全ては合格のために
「ジリジリ、ジリジリ」
タイマーの音が近所が迷惑するくらい大きな音で鳴っている。でも、僕は気づかない。いや、気づきたいとは思ってるんだけどね。母親の大きな声が聞こえた。「何時だと思っているの?」
「一大事」
そう答えるともちろん怒られた。あながち間違えではないんだけどなぁなんて思いながら、いつもの学校に向かう。学校に着いたと思ったら、担任から
「青野こっちに来なさい。」
と呼ばれた。なんだろうと神妙な気持ちで先生の行く方へついて行く。するといきなり
「毎日なんで30分も遅刻するんだ。だから成績もイマイチなんだ。模試の成績、国語学年最下位じゃないか。もっと頑張りなさい。」と鼻息を荒くして言ってきた。流石に反論するすべ無く、
「はい」
と答えるほかなかった。
教室に戻ると僕の模試の成績が晒されていた。国語の偏差値21、学年ブッチギリの最下位の僕は、皆から「行く高校あんの?www」
と言われた。晒されていた理由もわからないけど、開き直って
「まぁいいや。」
なんて口にすると、さらに僕を貶した。
「青野の両親Fラン大学だろwwwだからそんな出来損ないなんだよwww」
この発言は流石に許せなかった。僕以外の人にも文句言ってきて、おかしいと思った。だから口走ってしまったのだろうか。
「お前らよりも頭いい大学の付属高に進学してみせるよ。」
すると、
「絶対無理なこと言ってて草。青野が俺らより頭いい学校入ったら、青野の思う様な駒になってやるよ。だけど、入れなかったら、俺らの駒になれよな。」
僕は間髪入れず、
「いいよ」
と答えた。