第6話 僕の青春自動車学校編 卒業
2月、進学組の多くの高校生は自動車学校に行く
当然、僕もその一人だ
地元の友達と久しぶりに会い、プチ同窓会的な流れになる
話を終えて、席に座っていると
後ろからトントンと肩を叩かれる
そこにいたのはまさかのひかりさんだった
僕「え?なんでここに?」
驚く僕に
ひかり「だってここの自動車学校に通うから」
不思議そうに答える
僕「だってひかりさんの家の近くにも自動車学校あるでしょ?てっきりそっちに行くのかと」
疑問をぶつけてみた
ひかり「だってあそこはね・・」
ひかりさんの様子ですべて理解した
僕「確かにね・・」
ひかりさんの家の近くの自動車学校は県内で一番厳しいと言われるところだった
就職組は先に入校していたが噂通り厳しいようで
大泣きしている姿をよく聞いていた
僕「自動車学校でもひかりさんに会えて嬉しいよ」
ひかり「私も」
こうして、自動車学校でもひかりさんと一緒になり楽しい自動車学校生活になった
入校してから数日
ひかりさんは自動車学校でも人気になっていた
「おい、誰か話しかけてみろよ」
「お前行けよ」
「いやいやお前こそ行けよ」
「(相変わらずだな。高校に入りたての頃を思い出す)」
僕がしみじみ懐かしんでいると
「僕君」
ひかりさんが話しかけてくる
高校と違い知っている人が少なかったからかひかりさんは良く僕に話しかけてくれた
一番仲が良かったあの頃には程遠いがそれでも僕は嬉しかった
ひかりさんがいなくなると
「アイツヤバいな」
「アイツすげぇ」
外野からの声が聞こえてきた
地元の友達が
「誰あのかわいいこ?」
と聞いてきたので
僕「高校の同級生」
と返す
地元友達「今度紹介して」
「「「「「オレも」」」」」
と次々にきたが
僕「絶対いや。自分でいけ」
冷たくあしらった
自動車学校中盤
僕は重大なミスをしてしまった
当時はミスというにはあまりにも酷だが
今になって見れば人生のワースト3には入るミスだ
僕の家は自動車学校の近くにあった
そのため地元の友達が良く空き時間に来ていた
地元の友達「今日僕の家行っていい?」
僕「いいよ」
空き時間があったので僕は友達と僕の家に向かう
僕の家に向かう途中にひかりさんが歩いているのを見つけた
僕「ひかりさん何しているの?」
ひかり「空き時間暇だからこの辺を散策しようかと思って。でも、少しこわいかな?」
ひかりさんが少し不安そうにする
僕は迷った
ここで友達を断ればひかりさんと僕の家で遊べるのではないか?
友達は地元の友達だしあとでいくらでも埋め合わせできる
それに高1の時の約束が果たせる
悩んだが
先に約束したのは地元の友達だし、あとでいくらでも埋め合わせできるっていっても約束破るのはまずいよな
親しき仲にも礼儀ありだし
僕は地元の友達を優勢してしまった
僕「そうなんだね。じゃあ気をつけて。この辺は僕の庭みたいなものだから迷ったらメールしてね」
そう言って使ってなかったタオルを一応渡しておいた
ひかり「ありがとう言ってくる」
笑顔でひかりさんは散策に出かけて行った
たらればではあるがもしも、ひかりさんの方を優勢させていたら
また、今とは違った未来になっていたかもしれない。
しかし、当時の僕はそれに気づけなかった
月日は流れ卒業式
僕たちは高校を卒業した
卒業アルバムを手渡されクラスメートに最後のページにコメントを書いてもらう
ひかり「僕君。私のにも書いて」
ひかりさんが卒アルを持ってくる
僕「うん。僕のにも書いてくれる?」
ひかり「もちろん」
お互いに書き込んだ
何て書いたかはあまり覚えていない。
ひかりさんの方は
『僕君はとても頑張りやさんですごいなって思ってます。これからも頑張ろう。また自動車学校でもまた会おうね』
と書かれていた
こうして、僕たちは高校を卒業した