表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Only One  作者: シアン
第5話「遅れてきた新入生」
53/63

07

さて本日は体育の授業がありますよ~。着替えは次回予定。

 12日金曜日、薫は朝から憂鬱だった。何故なら今日は3・4限目に体育がある。通常体育は4限のみだが、初回となる今日は2限分の時間を使って体力テストを行うそうだ。本来3限の世界史は来週火曜日2限の体育と交換となっている。閑話休題。

 体育という事は着替えである。当然ながら男だとバレる可能性が高くなる。胸のパットに加え、ショーツは男の象徴を目立たなくする特別品なので大丈夫だとは思うが、用心した方が良いだろう……一昨日の健康診断の時の状況を考えると。教室から更衣室迄の移動を考えると、授業前は時間の余裕が少ないから大丈夫だろうけど。寧ろ授業が終わった後の方が危ない。なんせ4限なので授業後急いで着替える必要が無い。それに食堂の混雑を避けるという意味でものんびり着替えるのはありだ。……真面目に対策を考えた方が良いかも。

 いつもよりも服装のチェックを念入りにしてから最早恒例となった沙織の家に寄る。

「いらっしゃい薫ちゃん。……結局うちの子は1週間持たなかったわね」

 これまで通り由香里さんが出迎えたのだが。

「……もしかして沙織さんはまだ起きてませんか?」

「残念ながらその通りね。それで早速お願いなんだけど、沙織起こしてきてくれない?私が起こすより効果あると思うから」

「……分かりました」

 これで沙織が寝ている状況は2度目である。寝ている無防備な所の部屋に入って起こすとなると罪悪感が強いが、先週のお出かけとは違い、今日は早く起こさないと遅刻してしまう。

部屋の前で一度深呼吸してノックをする。……やっぱり反応無し。

「沙織さん、入りますよ~」

 意を決して中に入る。……まぁ予想通り沙織さんはベットの上でまだ夢の中だった。

「沙織さん、流石にもう起きないと遅刻しますよ?」

「……う~ん……え?薫ちゃん?何で?」

 一応沙織は目は覚ましたけど、まだ完全には覚醒していないようだ。

「何でも何ももう7時半廻ってますよ。急がないと遅刻しますよ」

「え?……あ!ご、ごめん。すぐ準備する」

 沙織はベットから飛び起きるとパジャマを脱ぎ始めたので、薫は慌てて部屋から出た。そしてリビングに戻り無事(?)に起きた事を伝える。

「ありがとうね。所で薫ちゃん、来週からうちで朝食食べないかしら」

「……えっと、理由を聴いても良いですか?」

「特にする事無く沙織を待つのは辛いでしょ?沙織も早く起きる習慣付けて欲しいという意味もあるわね」

 ……なる程。着替えや準備を済ましてくれば7時頃になるだろうか。その時間なら朝食の時間も加味しても、急がなくても充分間に合う。万が一忘れ物に気付いても家に戻るのも簡単だ。

「でも毎日となると費用とか手間とか大変では無いですか?」

「まぁ手間は1人分増えた所で殆ど変わらないから気にしなくていいわよ。費用は……まぁ細かい所は親同士で話し合うから薫ちゃんは気にしないで良いから。所でお母様は今日家にいるかしら?」

「落ち着いたらパートを探すかもとは言っていましたが、今日は家にいる筈ですよ」

「じゃあ後で寄って話して置くわね。……あぁ沙織、急いで食べなさい。昨日よりも余裕は無いからね」

 着替えを終えたらしい沙織がリビングに来た。ひとまず急いで食べてもらうとしよう。

次回は10日更新です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ