったのが正解だったんだ!)
そう思う頃には暗闇は見えなくなっていた。代わりに少し血の付いた岩が臣の視界に飛び込んだ。
臣 いった・・・
今まではりつめていたものが無くなり、急に足の痛みが甦る。そして今まで感じた事の無いほど怒りが芽生えた。
臣 子供の悪戯にしてはやりすぎだろ・・・
怒りで我を忘れながら、続けて臣は怒鳴った。
臣 いったいどこのどいつだ!悪ふざけではすまないぞ!
足の痛みを忘れるほど怒った。そのまま後ろを振り替える。そこには少女が一人。
臣 おま・・・え・・・
臣の予想は当たっていた。臣が見たのは間違いなく少女。見たこともない程大きな月を背にして座っている臣を見下していた。
妖怪 どうしたのお兄さん?何をそんなに怒っているの?
しかし、今になって自分の本当の立場を知った。少女はただじっと臣を見つめている。
臣 あ・・・あぁ・・・うぁ・・・
吸い込まれてしまいそうなほどの大きな金色の瞳から臣は目を背けることが出来なかった。
妖怪 あれ?今度は震えているの?
少女は臣が怒鳴った事に対して何の感情もなかった。まるで野良犬が少し吠えた程度にしか感じなかったのだろう。
しかし、臣が少女を見たときは違った。明らかに人間とは違う禍々しさ、笑顔の奥から溢れる殺気。
妖怪 今度は黙っちゃったね・・・もしかして私を見て言葉を失っているの?
そして、本当に美しく笑っていた。
妖怪 そーなのかー♪
臣は決して目をそらさなかった。それは目の前の恐怖から目を背けられなかったからではなく、ただ無邪気にただ楽しそうに臣を見て微笑む少女を見ていたかったのだろう。
臣 (終わった・・・)
不思議なことに死を覚悟したら逆に清々しく思えた。1秒1秒が無限に思えるほど長く感じた。
妖怪 そんなに見つめられると、恥ずかしいよ~じゃあ、そろそろいいよね?
その言葉と共に我に帰る。
臣 は!待ってくれ。
妖怪 もう駄目だよ!人間とこうして話したのは久し振りだったから、つい目的を忘れちゃってた!じゃあね以外と楽しかったよ♪
臣 違う!くう・・・
臣は自分の血の付いた岩を手に取り、少女に投げた。
しかし、抵抗は無意味でそれを軽々とかわしそして、臣の腹部に手刀を突き刺した。
臣 ぐああ!!!
意識が薄れる。確実に自分は死ぬ。そして走馬灯の様なものが臣の頭を過る。しかしそのほとんどが、たった今体験したものだった。
臣 幻想・・入り・・・
幻想入りとは少女が語ったこの世界に何かの方法で迷いこむこと、そして大半の人間は俺のようにこの世界の住人に殺されてしまうのだろう。
臣 幻想郷・・・確かに・・・ね。
この世界に来てまだ10分も過ぎていないだろうが、自分の世界では体験できないようなことをたくさん経験した。
臣 でも、死にたくは・・・無いな・・・
・
・・・
・・・・・
??? 遅かったか・・・嫌、ギリギリ間に合ったかな?たく、最近多くて面倒だわ・・・
何かこのまま終わってしまっても良いような感じになってしまった気がします。(笑)
ここまでの話は主人公が幻想郷に来てどういうめにあったのかを書きました。幻想入りが実際にあったとしたらこんな感じになるんじゃないかな?って感じでやってたら、少しシリアスになりすぎた感じがありますね・・・
そして物語の最後の最後までルーミアの名前が出なかった(T-T)すまん・・・
さて、次回からは主人公の能力の話になる・・・はずです。うまく書けるか解りません。誤字脱字も多いと思いますが、多目に見ていただけると嬉しいです!