日常θ寝起きの授業とその昼休み
次話投稿に少し空きがありました…。
やべぇ寝ちゃった。
いやまぁ判っていたけど……。
しかし三時間目完全スルーか。
またノート見せてもらわないとなぁ、と幼馴染の「またぁ?」というあきれ顔と声を頭に思い浮かべながら隣の席を見れば……
「寝てるし……。」
なんだかんだ言っても先生に起こされないあたり、こいつもよく眠ってるクチだ。
机の上に腕を組んでそこに頭を乗っけて、少しニヤケぎみの笑顔。
ノートは、出ていない。
「はは…。」
さて、どーするかな。
こいつもこいつで授業中なんかはよく眠るよな。
先生の声とか眠くなるじゃん、なんて言ってたけど夜しっかり寝ているのかな。
俺が近くに居るせいで居眠りを他の人より普通のこととして受け止めてしまいがちの傾向はあるんじゃないかとは思っている。
……よし、イタズラしてやろうか。
ペン…ペン……っと………
……子供っぽすぎるイタズラだった。
あー、そういえば中学生の時に同じイタズラして口利いてくれなくなった挙句同種のイタズラされてチャラになったことあったな……。
怒られるのイヤだし……やっぱやめよ。
しかし……
「幸せそうに笑ってるなぁ。」
何か良い夢でも見ているに違いない。
ふむ……。
「……寝かせて置いてあげよう。」
結局寝ている本人からして優しいんだか優しくないんだかの決断を下すのだった。
ーー私は寝ている時の人の気持ちを理解してあげられるのです。
それからすぐに四時間目の開始を告げるチャイムが音を鳴らしながら数学の先生を召喚したのだった。
時は昼休み。
場所は学校の教室。
そして俺は……結局茜に怒られてしまっていた。
原因は数学の先生。
そうに違いない。絶対そうだ。
ーーこの問題を自力で解いてみろ、と言われ出された出題問題の解答時間が暇で(解けなかった)窓の外をボーっと見てた。
そのせいで気づかなかったんだ。
その先生がこっちに近づいて来るのを。
「いつから寝ていつまで寝るつもりだ、相沢! 柊の睡魔がお前にも取り憑いたか!」
そう言う声とそれに続いてバンッ、という音と「わきゃっ!?」と云う謎の悲鳴が聞こえた。
驚いて茜の方を見てみれば(後々から考えてみるとこの時俺に取り憑いている睡魔が手招きしていたかもしれない。)どうやら数学の教科書で頭を叩かれたらしいことが判った。
頭をさすりながらこっちに目をやる茜。
ずいぶんビックリしたんだろうずいぶんなアホ面。
………吹き出してしまいました。
「ーーいやホント悪かったって。 つかなんでこっち見たんだよ。」
「私だけ怒られるなんて理不尽だ、って思ったの! そしたらつかさくんちゃっかり起きてるしなんか笑うし。」
ふんっ、とそっぽを向く。
しかしこういう時でも一緒に食べようって云うんだから……もしかしてこいつ友達居ないのか?
ちょっと焦って周りを見回す。
……俺の方が少なかった。
……自虐ネタだった。
「いやなんか気持ち良さそうに寝てたからさ。 なんか良い夢でも見てるんだろうなぁ~、って。」
その言葉に「ん~…」と顔を悩ませている。
どうやら思い出せないらしい。
よくあること。
「…どんな夢見てたか忘れちゃったな~。」
やっぱり。
「うん、まぁ確かになんか楽しかったなぁ~、って云うのは覚えてるよ。」
「判る。 起きた直後なんかは覚えてた気がするけどふと気づいたら思い出せなくなってたりね。」
夢を思い出せそうで思い出せないときのモヤモヤ感はさっさと忘れるようにしないとずっと気になってしまうモノがある。
「なんかこういうのって楽しかった夢ほど忘れてるんしわゃないかと思うよね~。」
「確かに…まぁそれってやっぱ怖い夢とかの方が心に残りやすいんだろうね。」
「起きてすぐ思い出しちゃうし……。」
「まぁでもその後安心するでしょ? あぁ夢で良かった、って。」
「まぁね~。」
やっぱりそういうのも心当たりはあるんだろう。
照れてるような苦笑してるようなそんな笑みで肯定する。
「ん~、どんな夢だったかな~……!」
「そんなの判らないよ。」
「……あ~、そうだ! ……ねぇ、夏休みどうする?」
「……え!?」
どこからその話しが出てきた……。
「いやだってーー。」
ーー今日もこうして俺たちは日常を過ごしていく。
何事も起きない平穏な時間を。
しばらくはこんなんが続くやもしれません(汗
いや…名作を書こうとしてるわけじゃないし………