表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3話

「おーし、じゃあお疲れさーん。気をつけて帰るんだぞー。」


妙に間延びした声で、

担任の林が終業のHRを締めた。


するとアキラが俺に話しかけてくる。



「綾人ー、ゲーセン行こーぜ」


「あー、わりぃ。今日ちょっと用事あんだわ」


「そっかぁ。じゃあまた今度な!」


「おう。すまんな」


「絶対だからな!!」


「お、おう。わかったって」


「俺にボディブロー入れた分、お前をハイスラでボコることを俺は忘れないからな!!!!!」


「だ、だからごめんって....」



満面の笑みでボコることを宣言された。怖い。

あいつ格ゲーやたらつえぇんだよな。やりたくねぇ。。。


そんなことを思っていると、もう一人の幼馴染の声が耳に入ってきた。



「じゃあまた明日ね。」



そろそろトーコも帰るようだ。

じゃあ、俺も支度するか―――。



―――――――――

――――




学校の帰り道、空が紅く染まりだした頃。

帰り道が途中まで一緒だった友達と先程別れ、

東子は一人で帰路を辿っていた。

つい先程まで、周りは下校する学生で溢れていたが、家に近づくにつれ、いつのまにか人気が少なくなってきていた。



(今晩のごはん、何作ろうかなぁ。あ、その前に今日出てた宿題やらないと。結構量多かったし、早めにどんな内容なのか把握しておくぐらいは必要よね)



今日、東子の両親は結婚記念日のためにデートに行くとのことで、自分以外には家にいない。

家でやることをぽつぽつと考えながら、

気もそぞろに、トコトコと歩くトーコ。

トコトコトーコ。



(綾人の宿題忘れる癖もなんとかならないもんかなー。別にノート貸す分にはいいんだけど、妙に距離感近いっていうか...)



東子がボーッと今日のことを振り返っている中、

だんだんと陽は傾き、子の影がまっすぐ前に伸びていた。


前方に伸びる長い影を見て、そんなことを思っていたとき、

東子は、もう一つの人影が、自分の足元に伸びていることに気づいた。


(え...?)


後ろを振り返ると、

道の真ん中、10メートル後方に、フードを深くかぶり、マスクをつけた人物が立っていた。



(だ、だれ...?なんか、こわい...)



本能的に恐怖を感じた東子は、家に向かって早歩きした。

幸い、家はすぐそこであった。

すぐに玄関の鍵を開け、中に飛び込む。

そして内側からチェーンロックと鍵を掛ける。


(なんだったのあの人...?と、とりあえず、警察呼んだほうがいいのかな...!?)


バタバタと電話を掛け、110番をする東子。

しどろもどろになりながら状況を話すが、あまり呂律がまわらない。

思っていたより自分が緊張していたことに気づき、冷や汗がドッと出てくる。

警察官も「落ち着いて説明をお願いします」と伝えるが、東子はそれどころではなかった。





一方、東子が家のなかでワタワタしている間、フードの人物は何をしていたのか。


特段、何もしていない。


道路の真ん中で立っていただけだった。


()()()()()()()()()()()()()()()()()





『トーコ....お前のことは...俺が守るからな.....』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ