再誕!リメイクという可能性
一か八かでやってみた選択肢だけど、どうやらうまくいったようだ。
「これは・・・。」
ゲームPODネクスを、『再誕』の掛け声と共に起動したアシュリーの姿が変わっていく。その聖なる光に、バエルは眼が眩んだように後退する。
「デッドソイルというゲームの『リバイバル』によって得た、アシュリーの新しい姿・・・。」
そう、デッドソイル1には絶望的なエンディングしかなかった。が、その『リバイバル』、リメイク、移植版の登場によって、新たなルートが追加された。完全版商法ともいう。
『これが、アシュリーの新しい『運命』?』
「そう、これが新しいルート・・・。」
『どう見ても『マホーショウジョ」というやつなんだけど。』
質素な服はフリッフリなフリルにドレスアップ♡金色の髪もフワッフワの200%にボリュームアップ♪ちょっと背伸びしたハイヒールに、キラッキラなグロスでメイクアップ☆
そして一番の目玉は・・・
『らぴっ!』
「ラッピーも!うふふっ☆」
ラッピーと同じ、月ウサギのウサミミとシッポがついているのだ!そしてラッピーの本体であるぬいぐるみは、コンパクトになってポーチのようになっている。
「美少女抗体『ワクキュリア』!ハッピー・ラッピー・ナイチンゲール!きゃはっ☆」
『美少女?』
『抗体?』
『らぴっ!』
『ハッピーラッピー・・・なんだって?』
『ワクチンならジェンナーだと思うんだけどなぁ。』
アシュリーの抗体の力を得たラッピーではなく、ラッピーの魔法の力を得たアシュリーの誕生だ。
ワンピースにエプロン、そして白い帽子。清潔さと清純さをいかんなくアピールしてくる。白いハイソックスと白い太ももがまぶしい。
「かわいいよアシュリー。」
「えへへ・・・似合ってる?」
『ええとっても!でも、お菓子作りのパティシエって言うよりもナースみたいですわね。』
「ラッピーは白血球だから。医療的なメタファーでもあるから。それにどっちも女の子のあこがれる職業だし!」
頭にかぶっているのもナースキャップやメイドカチューシャのようにも見える。ラッピーもお菓子の要素と医療の要素が混ざったような存在だし、そのあたりが混在しているのかも。
『そんなので戦えるのかよ・・・。』
『らぴっ!』
「ラッピーがついてるし平気平気。」
『そのラッピーがこんなに小さくなっちゃってるけど。』
小さくなってポーチになっても、ラッピーの意識はあり続けているようだ。あらゆるバイキン、ウイルスを消毒させる力が滾っている。
「アシュリー、いやさワクキュリア、行ける?」
「うん、まっかせて!」
遊馬も自分の得物を構える。




