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Only One  作者: シアン
第4話「健康診断、そして……」
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06

「はい、では健康診断の後説明した通り、火曜日午後の時間にある選択授業の希望を取ります」

 穏やかな雰囲気が流れた昼休みも終わり、担任の声が教室内に響く。午後は予告通り、火曜日の5・6限に行われる芸術系選択授業の選択作業だ。科目は音楽・美術・書道の3種類だが、美術に関しては絵画系のA、彫刻系のB、そして今年度から開始のコンピューターグラフィックのCに分かれる事になっている。

 おおよその人数目安は音楽・美術A・書道が学年全体で2クラス分(72人)、美術B・Cが1クラス分(36人)だそうで、美術系は若干は越える事も出来るそうだが、それでも教室の規模の問題から1クラス分当たり40人が限度だそうだ。

 まずは座席の縦1列(6人)ずつ黒板に出て、各自希望する科目の下に名前を書いていく。というのもまずはクラス毎に希望をまとめ、各クラス毎の割り当て以下(2クラス教科9人、1クラス教科5人)ならその時点で確定する。クラス割り当てを超過し、決まらなかった科目は学年の集計を取り、それで規定人数以下なら確定。それでも超過の場合は各クラス割り当て以下になるまで調整をかけていく事になる。

 薫の列は出席番号の都合上最後だったが、迷うことなく書道に名前を書く。美術は余り得意では無いし、音楽は声の問題もあるので論外となると書道しか無かったのだが。

全員が名前を書いた時点で確定したのは、クラス割り当てを下回った薫の選択した書道(8人)と美術C(5人)だった。全クラスの集計の結果、音楽(10人)も定員以下に収まったので確定、その後の調整を経て全員の選択授業が確定した。薫と同じ書道を選択したのは現時点で8人。因みに美咲は音楽、飯山さんは美術Aだった。

 何とか予定の時間内で選択授業が確定したので(決まらなかったら延長もありと言われていた)、HRもあっさりと終わった。連絡事項としては明日からいよい授業開始なので忘れ物(特に教科書)をしないようにと言われた。

「私の授業も3限にあるからね~」

 そう、担任である上田先生の担当科目である現代文の授業も明日はある。いよいよ入学後の変則体制が終わり、通常授業が始まる。

次回は10日更新です。

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