目が覚めて
「ここは…?」
日の眩しい海岸で目が覚めた。
どうやら夜明けの様だ。
「いや、そんなことより何でこんなところで寝てんだ」
記憶も曖昧、やけに頭が痛い、二日酔い?違う。昨日の夜は、酒なんて飲んでない。客船に乗ってて、船に乗ってた客共が暴れ出して、人を食い出した。そして、俺は船から海に飛び込んだ。
「なんてな」
何時か見た映画と現実が混同してる、まだ記憶は戻っていないようだ。
少し遠くに小さな村が見える。そこへ行って人に聞けばここがどこかわかるだろう。
数分歩いて村に着いた。随分と廃れている。
人の姿も見えない。
「すいません」少し控えた声で、人がいるか確認する。
ん、あれは…人だ。家の角から人が見えた。走ってこっちに向かってくる。ただ様子がおかしい、足を引きずっているように見えるが、相当な足の速さだ。近づくにつれて、その人の様子のおかしさに拍車がかかる。服はぼろぼろ。血を流している。うめき声さえ出しているようだ。しかし、以前として足はとてつもなく速い。
もう直ぐそこまで来ている。
「あの、すいません!」聞く耳持たず。さらに近づいてくる。「止まれ!」言った瞬間。
「うああああぁぁあ!」
そいつは襲いかかってきた。
くそっ、こいつなんて力だ。
相手の腕をつかんでなんとか止める。
「おい!聞いてるのか!」
「うあああああぁぁ!」
わけのわからない声を出して、力を増してくる。