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富豪妖精リッカの事件墓~収入の謎・解決編~

 次の日、迷宮に入ってすぐに荷物がいっぱいになってしまったので早めに上がってくると、またあの管理官が突っかかってきた。


「お前ら、人数も足りないのにいつもいつも大戦果! それに呪いの黄金よりも武具が多いっておかしいだろ。そんなに死体ばかり見つけるもんか!」

「死体多いわよね?」

「生きてる死体はホントに多いな」

「さっきまで生きてたような奴も、な」


 ふーん? みんな上手いね。結果的には死体だものね。ラワーヌは素で言ってそうだけど。


 ところで、今更だけど我らがイカれたメンバーを改めて紹介するよ!


 ドワーフの鑑定士、サイオーガ。実は結構低レベル! 最近毒消し魔法が使えるようになった! 見た目は歩く酒樽!

「何じゃいきなり。毒消しの奇跡は必要に迫られて身に着けただけじゃろぅ。何度か死にそうになったんじゃから。誰かのせいで」


 エルフの魔法戦士、ラワーヌ! 防具ガチガチの前衛にして炎の渦と眠りの魔法を撒き散らす殺戮兵器! 明るい所でよく見ると実は麗人、髪の量が多くて遠目でみるとシルエットが棒。そして髪はわりとベタベタ!

「あなたが罠弄った手で頭に乗るからでしょう?!」


 狼獣人の魔法使い、ニアタール! 誰も突っ込まないけど裸! 最高にクレイジー!

「獣人は人間みたいな服は着ないんだってば! それに後衛なんだから鎧も要らないだろ?」


 そしてこの私、天を舞う幸運の妖精にして明かり持ち。リッカの四人でウロウロしてます!


「ん? お前らまさか」

「迷宮には人の荷物に手を出す悪い奴らがいます! います!」

「ホントよね、私たちが人数が足りなくて弱いからって、すぐ襲われるわ。だから手加減できないの」

「お前ら、まさかー!」

「襲ってきた強盗を返り討ちにするのは合法なのでしょ?」

「致し方ない事だな。降りかかる火の粉は払わねばならん」


 管理官はわなわなと手を震わせている。どうしたのかな? お酒が切れたのかな?


「他の迷宮探索者に襲わせて、返り討ちにして戦果を奪ってるのか!」

「なぁ、襲わせてるってのは人聞きが悪い。襲う方が悪いと思うんだが違うのか? 人のモノを取ろうとするなって言い聞かせて置いてくれよ」


 真似しようったって出来ないけどね。

 迷宮の通路は狭い。大勢で歩くのには向かないし、分け前が減るから六人以上で進む奴らはいない。だから六人以上の人影は全てモンスターだ。

 六人ならご同業かな?とも思うだろう。でも、少ないと警戒される。それに相手からみるとこっちの姿はよく見えない。

 灯りを持っているのは私だから、ふわふわと宙を舞う鬼火(ウィルオウィスプ)みたいに見えるのかもね。そういうモンスターもいるからね。紛らわしいね!


 そして薄暗がりの中には獣人と樽と細いエルフ。かろうじて人型かと思われるのはラワーヌ位。警戒して剣を抜けば、それは敵対と変わらない。


「私たちも、明るいところで出会ったら挨拶くらいはするのよ? でもその前に武器を構えられたら……人数で劣る私達は怖ろしいもの。すぐに眠りの魔法を使うしかないわ」

「沈黙の奇跡で相手の魔法も防がないとな」

「敵じゃありませんって言われたら平和に別れることも出来るけど、その前に乱戦になるんだよな」


 魔法戦士に魔法使いに司教。眠りの魔法は基本的な術なので三人とも使える。そしてこれはとても強力な魔法なのだ。


相手からも私に弓矢とか飛んでくるけどね。灯りを持ってる私に。でも、これがなかなか当たらない。運が良いからかな。それとも日頃の行いかな?


 泡を吹いて顔色を赤や青にしている管理官にバイバイお手を振って、私達は今日も酒場に向かう。今日も宴会だぁ~♪

ウィザードリィ的に言うと、アライメントが「悪」なわけです。

「友好的な冒険者に出会った。どうする?」「攻撃する」という行動です。

これは悪人と言うわけではなく、目的達成の為の手段が「博愛的か」「利己的か」とも言われています。

自分の安全と利益を最優先にすると、疑わしいのは撃つべきになるので。

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