幻想入りと言うこと
幻想郷
この世界は人間と妖怪が住む世界。実際には妖怪だけじゃなく妖精、吸血鬼、鬼、幽霊、神、悪魔なんてのもいる。
普通の世界にいた俺は理由も解らず見たことがない村の近くの丘に寝ていた。
臣 どこなんだ?ここは・・・
目をつむり記憶を遡る。昨日の夜、仕事から帰った俺はスーツを脱ぐこともせずに寝床に入った。
臣 疲れた・・・
その言葉を境に一切記憶がない、多分そのまま眠りこの丘で目が覚めたのだろう。変な夢でも見ているのだろうとも思ったが。
臣 夢にしては現実味がありすぎる
草に触る感触も、風が肌に触当たるのも全てがリアル過ぎた。
臣 ・・・・・・
少しだけ強い風が吹いた。それのせいで完全に目が覚めた。そして、朝に見たニュースを不意とおもいだす。
臣 連続失踪事件・・・
彼が見たニュースは老若男女、人種を問わず急に姿を消しそして2度と戻らない。そういう事件の事だった。
臣 確か・・・幻想・・・!!!
一瞬、事件の内容を思い出そうと目を閉じ開けただけ。その時。
??? やったね♪またご馳走にありつける!
その言葉と共に視界が無くなった。その代わりに声がした。
??? 喋ったら今すぐ殺す。まあ、喋らなくても殺すけど。
なにも見えない。闇の中から幼い少女の声がする。状況が全く飲み込めなかった。続けて少女の声がする。
??? ふーん、喋らないか~普通ならここで死ぬんだけどな~
臣 (何言ってんだこいつは・・・殺す???)
??? ねぇねぇ?じゃあ今度は何か喋ってよ?
臣 (意味がわからない・・・この暗闇はいったいなんなんだ?この声がしてから急に暗くなったからもしかして・・・!?)
ごん・・・と言う音と共に考えが止まった。
臣 ぐう!?
ふくらはぎの部分から激痛が生まれ、さらにに声が続く。
??? やっぱりここに来る人間って頭が悪いねぇ~それは喋るじゃなくて唸るって言うんだよ?
何がなんだか全く理解出来ない、しかしこの足の痛みの原因と、自分の置かれている状況がようやく理解できた。
臣 (このままでは本当に・・・ならば今は!)
そこまで考えて、臣は生きることに集中した。
??? つまんない!じゃあね。
臣 なあ・・・嫌、あの・・・
??? お!喋った♪なになに?
臣 俺は臣って言うんだ、あなたの名前は?・・・
??? え?・・・
臣の言葉の後、暫くの沈黙が続いた。臣は今なお暗闇に覆われている。その沈黙は本当に恐怖だった。