久々!サブクエスト
ユニークアクセス800突破ありがとうございます。
「さて・・・続きをやろうかな。」
ひとしきり汗を流した後はゲームがしたくなる。ゲームPODネクスに手を置いたところでハタと気が付いた。
いつもはゲームPODネクスを起動するとゲームの世界に行っていたが、このラッピーのゲームを挿している間はゲームの世界に行っていない。
(・・・ゲームの世界に行く。)
そう遊馬は心で念じながらスイッチを入れると視界が切り替わっていつもの食堂の光景が見えた。
「あ、よかった。気分の問題か。」
「なんの話?」
「いや、なんでも。」
どうやら、こちらの世界には特に変化がないらしい。何もやることが無さ過ぎて、みんな手持無沙汰な感じになっている。
こっちの世界でもなにかやれることがあればいいのだけれど・・・。そうだ。
「そういえば今ゲームPODにはラッピーのゲームが入ってるんだけど。」
「らぴ?らっぴ!」
「そうそう、キミのだよ。けど、これもクリアしたらカサブランカと同じように、ラッピーの世界と繋がるのかな?」
「らっぴ!!」
今までたまにラッピーの世界のモンスターが流入してきていたが、繋がれば他にもアクセスできるようになるかもしれない。
「うーん・・・そうかもしれない。けど、やめといたほうがいいかも?」
「何故?」
「今この世界って、遊馬の現実と繋がってるわけでしょ?なら、この世界にさらにラッピーの世界が繋がると、結果的に遊馬の世界にもラッピーの世界が繋がるという事で・・・。」
エルザの答えは理屈に沿っていた。
「・・・ちょっと見てみたい気も。」
「ええ・・・。」
「マジかお前。」
一方遊馬は楽観的だった。
世界の融合を防ぎ、元に戻すことが目的だったはずなのに、それでは本末転倒にもほどがある。
「でもそうなるとは限らないよ?さっきも『そうかもしれない』としか言ってないし。」
「なんで?」
「カサブランカのカセットには、私の思いが籠っていたから。現実を変えるだけの、『強い意志』が、そのカセットには籠っている?」
「うーん・・・。」
元の持ち主であるセシルに、強い思い入れがあっただろうか?ずっと缶の中に入れっぱなしにしていたようだし、それに序盤で投げてしまったようだし。
「ま、考えておこう。そういえば、こっちの方は何か変化あったの?時間が動き出してるみたいだけど。」
「お前がいない間に少し探索したよ。」
「カサブランカの操縦を学んでいましたわ。」
「まあ、要するにヒマしてたんだな。」
まるで放置ゲーと化したソーシャルゲームのようだ。こうなるともうサービス終了の日は近い・・・。
「こういう時判断を下すのもリーダーの役割だぞ?」
「そうそう、なにかいい案無い?アスマ。」
「そうだな・・・。」
現実の方でもやや時間を持て余している感あるし・・・このままでは退屈に殺される。今度はこっちの方で少し過ごすのもいいかもしれない。
「よし、冒険に出よう。」
「おっ、来たね。どこへ?」
「サブクエストになにか無いかな。」
やや気だるげな雰囲気のまま、ゲームPODの画面をのぞき込む。




