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Only One  作者: シアン
第1話「入学」
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07

 新入生は1クラス36人の8クラスで計288人。薫以外は当然全員女子で、薫は1年B組の36番だった。ただ新入生の約4割は付属中学からの内部生で、既に仲良く話しているグループが教室内にいつくかあった。

 ボロが出るのが怖いので薫は入学式開始ギリギリに登校し、そのまま入学式を迎えることになったが……本当に女子しかいなかった。確かに男の格好でこの場にいる勇気は無い。しかし男だとバレるのでは無いかとても不安である。

 入学式自体は淡々と進行し、教室に戻ってからは軽い連絡事項や配布物を配ってから自己紹介をしていく事になった。

「さて、私が本年度あなた達の担任をする事になった上田詩織です。担当教科は現代文、演劇部の顧問をしています。担任を受け持つのは今年が初めてです。一年間よろしくね」

(……この人が担任か。確かに若いな)

 理事長から聴いた話だと確か25歳だった筈だ。確かに初担任で薫のフォローは荷が重いだろう。そして見た目はモデルかと言っても良い程整っていた。小顔で目がぱっちりとしていて瑞々しい唇。身長は薫よりも高い165cm程、体型も極端では無いがしっかりと女性的なラインを描いていた。男子がいれば確実に大人気間違い無しである。

「では出席番号1番、飯田さんから前に来て簡単にお願いしますね」

 そして一人30秒程の自己紹介は順調に進行していき、最後となる薫の順番となった。教壇の方に行くとクラスメイトの視線が気になった。

(うわ~みんなからの視線が。……男だってバレてないよね?大丈夫だよね?)

 自意識過剰とは薫も思っているが、こうも視線が集中すると落ち着かない。薫は小さく深呼吸をして、自己紹介を始める。

「米沢薫です。親の仕事の都合で、最近引っ越してきたばかりなので余り周囲の事も詳しくありません。色々と教えてくれるとうれしいです。これから1年間よろしくお願いします」

 最低限の自己紹介をして薫は席に戻る。他人よりも短かったが、心臓はバクバクと音を立てていた。

 入学式関連が一通り終了し後は帰宅――なのだが、本日は集団下校訓練があるそうだ。これは通学手段、方向別で大まかなグループに分け、非常時にグループ単位での帰宅を行うためだそうだ。実際に使うような非常事態は卒業までに1度あるかどうかといったレベルだそうだが、同じグループということは方向が同じという訳で、各学期の初日に顔合わせも兼ねて行うとの事。

 薫は徒歩圏の学園東側の為、Fー1グループとなった。幸いというかクラスメイトで薫と同じグループとなった人はいなかった。だが、ここで薫は運命の出会いをする事になる。

既に登場しているあの人です。

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