発想!ダメージ計算
後々のネタバレにはなりますが、この回で登場する計算式は、この先一切利用されません。明らかに作者の手に余る話でした。
「ああでもない・・・こうでもない・・・。」
「アスマ何書いてるの?」
「ダメージの計算方式。なんか納得いかないくて。」
保健室の端にある机に向かって、アスマはうんうんと唸っていた。アイテム捜索をいったんストップしてトビーが話しかけてくる。
「そもそも、ダメージの計算方式ってどういうのがあるのかな?」
「まず、『攻撃力‐防御力=ダメージ』って単純な数式のものがあるんだ。」
「ふんふん、一番シンプルなんだね。」
「次に『攻撃力×n倍ー防御力m倍=ダメージ』っていう、乗算が入るパターンがあるんだ。」
「それぞれのステータスに、特定の数字を掛けてるんだね。」
「レベルが上がるごとにどんどんインフレが激しくなっていって、序盤では1とか2とかだった通常攻撃が、終盤では4桁にもなるんだ。」
「4桁の攻撃なんか、僕たちみんな一撃でやられちゃうね。2人除いて。」
「ラッピーは能力で1にしかならないからね。」
「らぴ?」
自分のことを呼ばれたと思ったのか、ベッドで転がっていたラッピーが起き出してきた。
「でも、このゲームのダメージ計算は、後者じゃないかと思うんだ。」
「どうして?インフレするんでしょ?」
「僕たちも、おそらく敵のステータスも、20で打ち止めになるから。」
インフレするスピードはおそらく遅くなる、という考えだ。
「多分だけど、20の半分の10が係数の平均でそこから数値が高くなれば割り増しになるんじゃないかな。」
例えば遊馬のSTRは9でダメージにー10%の補正がかかる。トビーのSTRは12なので+20%の補正が乗る。つまりそれぞれ最終ダメージが0.9倍、1.2倍されるというわけだ。
「トビーのワイヤーガン+パンチが100の威力を持っていればちょうど120ダメージになる。」
「ミスズとラッピーの2人の場合は?」
「ラッピーのハンマーが150でSTRは7、美鈴のフライパンが50でSTRは5、それぞれ105と25で130。アンドロイドの体力が120だから、これでそれぞれ倒せたことになる。」
アンドロイドのSTRは10、スタンロッドの威力を30とすると計算が合う。となると、スタンロッドより強いフライパンとは一体何なのか・・・。
いい線いってると思うが、この計算では防御力を考えないものとしている。防具を装備していると、もっと複雑な計算式になるかもしれない。
それに、筋力に比例しないような銃撃などの威力の計算も不明だ。まだまだ考えることは多い。
「なるほどな。頭が無いわけじゃなさそうだな。」
「わっ、ビックリした。」
とりあえず、今はペンを置いてアイテム捜索に戻ろう。
さて、なんでこんなややこしいルールを設定しようと思ったのかというと、実際あるゲーム(TRPGの類)の真似をしようとしたからですね。やったこともないのに。それに複雑な計算式はコンピューターがやってくれるからテキパキ進むというもの。要するに手に余るものに手を出してしまったという事です。皆さんはこんな間違いを起こさないように・・・きっと上手い人ならうまく扱えるんでしょうが僕には無理でした。