暗闇
いつの間にか、涙が流れていました。
今のが私の誰にも知られたくないこと。
「今のって・・・」
「ごめん!」
彼は本が乱雑に散らかっている床の上で土下座をしていました。
「え・・・?」
「まさか、そんな闇を持っているとは思わなかったんだ。
許してくれ!」
もしかして・・・。
「今のは、あなたがやったの?」
「ああ。 お前と妹の間に何か暗闇があるのも見てしまった。
今のは俺が悪かった!本当にごめん!」
「え、ええと・・。」
さっきのは夢みたいなのだったのかな。
それとも、本当に彼が私の暗闇に入ってきたのかな。
「本当・・・だったんだね。」
「ああ。」
「いいよ、気にしてない。」
本当に起きていることじゃないから大丈夫。
自分にそう言い聞かせる。
気にしてないって言っても、彼はいつまでも頭を下げたまま。
「さっきのって、どうやったの?というか頭あげて。」
やっと通常状態に。
「それで、さっきのって・・。」
「さっきのが、俺が暗闇に入った結果だ。」
「あなたの声がした。」
「お前の暗闇だからな、俺が声を発せばお前に聞こえるだろうな。」
「どういう原理?」
「知らない」
「ともかく、今日は帰ったほうがいい。 暗闇に入られて疲れてるかもしれない。」
「そう・・・だね。」
私、疲れてるのかも。
「じゃあ、明日も来るね。」
「あ、ああ。」
明日も来るって言ったらちょっと嫌そうな顔をしたのが気に食わないけど、いい人かもしれない。
今日はひとまず帰ろう。




