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ストーリーと関係ないオブジェクトはMMOの定番

 ミノタウロスの攻略法は基本2通りだ。近づくと斧をぶん回し大ダメージを与えてきて、遠距離になると咆哮で怯ませ斧を投げてくる。

両方固定ダメージなのだ。経験上。というかこいつの攻撃はすべて固定ダメージだ。防具なしでも変わらない。


「高レベルミノは初めてだな」


「元々初心者向けのコンテンツだしね」


「んじゃ、ちゃちゃっとやりますかぁ」


「ほいほーい」


「スタミナ回復いれといて」


「りょーかーい」


 オーダー、『グレイプニル』。そう唱えた瞬間幾筋の光がミノタウロス二頭に向かって飛んでいく。

これは自分より低レベルのモンスターを拘束する神の縄、って設定なんだが相手のレベルによって拘束時間が変動する。

高レベルのほうが拘束時間は長い。


 「おし」

あまりにも違いすぎるそのレベル差により低レベルの方のミノタウロスが一瞬で解放される。


「グモォォォオオオオ!!!!」


 こちらは正直雑魚だ。オーダー『宝杖 清姫』。杖に込められた炎がミノタウロスを焼き尽くす、が殺してはいない。

ドロップ数増加が目的だ。『盗賊王の曲刀』をオーダーしそのまま切り裂く。これでお肉ゲットだ。レアドロップではないからな。

 ミノタウロスの肉が複数個ドロップする。ダメージはない。そもそも先ほどの『宝杖 清姫』は展開してから2秒間ダメージをゼロにする効果がある。

道成寺の鐘の加護だそうだ。追加効果で炎属性の与ダメージを2.5倍する。

一体撃破。これで楽になるだろう。多分。残りは高レベルの方だけだ。

 レベル78、ミノタウロス。見たことないなこれは。62は見たことあるが。やることは基本的に変わらない。

武器王にとって「武器のオーダー」こそ「スキル」のようなものであり当然存在するのがリキャストタイムなのだ。

武器自体をスキルとして一度使った武器は一定時間使えない。そんな感じだ。

で、俺の持っている武器の数だが、インベントリの中に48種、倉庫の中に476種。

瞬間的高火力を持つ武器というか出現した瞬間高火力を持つ武器は現在使い果たした。杖とかそのへんの。

で、俺が現在持っている武器というのがほぼ近接武器なのだ。まあ近接の方が好きだからなんだけれども。

 持っている武器のうち遠距離は9種、近距離は残りの39。これらをおそらくこのゲーム内で俺だけが使えるスキルを以て再使用可能にする。


「無限剣戟回廊」


オーダーした瞬間俺の周囲に武器が大量に召喚される。武器の滞在時間は45秒、その時間内にミノタウロスを、


「殺す。」


 右手に『国針』という槍、左手に『痺れ毒蛇の短剣』右手の少し下に先ほど使用した『宝杖 清姫』背中に8本の武器が円形にくるくると回っている。

『国針』と『痺れ毒蛇の短剣』を両方投げつける。『国針』は槍であり支援系の武器だ、状態異常の効果時間を3秒伸ばす。

『痺れ毒蛇の短剣』は頭に刺すとレイドボス以外は確定で麻痺を付与する。『清姫』は一旦保留。

背中に配置していた『絶刀 式犀』を左手に、『禍龍砕機』をミノタウロスの頭上に設置。右手はあえて空けておく。

 左手に持った刀を振るった瞬間に違和感を感じた。

               

          キリオトシタ?


 ゲームの時であればなかったその感覚。ミノタウロスの腕が、落ちた。精々切り傷が入っただけで終わっていたはずだ。

 嫌な感覚が手に残り続ける。これは、いやだな。

 

 「ア、時間ネえや」


 残りは28秒、まだ殺せるな。感覚の方は一旦無視だ無視。後にしよう。

 あえて空けておいた右手は先ほど頭上に設置した『禍龍砕機』を持つ。落下ダメージとともに殴る。

バキバキと何かを砕く感覚があるがいまは無視。『清姫』を自動で発動、高火力でノックバックを発生させ一旦距離をとる。

とっくに麻痺時間はとっくに過ぎている。攻撃のノックバックで凌いでただけだ。


「タケル、回復」


いつのまにかダメージを受けていた。少なくないダメージだが、どこからだ?

ミノタウロスはずっと抑えてた、ってことはなんだ?


「回復頼むわ」


「ん」


 傷が癒えていく。のこり12秒、充分殺せる。

 両手に『無形双雹刃 刻零』を持ち振るう。大氷塊がミノタウロスの足を撃ち抜く。

そのまま切り裂き胴体を薙ぐ。再度『清姫』で高火力を与えノックバックで距離を取り『乱機銃 極錦』『覇弓 ケルケイネス』で遠距離攻撃、あと一撃ってところかな?

ドロップ数増加のために『盗賊王の曲刀』でとどめを刺す。


「ふう」


「残り0.32秒、お疲れ~」


「お~」


地面を見るとミノタウロスが持っていたのであろう大きな斧が落ちていた。

 

「さっきからずっと踏んでたよ」


それであのダメージか。総ダメージは俺の体力の八割を削っていた、にもかかわらず俺の体力はほぼ最大値だ。

相当MP食っただろう。うむ、ありがたいな、これは。


「お疲れ」


そういって頭をなでる。


「むぅ」


龍姫の方は両手で腕を持って頭から離す。ま、今回の目的は概ね達成した。

 ドロップしたミノのミノは一切土などをつけることなく落ちていた。ゲームの世界ってすごいね。


「ミノ~」


かわいい。


「帰ろうか」


「未探索ゾーン」


「寄る寄る」


「ん、ならばよし」


地図を確認すると未探索ゾーンの真下にいた。


「あれ?」


気になってダンジョンの奥に進んでみると瓦礫が散らばり、埃まみれだった。まさかと思い上を見上げてみると大きな穴が開いていた。


「「あ~、なるほど」」


なにやら先程の高レベルミノ、上から落ちてきたらしい。そう、恐らくアップデートで追加されたエリアから。

で、行ってみたら小さい迷路ができていた。名称は「猛牛の迷宮」至る所にミノタウロスが配置されており結構難しかった。

さっきのレベルが高いのはボスだったらしい。迷宮の奥にアイテムが落ちてた。斧も込みだ。

『猛牛王の血斧』移動速度に応じて攻撃力が上がる効果付き秘法級武器。効果はいいが元の攻撃力が低すぎる。街に帰って売ろう。

 まずは、ギルドホームに帰ろう。

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