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第9話 最終話僕の青春 『『ありがとう』

最終話になります

僕「4月から英語教えることになったんだ」

興奮を抑えながら文字を入力し、送信する


こんなに気持ちが高揚するのは久しぶりだ。





「おめでとう」「すごい」

等の言葉を期待していた


あわよくば高校の頃の時のひかりさんが幼稚園の先生になって僕が英語を教えるという約束を覚えてくれているのではないかと


淡い期待をしていた
















































































































































































































































しかし、


ひかり「え?僕君が英語教えるの?」




予想とは反対の言葉だった


僕は思わずその返信に???になり


「そうだけど?」 


と返信した




ひかり「僕君留学経験とかあったっけ?」




僕「ないね。でも、大学で児童英語を受講してたよ」


僕は大学時代にこうなった時のために児童英語を受講していた。


僕は児童学科だが、

国際科の生徒の講義も受講していた


自分なりに必要最低限のことはしていたのだ




ひかり「発音とか大丈夫なのかな?留学経験ないと生きた発音は難しいし、私の所はネイティブの先生来てくれるし

、それ以外でも、留学経験ある子がしてるよ。幼児期の大事な時期ならなおさらだよ?」





確かに、発音に関してはネックだった。



それに関しては僕自身も気にしていたのだ



しかし、デジタル化したこのご時世



発音の所は機械で何とかカバー出来るのだ




「発音に関しては機械を使う予定」



自信満々に返信する




確かにひかりさんのいう通りだけど

少しくらい褒めてくれたって良いじゃないか。せっかくここまで頑張ってきたのに




僕は少しムッとしていた




ひかり「機械?確かに機械なら正しい発音はできるかもだけど、それって家とかでも出来るし、どうなのかな?それに児童英語ってそんな機械とか使うんじゃなくて先生と子どもたちで楽しくワイワイしながらするものじゃないかな?」




僕はハッとなった




ひかりさんはいじわるで僕にそう言っているのではない



幼稚園教諭の視点から冷静に分析して言ってくれているのだ



幼児期というのは将来の人格を形成すり

重要な時期だ



その時期にいい加減なことは許されない



ひかりさんなりの子どもへの気づかいと僕への優しさだったのだ



ただ英語が出来ると浮かれていた僕には衝撃的だった




「ありがとう。もっと真剣に考えて見るよ。でも、あのときの約束に近づいたよ」




僕は感謝を伝えるとともに、あのときの約束を覚えているか確認をかねて送信した




ひかり「頑張ってね。私の所ではね○○

してて、友達のところは○○してるよ」




ひかりさんは僕との約束を覚えていないのか上手くスルーしつつ




自分の所の活動と他の園の活動等々知ってることをこと細かく教えてくれた




やはり約束を覚えていなかったか


ある程度予想していたのでそこまでショックではなかった


約束なんて人それぞれで平等ではないのだ




ひかりさんにとっては大したことではなかったのだろう




それでも、あの時の約束があったから僕はここまで頑張ってこれたのだ


あの時のひかりさんが僕の夢をとびきりの笑顔で肯定してくれた時の嬉しさは今でも覚えているし、あのとびきりの笑顔は一生忘れないだろう




ひかりさんに「こんなに詳しくいっぱい送ってくれてありがとう」 


という言葉を送り、○インを閉じた


こんなにもこと細かく色々なアドバイス等を送ってくれるあたり


やはりひかりさんは優しい。先ほどまでの厳しめの言葉も子どもたちや僕のことを思ってのこと




彼女は立派な幼稚園教諭だと改めておもうのだった






そこから僕は勉強を始めた。

機械に頼り過ぎないように


発音を一から復習した




ネイティブのようには出来ない


しかし、アクセントや聞こえる音をそのまま真似ることである程度は模倣出来たと思う




僕はひかりさんに言われてからもっと真剣に子どもたちに英語を教えようと



僕のすべてをかけて子どもたちに英語を教えた




周りの先生たちからそこまでやるの?

焦りすぎじゃない?


と言われた




客観的にみたら僕が一人で空回りしていただろう


でも、こだわりたかった




全力投球を貫きたかったのだ





僕は大変に思いながらも毎日が楽しかった





子どもたちが僕の頑張りにこたえてくれるように


どんどん単語を覚えていってくれた




簡単な日常会話も覚えていった




覚えることが難しい子どもには時間を見て、個別に話しかけていった




そのおかげか大人しい子どもたちも単語を覚えていった


活発な子どもが早く覚えるのは予想通りだったが

 

大人しい子どもたちも覚えていってくれて嬉しかった




「今日は英語しないの?」 

って言ってくれる子どもが増えた




何より成果を感じたのは


ネイティブとの英会話レッスンだった



ウチの園でも、月に1度ネイティブの先生が来てくれてレッスンしてくれるのだ



簡単な日常会話をやったらしいのだが、そこは僕がすでに教えていたところだったようで


ほぼ全員が堂々と答えていたみたいだ




ネイティブの先生もこの短期間に子どもたちがここまで話せていることに驚いていた



と後から担任の先生に教えてもらった




僕は感動して涙を流しそうだったが、必死にこらえた

まだ通過点。まだまだこれからなのだ




だけど

子どもたちに心の底から感謝した





子どもたちに英語を教えることにやりがいを感じていたが


ひかりさんの「留学経験ないのに教えるの」


という言葉が引っ掛かっていた




確かにと思う




保護者からしたら留学経験のない素人が教えることに納得いかない人もいるだろう


もちろん英語を教えてくれてありがとうございます


と温かい言葉をかけてくれる保護者もいたが




何より僕自身が留学に興味があったし


もっと本格的に子どもたちに教えたいと思ったからだ




僕は留学を決意した




留学するため退職する旨を伝えると


英語を教えられなくなった




悲しいが仕方ないことだと割りきった




子どもたちに

「英語しないの」

と聞かれる度に




「忙しいから」

と伝えて断っていた


心の中でごめんねと何度も何度も呟いた





久しぶりにひかりさんの夢を見た


夢の中でひかりさんから

「結婚するの」


と言われた夢だ





嫌な予感がした  


昔から僕はひかりさんに関しては予知夢のようなことを見るのだ


ひかりさんが体調崩した夢を見た時もそうだったし


今回もそうではないかと感じた





女の勘は良く当たると言うが




僕もひかりさんに関しての勘は良く当たると思っている




僕はひかりさんに連絡するのを躊躇した


この予知夢が当たっていたら

僕は立ち直れないかもしれない


知らないままの方が幸せかもしれないと思ったからだ




しかし、「やらずに後悔するよりやって後悔」




こわいが連絡することにした



何より留学することでひかりさんに会えなくなる


少しで良い、たった一言でも良いから顔を見て話したかった




ひかりさんに連絡した


留学することにした。だから少しで良いから時間を作って会ってくれないかと





ひかりさんから返信がきた

「すごいね。頑張って」


そのあとに

「ごめん。私結婚するから」





僕の夢は予知夢となった




やはりひかりさんに関しては僕の勘は良く当たる




結婚してしまってはもう可能性は0だ。




僕は今までで一番全身の力が抜けた。ひかりさんに彼氏が出来たときとは比べ物にならないくらいの脱力感だった



何かが音を立てて崩れていく。そんな感覚


何ならこのまま空も飛べてしまうのではないかと思うほどだった




僕は最後の力を振り絞って会えないかと聞いてみた


もうひかりさんのことは諦める。それでももう一度、もう一度だけ会いたい




二人の仲をどうこうしようとは思わない




ただ、ちょっとだけでも会いたかった





ひかりさんから

「ごめん。彼のことが大切だから他の男の人とは会えない」




はっきりと断られた




「そうだよね。ごめんね。結婚おめでとう」


と返信した




「ありがとう。僕君も留学頑張ってね。身体に気をつけてね」






こうして僕の12年間の片想いは終わりをつげた




ひかりさんの連絡先を消した




何もやる気が起きなかった


何もしたくなくなった





仕事に行っても当たり前だが、英語はさせてもらえない


子どもたちには癒されるがそれも一時的なもので


この脱力感は消えなかった




僕の様子を気にした幼なじみが声をかけてきた


幼なじみとは3歳からの腐れ縁で幼、小、中、高と同じなのだ




尤も高校は学科が違ったため幼なじみはひかりさんをあまり知らない




幼なじみは僕のひかりさんへの想いを知っているので




全て話した




慰めてくれると思った。誰でも良いから自分を肯定して、欲しかった



「よく頑張ったな。次行こ、次」



幼なじみからの温かい言葉を期待していたが








「気持ち悪い」




「結婚する人に会おうとするとかありえないだろ」




一喝された




僕は幼なじみに怒りを覚えたが


客観的にみたら僕の行動はおかしいんだろうなと



自己嫌悪に陥った



幼なじみに気持ち悪いと言われ絶望のどん底へと落ちた僕に


追い討ちをかけるようにひかりさんが夢に出てきた




夢の中でも意識があった僕は内心で出てくるなよと思いながらもひかりさんと話す


とても楽しい時間だった




ひかりさんと過ごした時間はとても楽しかったし、充実したものだった


ひかりさんが僕の夢を肯定してくれたことや僕のことを頑張りやさんと言ってくれたことはウソじゃない


ならせめて僕に出来ることは留学頑張って子どもたちにきちんと胸を張って英語を教えるようになろう


そう決意した




僕は全てを終わらせるために手紙を書いた




ひかりさんへ


僕にたくさんの素敵な思い出をありがとう


ひかりさんがいなかったら高校3年間はただの陰キャでクラスに馴染めずに終わってたかもしれない



勉強だって、バスケだってあんなに出来なかったかもしれない


ひかりさんがいてくれたからここまで頑張ってこれた


僕の高校生活を最高のものにしてくれてありがとう


ひかりさんが僕の夢を肯定してくれたことや頑張りやさんって言ってくれて嬉しかった


僕はひかりさんが思ってるほど頑張りやさんじゃないけど、せっかくひかりさんが言ってくれたから頑張りやさんになれるように頑張るね


ひかりさんの例え苦手なことでも一度決めたらとことん努力する姿が本当にカッコよかったし


しっかりしてそうなのに素で天然なところがかわいいかった。


あの頃とは違って男性恐怖症は克服出来て良かったね


旦那さんと仲良くね


ひかりさんにそこまで想ってもらえる旦那さんが本当に羨ましいな


ひかりさんが先生として頑張ってる姿見て見たかったな


この職業柄大変なことばかりだけど

それでもひかりさんは負けずに頑張ってるんだろうな


僕が挫けそうになった時にいつも夢に出てきてくれてありがとう


本当に何度も何度も助けてもらった


でも、それもいい加減卒業しなきゃいけないね


ひかりさんへの想いはひかりさんからしたら迷惑かもしれないけど


多分一生なくならないと思う



ひかりさんが僕のことが嫌でもどんなに嫌いになったとしても、これからひかりさんがどんなに変わっていったとしても


ひかりさんは僕にとってずっと尊敬できる素敵な人です


今は素直に心の底からおめでとうとは言えないし


同窓会でも、既婚者になったひかりさんには会いたくないから行くつもりはないけど


いつか心の底からおめでとうって言って

同窓会でも堂々と会えるようになりたいな


今はまだ心の底からおめでとうは言えないけど


おめでとう


幸せになってね



書き終えると、封筒に入れて、押し入れの奥底に入れた。




いつの日か本当の頑張り屋さんになって、胸を張ってひかりさんに会えるような男になった時に再び、手紙を開けるだろう



FIN


この駄文にここまでお付き合い頂いてありがとうございました

多少は違う所もありますが作者の経験談でした


読まれて不快な思いをさせてしまっていたらすみません



僕が偉そうなこと言える立場ではないですが


好きな人がいる方や片想いしている人に少しでも勇気を与えられたらなと思ってます


『やらずに後悔するよりやって後悔』


『可能性が低いってことはゼロではない』


確かにフラれてしまうのがこわかったり元の関係に戻れなくなってしまうことが嫌になってしまう気持ちは痛いほど分かります


現に僕もひかりさんに告白するのは躊躇ったし、結婚の夢を見た後も連絡しなければ良かったと思うこともありました


ですが


自分の気持ちを伝えることは大切なことだと思うし


自分の成長や次に繋がると思います


この小説を見て少しでも皆さんが後悔しない方向に進んで行って頂けたら幸いです


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