HRθやらねばならないこと計二つ
「えー、そろそろ夏休みだが、まずその前にやらねばならないことが二つある。」
5,6時間目が終わっての|HR<<ホームルーム>>。
担任の山崎先生の開口一番。
はて、何かなぁと思い返してみる。
……あれだ、夏休みの宿題の配布だ。
夏休みといったらこれしかない。
んじゃあ後もう一つはなんだろ……
「夏休みが終わってすぐに文化祭があるけど、まぁ毎年高一がクラス出展やら何やらを自分の教室で、高二校庭で模擬店、高三が自由参加、となってる。 これからその模擬店で何を出すかを決めたいと思う。」
「えぇ、放課後使って話すのかよ。」だの声が挙がる。
夏休み始まる前に終わった後の話しをするのか。
ってまぁ去年もだったな。
「後でも先でも決める時は決めるんだ。 やるからには全力だ、やるぞっ。」
そう言って山崎先生は一番後ろの空いている席に座る。
「え、えっと、それじゃあこれから出し物を決めよう。」
壇上には代わってクラスの行事実行委員の藤崎が立つ。
「では、まずは何を出したいか候補のある人は挙手を。」
次第にイカ焼きだの、タイ焼きだの、候補が挙げられる。
「ねぇ、つかさくんは何かないの?」
「ん~、とりわけそういうの無いかな。」
「それじゃあ…はい! タコ焼き!」
……こっちはタコか。
それ以前に焼く以外頭は無いのか!
よしそれじゃあ俺も何か案を出そう、と考えてみる。
……もちろん、焼き以外で。
「……あ、クレープ。」
挙手して発言。
「はいクレープ…あれ、生クリーム大丈夫でしたっけ?」
「ん~、生系はダメだった気がする。」
「判りました。 じゃあボツ。」
すぐさま行事実行委員様と担任様の会話にてバツ印をつけられてしまった。
本気でしたかったわけじゃないけどちょっとヘコむなぁ……。
「それじゃ今挙がっている候補から多数決で決める、いいかい?」
別にどれでも良かったのでとりあえずタコ焼きに手を挙げる。
結果。
イカ焼き:10票
ドラ焼き:1票
タイ焼き:6票
トリ焼き:8票
タコ焼き:11票
ばくだん焼き:0票
……一つ絶対に他に流されて表記間違えてるやつあるぞ。 というか最後の何だ!? 物騒過ぎる!! なんでも焼けばいいってもんじゃないだろ!?
………0票だった。
誰だ推したの突っ込んで欲しかったのか……。
「はい、それでは文化祭の出し物はタコ焼きに決まりにします!」
割りと票が分かれてる気もしたが他のみんなも別にこれで言いらしい。
……焼ければ良いのか?
「よし、いこうっ!」
俺のクラスは全40人。
票は合計41票。
タコはどうやら先生一押しらしかった。
その後は受付係・焼き係・生地を作る係と仕事の分担をした。
ちなみに俺は焼き係で茜は受付係。
「よーし、それじゃ後は材料調達してきて器具借りて夏休み期間中の何日かを使って練習するぞ!」
始めっからだけど結構乗り気な担任は長いようで短い貴重な夏休みの自由時間を消費してまで文化祭に取り組むらしい。
まぁそう言う俺もタコ焼き…焼き?なんて普通じゃしないから割りと楽しみではあるけれど。
「解散!!」
……………え?
そろそろ文化祭の時期…というか終わる頃でしょうか。
なんとなくで文化祭ネタを突っ込んでみました。
"終わらせる物語"ではなく"続いていく物語"も面白そうだなぁ、と思う今日この頃です。