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Only One  作者: シアン
第1話「入学」
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05

 その後入学式までは毎日薫にとっては精神的にも肉体的にも大変だった。まずは親への事情説明。父は着任直後の引継作業で忙しいらしく、家に戻れないとの事で電話での説明だったが、ろくに話も聞かずに「母さんに任せる」の一言。そして母に関しては、理事長からの事情を聞くとたっぷり5分程爆笑した挙げ句、ノリノリで了承した。

 そして翌日は理事長の手配の元エステでのムダ毛の処理、美容院で髪の毛を整えられ、遅めの昼食後はランジェリーショップに連行され、下着を揃える事に。

……そこでの様子に関しては本当に勘弁して欲しい。兎に角居心地が最悪だったとだけは言っておく。そしてブラジャーの胸の下を押さえる感覚は非常に違和感がある。胸に関してはフルカップのブラにパットを入れる事になった。因みにAカップという事で、結構控えめである。

 その後も様々な店へと連行されて大量の服(勿論女物)が揃えられてしまった。しかもズボン系は辛うじて買って貰ったジーパン1本のみで、後はスカートやワンピースといった完全なる女物。しかも殆どは膝丈よりも短いミニスカートである。

 実は最初はミニスカートオンリーだったのを、何とか抵抗して1本とは言えジーパンと、更にロングスカートやキュロットスカートをねじ込む事には成功した。……その代わり若干理不尽な条件が付けられてしまったが。

 因みに買った服の量は、当面暫くの間の分だと思うが、明らかに今ある男物の服の全てよりも多い。因みに色々と掛かった費用は、結局母親と理事長との話し合いによって、上限はあるが下着以外の費用は学園持ちとなったそうで。所で収納スペースは足りるだろうか?

 量が多くなってしまったので一部は宅配便で送りつつ、閉店間際まで振り回されて帰宅したのは21時過ぎだった。遅い夕食を食べつつも、朝から一日中振り回されて薫はぐったり。食べ終わったら気持ち的には今すぐベットにダイブしたかったが、そうもいかない。

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