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Only One  作者: シアン
第5話「遅れてきた新入生」
54/63

08

授業前のひと時です。

 沙織の頑張り(?)によって何とか昨日と同じ時間に出る事が出来た。ただこの時間は走らなくてもギリギリ間に合う感じなので、出来ればもう少し早く出たい所だ。そして歩きながら準備を待っている間に、来週から朝ご飯を一緒に食べる事になった事を伝えた。

「なんか本当にゴメン。なるべく起きれるように努力します……」

「大丈夫かな……」

 まぁ今日みたいに沙織を起こす羽目になる可能性大だけど、朝の余裕は増えるだろう。後10分は早く出たい所ではあるし。

「お早う、美咲さん」

 廊下で沙織と別れて、前の席の美咲に声を掛ける。因みに靴を履き替えている時に予鈴が鳴っていて、教室内を見た限り能登川さんも含めてほぼ全員揃っている。

「お早う薫ちゃん。今日も沙織待ちかな?」

「その通りです。まぁ来週からはもう少し余裕があると思うよ」

「え?どういう事?」

「実は……っと時間ですね。詳しくは後で」

 今朝決まった事情を説明しようとしたがチャイムが鳴ってしまった。上田先生もすぐ入ってきたのでひとまず美咲への説明は後回しだ。……1限前の休み時間中に今朝の説明をすると、「まぁ頑張って」と若干飽きれた反応だった。うん、本当に頑張らないと大変だからね、沙織さんと心の中で祈った。

 2限の数学Aが終了し、いよいよ次は体育である。体育の着替え場所は体育館に併設された更衣室だ。更衣室は全部で5部屋あり、体育館と校庭側どちらにも出る事が出来る構造になっている。中は向かい合う状態で片側にロッカーが12個、中央に4人程が座れる長椅子が2つの構造が2つ並んだ構造が3部屋(A~C)、その半分の広さが2部屋(D・E)となっている。今回使用となる更衣室はBと1クラス36人が使うので当然広い方だ。10人分以上余裕があるので、薫は入口からは遠い角のロッカーを使う事にする。更衣室の中程に目をやると、時間に余り余裕が無い&同性しかいない(事になっている)ので、みなさん特別隠す事無く着替えている。……いくら男の象徴を押さえつける特殊な下着をしているとは言え、こうカラフルなブラジャーやショーツが目に入るのは避けないと。罪悪感もあるし。

「そういえば合同授業じゃないんだね」

 なるべく他人の着替えを見ないように、そして自分の着替えは見られないように急いで着替えを終えると、ふと薫は疑問に思った。中学の時体育は隣のクラスと合同授業だったからだ。

「え?……あぁ、薫ちゃんも中学の時は共学だったね。合同授業なのは1クラスだと人数が少ないからじゃん。でも今は1クラスで充分人数がいるしね」

 薫の近く(というか隣)で着替えていた美咲が疑問にこたえた。

「そういえばそうだね」

 中学時代合同授業だったのは1クラスだと人数が少ないからで、今はわざわざ合同授業にする理由が無いのだ。

「みんな急いで!後2分で授業開始の時間だよ」

 とここで体育委員の声がする。やはり時間的余裕が無いので、授業前の着替えはトラブル無く終わった。いよいよ授業本番である。


次回は15日更新です。

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