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Only One  作者: シアン
第5話「遅れてきた新入生」
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体育終了後のひと時です。

 さて、測定自体は特に問題無く順調にこなしていった訳だが、薫は自覚無しだったがやらかしてしまった。

 薫の身体能力的は男子としては平均よりもやや高いレベルだが、そのまま女子として測定するとどうなるか。男女差が少ない、寧ろ女子の方が比較的良い結果となる柔軟性の長座体前屈と、薫が苦手とするハンドボール投げが女子の平均レベル、その他が同年代男子の平均からやや上となると、女子としては破格の身体能力を持っている事になる。

 特に持久走は殆ど経験が無い400mトラック(当然中学の校庭は200m)での測定だったので、ペース配分が分からず結構飛ばしてしまってタイムは3分半を切ってしまった(3分27秒)ので、2位以下に30秒以上の大差を付けてゴールしてしまった。

 この事が来週以降ちょっとした波乱のきっかけとなる。兎も角授業自体は無事に終了した。待っているのは着替えである。

「あ~疲れたね」

「そうだね~。久々にしっかり動いた感じがするわ」

 各々雑談をしながら着替えをしている。授業開始時と異なるのは、次が昼休みになるので急いで着替える必要が無いこと。結果どうなるかと言えば、ちょっとでも更衣室の中心に目を向けると下着姿での雑談風景が目に入る。……下着姿のまま話すのは止めて欲しい。しかもどうやらスポーツブラに変えていた人もいたようで、さっきおもいっきり胸を見てしまった。……鹿島さんごめんなさい。

「所で薫ちゃん、さっきの持久走凄かったね」

「……え?」

 既に着替えを終えている薫。本当は今すぐにでも更衣室を出たいのだが、美咲達に捕まっていた。

「そうそう私も思った。ぶっちぎりだったじゃん」

「まぁ距離が短いからおもいっきりとばしちゃったけど……あ」

 そこまで言って薫はやらかしてしまった事に気が付いた。男子としては平均的な能力でも、果たしてそれは女子としてはどうか。慌てて配点を調べて見ると、殆どで女子としては高得点。今更ながらセーブすべきだったと気づいたが後の祭りである。

「大半が受験で春休みもまともに動いていない人も多いのにね~」

「薫ちゃんって中学の時何か部活やってなかったの?」

「え……特にはやってないよ」

 本当は陸上部だったのだが。弱小部だし薫の成績も予選落ちだから言っても問題無い気もするが、万が一調べられたらマズいと思ってそこは誤魔化す。……これまで部活の話はしていないので大丈夫だと思う。

「もったいない。でもこれで来週以降は大変かもよ?」

「え?どういう事?」

 大変って何!不安を煽らないで欲しいのだけど……

「まだ全クラス終わってないから今日は大丈夫だけど、全クラス終わったら上位陣は掲示されるんだよね。結果次第では部活の勧誘が殺到するかもよ?」

「……マジですか」

「マジです。たしか各学年TOP10と全体のTOP20だったかな。特に1年はこの結果から勧誘することも多いみたいよ?」

「うわ~どうしよう……」

「そうならない為には早めに部活決めた方がいいかもね」

「そうだね。あ~やらかしたかも」

 男女差を全く考えていなかったので目立つ結果となってしまった。今から来週から始まる仮入部期間も波乱がありそうだ。

次回恒例の人物紹介を入れます(25日頃更新予定)。その後は……プロットすら殆ど出来ていないので、少なくとも年明け、成人の日頃までは更新出来ないと思います。中途半端に止まってしまっているもう一つの連載作「学園アイドルの妹になりました」の続きを年内~年明け早々にはアップ予定(後は校正のみ)です。

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