チャンネル
掲載日:2022/11/10
私のなかのもやもやがくすぶっている。
ふいにリモコンでテレビの画面がアニメからプロ野球中継にかわった。父が無言でテレビのチャンネルを切り替えたのだ。
「っ。ちょっと」
「いつまで働かんでこんなことしてるんだ。まったく」
塩茹でした枝豆をつまみながら缶ビールをグラスに注ぎ飲んでる父。
父の言う通りなのではあるが。理解されないもどかしさ。目標がないわけではなかった。話がかみ合わない苛立ち。
私は逃げるように自分の部屋へ、階段を踏み鳴らして上がった。
作品を制作しては投稿して3年。がんばってみたけれどだめだった。自分でも実力ないってわかってるんだ。
部屋の扉を勢いよく音を立てて閉めることくらいしかできない私。
テレビから歓声が聞こえた。
「ああ!何やっとるだ!たわけが!面白くなってきた!」
父の余裕を感じた。
私のチャンネルも切り替えなくちゃ。自分の意思で。
翌朝、私は履歴書を送った。




