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目覚めは新しい足裏とともに

 見知らぬ天井が目に映る。

 目が覚めると馴染んだ自分の部屋ではなかった。

「目が覚めたか」


 声に振り返るとそこにいたのは剣術の達人で師匠でもある我が祖父だった。


 なんでこんなところに…意識を失う前の記憶をたぐり寄せる。

 

 ある朝、いつもはふざけた表情のジジイがいつになく真剣な面持ちで今夜誰にも見られることなく裏山の神域に来るように告げてきたのだ

 神域は我が流派の重要な儀式や催事を行う場所

これは重大な要件だとその場に向かった。


 そして到着するやいなや、意識を失う謎のスプレーを吹きかけられた。

 薄れゆく意識の中で映るジジイの顔はいつものニヤケ顔だった。

 浅はかだった。このジジイを前に一瞬たりとも油断などしてはいけなかったのだ

「おいジジイ何しやがった」


 ジジイのニヤケ顔に警戒が足らなかったことを後悔しながら問いかける。


「何って、孫を思う儂の思いやりをつけてやったんじゃよ。足の裏を見てみ」


 そう言われ、足の裏をたぐり寄せる。

 足裏に三寸ほどのまん丸な玉のようなものが付いている。


「ふざけんな!なんだこれは?」


「師匠に対して言葉遣いがなっとらんな。それは儂特製の秘伝の足裏カタパルトじゃ。よく回るぞ」


「クソジジイー!孫の体を玩具にしてんじゃねえ!!」

 爺の顔に一発食らわせるため叫びながら飛びかかる。

 しかし爺が手に持ったリモコンのような物のボタンを押すと、足裏の玉が回転し始めた。

 足が滑ってバランスが崩れ倒れる。傍にあった机に頭を強打し、俺の意識が薄れていった。

 暗くなる視界では爺は腹立たしい顔でニヤニヤと笑っていた。


この話は俺が

 剣術の師匠であり祖父でもある爺に、平穏な人生を改造され、る迷惑の話である。


 他人の不幸など酒の肴には合わないかもしれないが、

積り積もって俺のはらわたが沸き立つ話を、ご賞味いただきたい。

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