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旅館殺人事件?!?! 前編

''恋愛的な感情と、性的欲求は同じなのだろうか?''


個人的な考えになってしまうが、自分は同じだと思う。例えばの話だが「好きなあの子の全てを知りたい」という感情は、恋愛的な感情から来るものなのだろうか?はたまた性的欲求から来るものだろうか?この発言からはどちらの感情も読み取れる、と自分は思う。だからこそ、恋を実らせた男女は''セックス''という行為に至るのだ。


これはあくまで個人的な意見であり、恋愛的な感情と性的欲求が''決して同じではない''という意見にも賛同できる。そうでなければこの世に''セックスフレンド''という言葉は存在しないのだから。


だからこそ面白い。これが人間の持つ感情と本能的な欲求のパラドックスなのだ。
































「コラ!珍三郎くん!!お客さんに対しての態度が悪いよ!!!」


「うるせぇ!こいつが俺の名前を馬鹿にしたのがいけないんだろ!ぜってーにぶち殺してやる!!おいゴラァ!!表出ろやカス!!!」


いつものように営業しているハプニングバー兼探偵事務所。俺は客に名前をバカにされたことに腹を立てて、店の中で暴れる。


「あ、兄貴!辞めた方がいいですって!また前科ついちゃいますよ!」


「オイ村岡ァ!!俺は前科持ちじゃねぇってなんべん言えば分かんだよ!!」


「うーん…まぁしょうがないんじゃない?珍三郎くんって犯罪者っぽいもん。ほら、この前だって私の事''ぶち犯してやる〜''って言ってたじゃん(笑)」


「…っっ!!ひめかさん、それマジですか??」


「うん、マジ。おしっこ飲ませないとぶち犯すって言われたんだよね、、どうしよう村岡くん…私、怖い…」


「兄貴ィィ!!!!!」


ひめかさんは前の依頼の話を持ち出してくる。あのクソアマ、ちゃんと真実を村岡に伝えているため、弁明のしようがない…


「ひめかさんまぢタンマタンマ!!確かに言ったけどそれは…ウワァァァァァァァァァァ!!」


弁明をしようとした俺の顔に村岡は容赦なく拳を入れる。


「テメェ先輩ぶん殴るっちゃどんな教育受けてんだ!!おぉ?」


俺が村岡に飛び掛ろうとした刹那、今度は後ろから首を絞められる。


「ヴッッ…くる、しい…」


「殺すよ」


この匂いは…潮 孵化素夜さん…?


「潮さんナイス!!もっと兄貴の首絞めてやってください!!!」


「アハハ★珍三郎くんまじブス〜きもーい」


「だ、れか…止め…て、、、」


「はいストップストップ!他のお客さんもいるんだから、みんな落ち着いて!」


カオスな状況の中、佐藤がみんなを静止させる。


「ほんとにもう…うちの従業員には''仲良くする''っていう思考はないのかな…」


「あるわけないだろ!誰がこんな犯罪者予備軍共と仲良くしろって??ふざけるのもいい加減にしろ!」


佐藤の静止でようやく潮さんから解放された俺は、今度は佐藤に歯向かう。


「類は友を呼ぶって言葉知らないのかな?それはさておき、みんな仲が悪すぎるよ!」


佐藤は悲しいのか怒っているのか、とても切ない顔をして訴えかける。


「ということで、来週から1週間、このお店を休みにしてみんなで旅行に行こうと思います」


「…は?」


佐藤の言葉に全員が呆気にとられていた。


「ほらさ、アンドレイさんいるでしょ?あの人が旅行券くれてさ!シーズン的にも夏休みだし、ちょうどいいかな〜って!」


「いやいやいやいやいや!!冗談じゃねぇよ!こいつらと旅行とかたまったもんじゃねぇ!!」


「あの、佐藤さん…!」


村岡は神妙な面持ちで佐藤の名前を呼ぶ。


「あの…!その旅行ってひめかさんも来ますか?」


「うーん…ひめかさんはうちの従業員じゃないけど、常連さんだからなぁ…ひめかさんが良いなら、是非一緒に行きたいけどね〜」


「俺、ひめかさんが行かないなら行かないです」


村岡はキッパリと、佐藤に告げた。


「私もちょうど夏休みだからいいけど…?でもそれだと人数余っちゃうんじゃない?ほら、今日はいないけど穴くんとか珍宝さんとかいるわけでしょ?」


「いや〜僕もそこが''ネック''なんだよね。旅行券は5枚、僕と珍三郎くんと村岡くんと潮さんで4人でしょ?そうすると穴くんと珍宝くん、どちらかが来れなくなっちゃうんだよね…」


「従業員みんなで仲良くしましょうとかほざいてたくせに、なんで1人分足りねぇんだよ。バカかよ」


俺は佐藤のアホさ加減にビビる。マジでコイツなんも考えてないだろ。ただ自分が旅行に行きたいだけで、一緒に旅行に行く友達もいないから俺らを誘ったんだろ。


「まぁ…それもあってさ、穴くんと珍宝くんにはお留守番して貰おうかなって…お店はやってなくても、やれる事はあると思うし」


佐藤は渋々提案した。まぁ、あいつらいても盛り上がんなそーだしな。ちょっと可哀想だけど、それでいいと思う。


「ということでひめかさん、どうします…?」


村岡は、いつにもなく真剣な表情でひめかさんを見つめる。


「うーん…分かった。みんながいいなら私も行く!旅行なんて久々だしね!」


「よっしゃあああああああああああぁぁぁ!!!!!」


うわぁ…こいつキモ、、めっちゃ喜んでるじゃん。


俺は村岡の喜んでいる姿を見て吐きそうになった。


てかさ、冷静に考えてみろよな。村岡が「ひめかさんが行かないなら行かない」って言っているんだからさ、村岡1人留守番させて穴さんと珍宝さんの枠を確保すれば良かっただけの話じゃね?こいつらマジで頭足りてないだろ…


こうして俺たち5人は、旅行に行くこととなった。























「珍三郎くん遅い!!」


旅行当日、俺たちは佐藤の車で目的地まで行くこととなった。佐藤のくせにでけぇ〜車持ってんじゃん…


「おせぇよ。主役待たすんじゃねぇよ」


30分遅れてきた俺は、駅のロータリーに止めてある佐藤の車へと乗り込む。


「いやいや…兄貴、30分遅れてますやん。何が''主役待たすんじゃねぇよ''ですか」


「お前語尾に''ですか''って付けてんじゃねぇよ。それ日本語になってねぇから気を付けろよ」


「いやぁ…まぁ、一応歳上なんで(笑)」


こいつぜってぇ〜バカにしてるよな。目的地に着いたら殺す。


「はいはい、騒がないの。それよりみんな、一応シートベルトしといてね。モラル的な意味で批判を食らうからさ。それと、これレンタカーだからくれぐれも暴れないように。わかったね?」


佐藤はみんなに注意喚起をした。


「やだね〜!!誰がシートベルトなんて付けんだよ!!シートベルトする奴なんて世の中様(笑)のルールに厳しい一部の人間だけだろ??ったくシャバくせぇな〜」


俺は旅行で気分が上がっているので、聞く耳を持たなかった。まぢシャバくせぇぜこいつら…頭湧いてるくせにそうゆう所はしっかりしようとすんの辞めろよな。人間の真似事したって、こいつら人間じゃねぇから世の中で通用しないって(笑)


「ヒュー!!兄貴まじかっけぇ!!俺もシートベルトなんてしないね〜!おーい、佐藤死ねや〜(凸◜ω◝ )凸おーい!!\( ᐙ )/」


村岡も同じ気分なのか、聞く耳を持たない。さすが俺の後輩だ。


「お?村岡よく分かってんじゃん。そりゃあ俺達は…っっ?!?!」


俺は後ろから首を絞められる。これは…!潮、さん…?!


「殺すよ」


おいおい…冗談じゃねぇよ。こいつ「殺すよ」以外に言葉発せないのかよ…


「今回は私も潮さんにさんせーかな〜。私、ルール守らない男の人って好みじゃないの」


追い討ちをかけるように、ひめかさんも潮さんの行動に賛同する。


「あ、はい。シートベルトします。やっぱ安全第一っしょ。マジ佐藤さんリスペクトっす。まじかっけぇわ…!」


村岡はそう言ってシートベルトをした。こいつ、手のひらぐるんぐるんじゃねぇか!どうなってんだよ…!!


「わ、分かった…!!お、俺も、俺もするから!!離して!!!」


俺の命乞いが通じたのか、潮さんは手を離してくれた。


「ふぅ、危ない危ない。旅行前に殺される所だったぜ」


俺はシートベルトをきちんとした。


「ほんとにもう…!村岡くんまで珍三郎くんに染まってどうすんの!村岡くんはこんな大人になっちゃダメだよ!!」


今年21歳である村岡に、佐藤は注意をする。21歳って充分大人だろ…最年少だからってガキ扱いかよ。


「ちょ、佐藤さん(笑)何言ってるんですか!こんな頭おかしい奴、世の中に放し飼いされてるだけでも奇跡なのに、俺が染まってる??冗談はよしてくださいよ」


「…やっぱお前、今殺す」


俺は村岡に飛び掛ろうとしたが、潮さんが後ろにいるのでやめといた。俺も大人だからな、ここは我慢我慢っと…


「ほんとにもう…!じゃあ、出発するからね?!」


俺が30分遅れたこと、そして俺と村岡の一連の流れのせいで予定より1時間近く遅れて出発した。














「うわぁ!!すげぇよ兄貴!」


「まぢすげぇ!!俺たちこんな所で泊まんの?!まじパネェっすわおっさん!!」


ようやく目的地に着いた俺達は、1週間お世話になる旅館を見て興奮する。


「へ〜すごいねしょーちゃん。こんな大きい旅館、1週間も泊まっちゃって大丈夫??」


「大丈夫大丈夫!みんなアンドレイさんにお礼を言うんだよ。じゃ、さっそくチェックインしちゃおっか」


「…トイレ」


「ん??どしたの潮さん」


「…トイレ行きたい」


潮さんは下半身をモジモジさせながらそう言った。初めて「殺すよ」以外の言葉を発している所を見た。


「潮さん潮さん!!トイレならここにあるよ!!あーーん(´□`*)」


俺は潮さんに向かって大きく口を開ける。


「…!」


潮さんは一瞬動揺したように見えたが、佐藤に「トイレへ行く」と伝えて走っていった。


…相当溜まってんだろうな、いつもだったら「殺すよ」って言って首絞めてくるもんな。意外に可愛い所あんじゃねぇか。





















「すごーい!めっちゃ広いんだけど〜!」


チェックインを済ませた俺達は、部屋へと案内される。


「すげぇ!茶菓子とか置いてあんだけど!これ食っていいの?!」


村岡は机に置かれた茶菓子を見て興奮する。


「興奮する所そこじゃないだろ。普通こういうのは外の景色を見て興奮するもんだぜ?」


「いやいや、兄貴と一緒にしないでくださいよ(笑)俺まで前科持ちだと思われちゃうじゃないですか?!」


「やっぱお前今殺す!!」


俺は村岡に飛びかかった。


「うわぁ!!やめろ、マジで!!!」


俺に押し倒された村岡は、下で必死に抵抗する。


「あのさ〜、珍三郎くんも村岡くんも、ここ女子の部屋だからさ。出てってくんない?」


じゃれ合っている俺達を横目に、ひめかさんは冷たい目で俺達に言い放った。


「え、ここ女子部屋なん?」


「いや、普通に考えてそうでしょ(笑)なんであんたらはしょーちゃんの方に付いて行かなかったわけ?」


「…」


口が滑っても、女子部屋で一緒に寝たかったと言えない。俺達は「ごめんなさい」と一言、女子部屋を後にした。





















その後俺達は、温泉に入り夕飯を食べた。旅館に着いたのが夕方なこともあって、今日は飲みに行くだけで観光は明日からという事になった。俺達は明日に備えて0時前に就寝する。


…まさか、翌朝にあんなことが起きるなんて…この旅館に''悪魔''が潜んでいるなんて、この時の俺たちは知りもしなかった。
















「みんなおはよ〜!…ってあれ?女子2人は?」


朝の10時にロビーに集合。それなのに2人がいない。


「多分もう少しで来るんじゃない?ほらさ、女の子って準備に時間かかるからさ!」


俺の言葉に佐藤が反応する。


「ったくふざけんなよ。俺、時間守れねぇ奴大嫌いなんだよ…」


「…どの口が言ってんすか、、朝からキレキレですね」


村岡はニヤニヤしながら俺の言葉に反応する。


「んだとお前?煽ってんのか??おぉ??」


「はいはい2人とも!朝から喧嘩しないの!!それにあと少しで…」


「キャーーーーーーー!!!!!」


突如、2階の方から悲鳴が聞こえた。客室の方か…?


「え、なに?」


「ゴキブリでもいたんじゃね?」


「いや、それにしてもじゃないすか?」


俺達3人がそれぞれ上から聞こえた悲鳴に対して反応していると、耳を疑うような言葉が耳に入ってきた。


「死体だーーーー!!!!死体があるぞ!!!!」


「「「…え?」」」


俺達は急いで階段の方へと駆け上がって行った。そこには2人の姿もあった。良かった…一応無事だったのか。


「何があったの?!」


佐藤は2人に駆け寄り、状況説明を求める。


「しょー…ちゃん、、?」


ひめかさんはショックを受けているのか、パニックを起こしているのかは分からないが、だいぶ狼狽えているように見える。


「…そこに、死体が」


ひめかさんに変わって潮さんが説明を始める。


死体の第一発見者は、ひめかさんと潮さんなのだそうだ。2人がロビーに向かっている最中、客室から廊下の方に、何かが染み出ていたそうだ。その染みは赤黒く、客室から出ているのを見た2人は何かあったのだと思い、鍵の掛かってないドアを開け、目の前に死体が転がっていたのを見たそうだ。


潮さんの言う通り、客室の中で人が倒れているのが見える。客室の中と言っても、ほんとにドアの手前だ。遺体は、客室からドアの方向に逃げるように倒れている。おそらく外へ逃げようとして殺されたのだろう。


遺体は男性で、胸やその他身体の部位に何ヶ所かの刺傷も見て取れる。流れ出た血はドアの下の隙間を通って廊下の方にまで染み出ていた。


「警察…?!おい、誰か警察呼べよ!!!」


先程も上から叫んだ男性なのだろうか、かなり焦った様子で誰となく訴えかけている。


…マジで自分で呼べよな。


「何かあったのですか?!」


俺達の騒ぎを聞いて、旅館の従業員が現れる。


俺達はその人に一連の流れを説明した。そして難しい顔で答える。


「…生憎、今電波が繋がらない状況でして、、」


「はぁ?!なんでだよ!!」


「…実は1週間前の大嵐で電波塔がやられてしまって、、ほら、ここって山奥ですし…」


「じゃあどうすんだよ?!」


「ここは僕達に任せたらどうだい?」


探偵小説でよくある王道な展開に、佐藤が声を上げる。


そして佐藤の一言に、その場にいた全員の視線が集まる。


「僕達は探偵さ。どんな難事件でもお手の物さ!」


「な…なんと…!!探偵さんですか!!!今すぐ館主をお呼びして来ます!!」


そう言って旅館の従業員の人は走っていった。


…いや嘘つくなよ佐藤!!!!ぜってぇ〜にこんな殺人事件とか担当したことないだろ!!


こうして俺達は殺人事件(笑)に巻き込まれる事となった。








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