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✒ グレイルシー教会 5 / 地下室 3


──*──*──*── 地下室・2階


 転移した場所は思ったよりも広くて、天井も高かった。


 げんが周辺を明るくしてくれている。


衛美

「 …………なんなの?

  なんための場所なの?? 」


 明かりが届かない場所は薄暗くてく見えない。


厳蒔弓弦

「 …………拷問死した罪人達を遺棄する場所ではないか?

  虐待死した子供達も遺棄されているかも知れない… 」


衛美

「 えぇ゛っ!?

  そんな……が…??

  …………げん〜〜〜 」


 私は実体化してくれているげんの腰に抱き付いた。


玄武

「 間違いないだろうな。

  人間の骨が彼方あちら此方こちらにある。

  死体の処分を外でしなくて済むように、地下に捨て場を設けたのだろうな。

  どおりでよどみがいわけだな 」


 げんは手前に十二支の式神を大量に召喚した。


 どの十二支も軽自動車ぐらいの体格をしていて、好戦的を越えて殺気だっているように見える。


 目が真っ赤に光っていて、鋭い牙を剥き出しにして戦闘体勢に入っているみたい。


 1階で野良式神を相手にしている十二支よりも、なん十倍もわぁ…。


玄武

づる、矢を射て! 」


 げんが言うと、づるさんはほうりきを込めたいの弓矢を射った。


 射られた矢は、げんが出現させた魔法陣に命中した。


 外国なら魔法陣でとおると思うけど、陰陽師や式神が法術を使う時に現れるのを “ 魔法陣 ” と言っていいのか分からない。


 法術陣って言った方がいいのかしら?


 別にいいわよね、魔法陣で!


 魔法陣の中に矢が吸い込まれたかと思うと、魔法陣が巨大化して、無数の氷柱つららの雨が降り注いだ。


 先っぽが鋭く尖った氷柱つららの雨──。


 これは刺さったら確実に死ぬよね?


 づるさんが使えるほうりきの属性は4つある。


 火属性,水属性,雷属性,氷属性で──、火,雷,氷は攻撃系で、水が回復系なの。


 火属性は基本的に赤い炎なんだけど、ほうりきを込める時にした工夫をするだけで、紫の炎になったり、青い炎になったり、黒い炎になったりするみたい。


 炎の色によって効果も違うみたいなんだけど、私には分からない。


 雷なんて、広範囲に矢の雨が降ったあと、矢が避雷針になって雷が落ちるの!


 感電死なんかで済まないぐらいの甚大な被害が出るの。


 丸焦げよ、丸焦げ!!


 づるさんの雷に直撃したら、全身が丸焦げになって消し炭になっちゃうぐらい強力なんだから!!


 氷柱つららの雨なんて刺さったら串刺しになっちゃう!


 氷柱つららの太さや長さもした工夫で自在に変えられるみたいなの。


 だから、針みたいに細い氷柱つららで串刺しにするぐらい朝飯前って事。


 上だろうが、下だろうが関係無く広範囲に攻撃の出来るづるさんって、謙遜しているけどほんは凄い退魔師だと思うの。


 づるさんはも、お兄さん達の方が凄いって言うんだけど、実はづるさんより大した事ないんじゃないかと思っちゃう。


 だって、げんづるさんを認めているんたもの。


 げんが異性のづるさんを気に入るなんて、普通では有り得ない事なんだもの。


 げんの中では、私はもうづるさんの嫁になってるみたいだし…。


 私としては……、げんが気を許してるづるさんと夫婦になれるなら嬉しい。


 げんが許してくれないから、私は大好きなりっちゃん(蒔邑利樹)と恋愛も交際も出来ない。


 1番好きな人と恋愛と交際が出来ないのは辛いけど……、づるさんの事はいやじゃないみたいだし。


 仮にづるさんと結婚して夫婦になっても、げんも一緒にてくれるから、楽しい生活を送れると思う。


 人目を気にしないでどう(どう)げんと暮らせるのは、私も嬉しいもの。


 げんづるさんは仲がいし、気も合うみたいだから私も安心しちゃう。


 問題はづるさんの気持ちよね。


 もしも、づるさんに好きな人が出来たら、づるさんの気持ちを優先して婚約を解消する事になる。


 ……………………づるさんに色目を使う女の人が現れたら、げんに “ お願い ” して消してもらおうかな……。


 ────ハッ(( ゜ロ ゜;!!


 私はなんて事を考えてるの!?


 づるさんに想いを寄せる女性を消しちゃおうなんて……。


 いやだ、私……にかげんの色に染まっちゃってる?!


 気を付けなくちゃ!!


 ──なんて、場違いな事をもん(もん)と考えてる場合じゃなかった!


 数え切れない程の無数の氷柱つららに串刺しになっているのは、もしかして──野良式神??


 私には真っ白い塊に氷柱つららが刺さっているように見えていた。


玄武

げん、あれが今回のボス…なの? 」


玄武

「 そうだな。

  ──式神達よ、行け! 」


 げんが右手に持っている扇子を野良式神へ向けて「 GO! 」の合図を出すと、殺意剥き出し祭りの式神達が野良式神へ目掛けて一斉に走り出した。


 恐いんですけどっ!!


 私はげんの腰に抱き付いたまま、式神達が野良式神を襲い掛かる様子を見守る事にした。


 づるさんはほうりきを弓矢へ込めている。


 づるさんは再び弓矢を野良式神へお見舞いする気らしい。


 づるさんは、野良式神に手加減する気は無いみたい。


 容赦なくグイグイ攻めるづるさんは、ちょっと…恐い。


 げんが野良式神の周辺に魔法陣を展開させると、魔法陣を目掛けてづるさんが弓矢を射る。


 魔法陣の中に弓矢が吸い込まれると、矢の雨が降り出した。


 矢が避雷針となって、魔法陣から雷が落ちてる。


 ──あれ?


 氷って雷をとおしたかしらね??


 水が雷をとおすのは知ってるけど、氷柱つららって雷をとおすの??


 そんな私の疑問なんてで野良式神はダメージを受けていて、雷の攻撃は効果抜群みたい。


 げんの式神は雷の攻撃を受けていないみたいね。

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