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深層!帰ってきたゲームの世界

 「・・・ここは?」

 「なんだ帰ってきていきなり。」

 「よ゛か゛っ゛た゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 「ホントになにがあった。」

 「大変だったんだよ!現実がいきなりホラーゲームになるし!」

 「うん、ちょっと落ち着こうか。」


 視界がぐるり変わって明るい世界、学園、その保健室。そして割と見慣れた顔がそこにいた。遊馬は今まで堪えていたものが決壊させた。


 時間にして数時間というところだが、もう数か月も会っていなかったように感じる。


 というか、保健室の窓の外に見えるグラウンドの一角が耕されているように見える。まあそんなことはどうでもいいとして・・・。


 「なるほどね、そっち側はそんな大変なことになっているのか・・・。というか、現実世界ですらないっぽい?」

 「わかんない。」

 「ふーん・・・多分、以前までの『こっちの世界』に近しい存在と思う。」

 「というと?」


 少しばかり拡張された頭脳を回転させて至った結論を、エルザはつぶやく。


 「現実世界との融合が始まる前の状態、覚えてるかな?」

 「まだ雄二が強キャラを装ってた頃。」

 「それは触れないであげて。」

 「まだエルザが面倒くさい性格してた頃。」

 「やめてね。」


 あの頃はそう、まだRPGっぽいことをやっていた。『ゲームのルール』に従っていた。


 「そう、今の遊馬のいた世界も、同じようにデッドソイルのゲームと現実が半々混ざったような世界でしょう?なんだか理屈が似ているんじゃない?」

 「つまり、次はデッドソイルの世界が現実と融合しようとしていると?」

 「そうなるかもね。」



 どうやら少し前に遊馬が想像したとおりのことが起こりそうだ。


 「・・・そんなグロテスクで救いのない世界の要素が混じってくると?」

 「マズいんじゃないですの?」

 「激マズだよ。モンドの料理とどっちがマズいかな。」

 「失礼な、あれから少しは上達したんだぞ。お嬢が半分くらいまで食べられるようには。」

 「それは美鈴が馴れちゃっただけなんじゃないかな。」


 上達していっているのは本当かもしれないが。まあそれはさておき。


 「現実にまでEADが蔓延したら、アダムやエヴァリアンどころじゃない未曽有の危機だよ。」

 「私も、せっかく守った世界が血肉のヘドロに沈んでいくのは嫌かな。どんなに嫌いな世界でも。」

 「じゃあどうすればいい?」

 「クリアすればいいんじゃないのか?」

 「・・・クリアしたら、それが『続編』として世界が確立されるんでは?」


 そういえばそうだったな、と思い出す。

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