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Only One  作者: シアン
第3話「新年度開始のあれこれ」
34/63

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今回で第3話が終了です。

 そして開始から約1時間半、応急処置の講義も終わり予定の最後、明日の健康診断についての説明に入ったが――ここで薫は内心焦る。検診時は体操着に着替えて行う事になるが、問題はX線撮影と内科である。ブラを外した状態で受けるという事で、控えめとはいえパットで胸を作っているのにその手段が使えない。更に言うなら検診を行う人なら男だとバレてしまうのではないか、という観点からも不安が多い。

 どうすればいいのかと考えている内に木曜日の放課後に再度集合の連絡の上で解散の声が掛かり、それぞれを被服室を出ていく。

「あぁ、そうだ。1年B組の米沢薫さん。後で保健室に来て下さい」

「あ、はい。分かりました」

 とここで上田先生から声が掛かる。千尋に備品の教室への持ち帰りを頼み薫は保健室へと向かう。

「失礼します」

「いらっしゃい、米沢薫さん」

 保健室に入ると診察をする際の椅子に座るよう指示される。その間に上田先生は入り口のドアの鍵を掛けて薫とは向かい合う形になった。

「さて、理事長から話は聴いていましたが……本当に男の子?ってレベルなんだけど」

「うぐっ、多分言われると思いましたけど……」

「まぁ何かあったら相談に来なさい。出来る限り協力してあげるから」

「ではさっそくなんですが……」

 明日の健康診断について話してみる。

「あなたなら裸にでもならない限り大丈夫だとは思うけど……ってあぁ、X線撮影と内科検診ね」

「そうなんです。何とかなりませんか?」

「まぁX線撮影はそこまで気にしなくてもいいと思うわよ?ブラは外すけど体操着は着たままだから」

「でも、パッドで胸作ってますし」

「作ってるっていってもAでしょ?短時間ならバレないわよ」

 そういう物なんだろうか。確かにAだとブラの存在が必要か微妙なところではあるが。

「後は内科ね……でも心配無用よ。私が診てあげるから」

「それって大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ。私は資格も持っているから」

 明日の健康診断では全体で15人程が派遣されてくるそうだが、その内内科の担当は2人。一応2人でも回せる程度ではあるが、一番一人当たりの時間が掛かるそうで、混雑が酷くなった時に診察の手伝いをする事があるそうだ。なので時間を見計らって薫を自分の所に誘導してくれるそうだ。

「寧ろ着替えに気をつけなさい。女子校みたいに男の目が無いとなると結構無防備な子が多いから」

 健康診断中よりも、前後の着替えの方を警戒した方が良いそうだ。あぁ、明日大丈夫かなぁ……不安を抱えながら帰宅する事になった。

次回は23日に人物紹介を入れて、その後新作の公開を25日から入る予定でいます。「Only One」の更新は8月7日から再開を予定しています。詳しくは23日に活動報告にて報告します。

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