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✒ こちらグレイルシー教会前


──*──*──*── グレイルシー教会前


衛美

「 ………………が…噂のグレイルシー教会…。

  地元の人は絶対に近付かないグレイルシー教会…。

  逆さ吊りにはりつけされた死体が見付かるグレイルシー教会…。

  ポルターガイストの起こる…… 」


 ひとのない森の中にある道を歩いて進んだ先にあったのは、心霊スポットになっているらしいグレイルシー教会。


 明るい朝でも廃教会って不気味に見える。


 今朝は曇り空だから、そんなに明るくないんだけどね。


 廃教会のぐ右隣── 私から見たら左側になるんだけど ──には、木造の建物がある。


 どっちかって言うと、廃教会よりも木造の建物の方ににもなにかが出そうな雰囲気がするんだけど……。


玄武

「 意外と大きいな。

  もっと、こじんまりしている貧しい教会だと思っていたが、予想を裏切る程の立派な教会だな 」


厳蒔弓弦

なんでも孤児院も兼任していたらしい。

  野菜を作って自給自足をしながら、子供達は神父やシスターになる為に育てられていたそうだ 」


玄武

「 ほほう?

  子供がたなら、虐待死もあったかも知れないな 」


玄武

「 そうだな… 」


衛美

「 ──入る前から物騒な話をしないでよ、げん! 」


玄武

「 物騒な話とはなんだ。

  過去に有り得そうな話をしていただけだぞ 」


衛美

「 …………ねぇ…さっきよりも天気が悪くなっててない? 」


厳蒔弓弦

「 ラジオでは今日きょうの天気は曇りのち雨だったな。

  降り出す前に中へ入ろう 」


衛美

づるさん……怖くないんですか?

  いわく憑きの教会なんですよ… 」


厳蒔弓弦

いわく憑きを退治する職業だからな。

  怖がっていては仕事にならない。

  新人ではないし、慣れたよ 」


衛美

「 …………ですよね…。

  退魔師ですもんね… 」


玄武

「 教会全体に結界を張った。

  これで野良式神は教会から出られない。

  十二支を先に教会の中へ入れたからな、張り切って雑魚の相手をしている筈だ 」


衛美

「 張り切って??

  式神って張り切るもんなの?? 」


玄武

が生み出した式神だぞ。

  大型にすればする程、十二支は好戦的で攻撃的になる 」


衛美

「 そ、そうなのね…。

  ──廃教会の隣にある木造の建物が孤児院なのね?

  孤児院の方にもなにか出そう… 」



厳蒔弓弦

「 孤児院は心霊スポットには入ってないな。

  気になるなら中へ入って確かめて見るか? 」


衛美

「 えぇっ?!

  …………遠慮したいです…。

  教会だけで、お腹一杯になります… 」


玄武

「 念の為に孤児院は式神に調べさせるとしよう。

  そろそろ、入るぞ 」


 げんが合図を出すと、づるさんが教会の両扉の片方を開けた。


 ギギギギィィィィ……なんて、鈍い音を立てながら、ゆっくりと扉が開いた。


 電気はとおってないみたいで、教会の中は暗い。


 夜じゃないから、なにも見えないほど暗くはないけど……、明かりぐらいは欲しいわよね。


衛美

げん、教会の中を明るく出来ない?

  これじゃあ、歩くの大変よ… 」


玄武

「 そうだな。

  明るくしよう 」


 そう言ってくれたげんは実体化をくと教会の中を明るくしてくれた。


 周辺を明るくする術式があるみたい。


 なんか、魔法みたいね。


 ()()なら、ほうりきを使って術式を発動させないといけないけど、式神のげんほうりきを使わないで術式を発動させる事が出来るの。


 実体化さえしていなければ、げんは色んな術式を発動させ放題なの!


 だけど、げんは怖がりな私の為に、明かりの術式を発動させたらぐに実体化してくれた。


 蕁麻疹を出して気絶しちゃうづるさんには抱き付けないもん。


 げんから離れないように、かりぎぬを掴んで教会の中へ入る。


 私が入ると開いていた扉が、ギィィィ……バタンッて音を立てて閉まった。

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