信頼?タイムライダー
投稿予約にするつもりが間違えて連投してしまった。
「ふーん、このカセットは普通のゲームなのかな?」
「面白い?」
「よくあるシミュレーションゲームかな。」
そのルールは、この世界のルールと近い。DEX順に行動し、ダメージ計算はSTRを基準に乗算している。
なお、INTは指示を聞いてくれるかの指数で、あと探索パートでアイテムがポップするかの判定にも関わりがあるらしい。
「しかし、ひとつ進展したけど、考えなくちゃならないことはいっぱいあるね。」
「何事にも目標が無くては迷いますわ。」
「クエストが提示されれば楽なんだけどなぁ・・・。」
目下、目標としているのは元の世界に帰還すること・・・なんだろうか?各々の生活もあることだし、いつまでもゲームの世界に引きこもっているわけにはいかない。
「ゲームの世界ということは、ゲームをクリアすればいいのかな?」
「でも、どうすればクリアになるのかな?ボスを倒すこと?アイテムを集めること?」
「そこなんだよな。このゲームの目的もわからない・・・。」
今やったことと言えば、現れた敵を散発的に倒しているだけ。もっと根本的な、重要な何かが抜け落ちている。
「その中で、このソフトを手に入れたのは何か意味があると思う。僕はこのソフトをなんとかしてクリアしてみる。」
「頼んだよ天才ゲーマー!」
「別に天才でもなんでもない、普通の高校生だよ僕は・・・。」
と、保健室で盛り上がっている。拠点はこの保健室に構えることとした。回復ポイント兼時間経過ギミックのあるベッドがここにあるということは、最初からそういう意図があってのデザインなのだろう。
「ボクたちはなにすればいいかな?」
「次のイベントが起こるまで自由でいいと思うけど。」
「なら、俺は1人で探索に行かせてもらう。」
「モンドが?一人で?マジ?」
モンドは戸の前に移動する。
「一人で大丈夫なんですの?」
「1人にしてほしいんだよ。察しろ。」
「いいんじゃない?モンドなら1人でも平気だろうし。」
「そう?リーダーがそう言うならまあ・・・。」
「でもどこへ行くんですの?」
「どこでもいいだろう?」
そう言い捨てるようにして、モンドは出ていく。
「大丈夫かな、DEXまだ低いのに。」
「大丈夫でしょ、自分でそう言ってるし。」
「えらく信頼してるんだね?」
「タイムライダーは強いし。」
「それも、自分のターンが来ないと使えないんじゃない?」
「そうじゃなくて、モンド自身が強いって意味。」
それは、STRが高かったり、HPが多いとかそういう意味だけではない。ゲームのストーリーでのムラサメ・モンドという人物の強さを
遊馬はよく知っている。
「でも、タイムゲドンの幹部なんでしょ?」
「それでも、僕にとって間違いなくヒーローだから。」
「その辺りの話も聞きたいな。」
「確かに気になりますわね。」
「ゲームの話なら任せて!まずモンドは記憶喪失のまま、未来都市デトロポリスにやってきて・・・。」
この後、聴衆の2人がうんざりとしているのも知らず、遊馬はタイムライダーの魅力をとっぷりと語りつくした。




