第7話 僕の青春大学生編 告白
4月
僕は大学、ひかりさんは短大に進学した
4月当初はそれなりにお互い連絡をとっていたが
どんどん疎遠になっていった
そして月日は3年経ち、僕は3年生になった
大学生になり周りはカップルになっていく中、僕は相変わらず一人だった
大学は出会いの場と言われるだけあって
出会いが全くなかったわけではない
実際に良いなって思う女性もいた
話をしてて楽しいと思う女性もいた
しかし、後一歩を踏み込めずにいた。
踏み込もうとすると必ずひかりさんの顔が浮かんできた
離ればなれになってもひかりさんへの想いは冷めることはなかった
むしろ強くなってさえ来ているように思えた
ひかりさんに告白して関係が崩れるのがこわかった
でも、このままでは前に進めない
やらずに後悔よりやって後悔
僕はひかりさんへの『告白』を決意した
僕はひかりさんに○イン(この頃に流行りだした)する
僕は「話したいことがあるから会えない?」
と送信した
○インで告白という方法もあったが直接自分の口で伝えたかったからだ
ひかりさんから返信がきた
「仕事が忙しくて時間がとれないから電話じゃだめ?」
ひかりさんは短大のため一足早く幼稚園の先生という夢を叶えていたのだ
直接伝えたかったが仕方なく「分かった」と伝え電話する
僕「もしもし」
ひかり「もしもし」
僕「久しぶり。急にごめんね」
ひかり「いいよ~」
久しぶりに聞いたひかりさんの声は以前より大人びていて緊張してしまった
僕はテンパりすぎてどう伝えたかは覚えていないがとにかく自分の気持ちを伝えた
ひかり「落ち着いて」
ひかりさんから諭される
その声に少し落ち着きを取り戻す
その諭し方に幼稚園の先生を感じた
ひかり「ええーと僕君が私のこと好きってことでいいのかな?」
あの超鈍感なひかりさんがこんなに早く理解するなんて
僕は嫌な予感がした
僕「うん」
今感じた嫌な予感が外れてくれてるように祈るように強く願った
ひかり「ごめんね。その気持ちにはこたえられない。私は今、お付き合いしている人がいるの」
僕の悪い予感は当たった
ひかりさんがモテることは分かりきってたじゃないか
高校でも、自動車学校でも
こんな魅力的な女性を男性陣がほっとくわけない
なら僕に出来ることは
僕「そうなんだね。彼氏できたの。すごいじゃん。おめでとう」
できる限り明るく努めた
精一杯強がることしかできなかった
ひかり「う、うん。ありがとう?」
僕の明るい声に驚きつつもお礼を言ってきた
僕「じゃあまたね。バイバイ」
電話を切った
電話を切ると急に視界がぼやけてくる
大粒の涙を流していた
これまでのひかりさんとの思い出が走馬灯のようにフラッシュバックしてきた
そこから何時間も僕は動くことが出来なかった
数時間経ち、これでスッキリした
ひかりさんのことは忘れて彼女作って残りの大学生活を謳歌しよう
そう思い無理やり強がった
ひかりさんにフラれてから数ヶ月が経った。
しかし、僕はひかりさんへの気持ちがなくなることはなかった
その時僕は本である言葉に出会った
『可能性が低いってことはすなわち0じゃない』
僕はその言葉に感銘を受けた
もしかしたらひかりさんが高校の時のように彼氏と別れるかもしれない
まだ結婚したわけではないので可能性は0ではない
そう自分を奮い起たせるのが精一杯だった
それからごくたまにではあるがひかりさんに○インした
返信はきたり来なかったりで
きてもそっけないものだったが・・
そして、月日が流れ、僕は大学を卒業した。
もちろん彼女なんてできるはずもなかった