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発火!驚異の超能力

そういえばいつの間にか目標にしていた30万字を越えていました。これも応援してくださる皆様のおかげ、ありがとうございます。

 『シュゥウウウウウ・・・。』


 「!?なんだっ?!」

 『センサーにダメージ?!なんで!?』


 しばし距離を取りつつ様子を窺っていたダークリリィの視界が一瞬暗転し、突然ダメージアラートが響いた。センサーにダメージということは、頭部にデブリでもぶつかったのか?


 「またか!?」

 『とにかく動いて!』

 「一体何に当たってるって言うんだ?!」


 視界を回しても周囲には何もない。何もない宇宙を逃げ惑う様子をバエル・レベリオンは赤い複眼でじっと見てきていた。


 『ただ見ているだけ?そんなはずがあるか?』

 『ないよね、まさかあの場所から動けないわけもないし?』

 「ならば撃つか!」

 

 旋回しながらフォノンライフルを召喚して乱れ撃つ。


 『ヴゥンッ!』


 「弾きやがった!?」

 『どういう反射神経してんだ!』


 6本の腕の内の2本を使って、自分に向かってくるフォノン弾丸を弾いた。そうしてまたあの珍妙なポーズを組みなおす。


 『あのポーズに関係あるのか?』

 『遊馬、攻撃を続けろ!』

 「おぉう!」


 今度はもっとよく狙って連続で弾丸を浴びせる。


 『ホォオッ!!』


 今度は腕4本で、嵐のような突きのラッシュを繰り出してくる。それら一発一発が、ライフルの弾丸に対応する。


 『どんな精度と速さをしてれば出来るんだ・・・?』

 「今までの相手とケタが違い過ぎる・・・!」


 弾倉が尽きるまで撃ち尽くすが、結局一発もバエル・レベリオンに当てることはできなかった。即座にカートリッジを交換しようとする。


 「うわっ!?」

 『ライフルが溶けた・・・いや、燃え尽きた!?』


 一手遅かったか、ダークリリィの手のひらの中でライフルが破壊されてしまった。慌ててその場を離脱するが、おかげで謎のダメージの原因がつかめた。


 『超発火能力パイロキネシスだ!』

 『あのヨガのポーズにそんな意味がありましての?』


 スプーン曲げや透視、予知能力なんてものには必ずトリックがある。だが今受けている攻撃にはタネも仕掛けもないらしい。


 一説には、パイロキネシスは静電気を元にした電磁波を飛ばして発火させるという原理がるそうだ。あのポーズにもそれと同じ原理があるのかは甚だ疑問だが、実際に攻撃を受けている以上そうなのだろう。


 『どうやらダークリリィのカーヴニウム装甲までは燃やせないようね。』

 『だからまずセンサーの集中する頭部を狙ったのだろう。』


 そして次は武器を奪った。

 

 『頭部を狙ったのは偶然かもしれないけど、武器を狙ったのは明らかに知性があってのことだろうね。』

 

 ともかく、このまま様子を窺い続けても敵に情報を整理する時間を与えるだけ、攻勢に移らなければならない。

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