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周知!デートのこと

今回もまた短い・・・。

 「今回の任務は、月面で発見されたビーコンの反応を追い、バルアークの残骸を発見することだ。」


 八卦島ドックに無事寄港したネプチューンの司令室では、出撃前のブリーフィングが行われている。


 「以前、海底で残骸を発見した時と同様、ビーコンの位置も出現したばかりだろう。急ぎ我々が調査と回収に向かう。」


 結果だけを見れば、この世界にアダムの遺産を掘り返したのも同じだが、しからば回収する義務が生まれた。


 「これより我々は13:00にマスドライバーでレベリオンを射出し、宇宙に出ます。そこで『ウラヌス』に回収されてから、月へ向かいます。」


 ウラヌス、天王星ならびに天王の名を冠した宇宙船だ。ヘイヴンの数少ない、なけなしの宇宙戦力である。普段はスペースデブリに偽装されて軌道上を漂っている。


 「ステルス機能とか付いてないの?」

 「ステルスは高い。」

 「やっぱり。」


 軌道上ではオービタルリングの眼が常に光っている。ただでさえデブリ撤去運動、通称『地球を綺麗にしよう運動』で隠れ場所も少なくなっている状況で、安全に隠れているにはさらに高度なステルス性能が必要になってくる。


 「その点は、以前の残骸からサルベージしたデータから、この問題を解決しうる結果を得られました。」


 バルアークのステルス技術は、次元湾曲技術を用いて空間の狭間に隠れるという高度な物だとわかった。


 要はアダムの技術さえあれば解決できる。だからなんとしても手に入れたいというわけだ。


 「先遣隊としての調査と、ウラヌスの先導が今回の任務の内容です。」


 内容はいたってシンプル。まず調査隊となるレベリオン隊が先行し、標的を発見。その後ウラヌスで標的を回収する。


 「スピードおよび秘匿性が最優先となるので、戦闘になる可能性は低い。」


 本当か?ゲームに限らずそういうセリフが出た時って大抵乱入者が現れるけど。それをここで口にするのは空気が読めない行動なので心に思い浮かべるだけにとどめておくが。


 「それでは諸君、頼んだぞ。くれぐれも気をつけてな。」

 「了解!」


 司令がブリーフィングを終えた途端、慌ただしく動き始めた。


 「じゃあ、行ってくるね遊馬。ソッコーで終わらせて帰ってくるから楽しみにしとくんだよ!」

 「う、うん・・・。」

 「なに?なんの話?」

 「んっふふふ、それがデートなのよ、デート。」

 「デート!?」


 お願いだから火を広げないでほしい。


 「やるな、少年。」

 「いや、僕が誘ったわけでは・・・。」

 「先輩、まさか何かよからぬことを・・・。」

 「してないしするつもりもないよ!いやー楽しみだなー!そういうわけだからさっさと仕事終わらせちゃおうね!」


 シェリルはめちゃくちゃ上機嫌に司令室を出て行った。


 「うん・・・なんだ・・・青春しているな、息子よ。」

 「がんばりたまえ。」


 うう、みんなの暖かい視線がなんだか逆に嫌だ・・・。遊馬もいたたまれずに司令室を一旦後にして部屋に逃げ込んだ。

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