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雪女の涙編

やっと復活です。

これからもお願いします。

俺の名前はガイ。トレジャーハンターだ。

今日も俺は宝を探して旅に出る。

いつもクールなナイスガイ。






 今回の獲物は「雪女の涙」だ。

 俺とキリオイの初めての宝ハント。のはずだったが、キリオイが寒いところは無理だ。と言ったので、今回はいつもの通り俺一人でのトレジャーハントだ。

 「雪女の涙」これが今回俺が狙うお宝だ。

 今回俺がこのお宝を狙う理由は、情報屋が昔欲しがっていたことを思い出したからだ。

 情報屋には、今聖女についての情報を仕入れてもらっている。

 ただ、「シンクェンタ」や「シンクェンタ」を敵対している集団から、聖女の情報を仕入れるのはかなり時間がかかるようだし、大変なようだ。

 そこで前に欲しがっていた、「雪女の涙」を手に入れてご機嫌を取ろうと思っている。

 「雪女の涙」とは、上宝級の宝石だ。

 この世界にいる雪女は涙を流すと、それが結晶化し宝石になると言われている。

 その宝石は上宝級と呼ばれているだけあって珍しく、何人もの人が雪女に涙を貰おうとした。が、ほとんどの人間は氷漬けにされた状態で発見されたり、行方不明になってしまうそうだ。

 原因は不明とされているが、やはり雪女にやられたと考えるのが普通だろう。

 また、雪女に涙を流させる方法も不明だ。

 涙を持ってきたトレジャーハンター達は皆声を揃えて運が良かったと言う。

 その様な背景から「雪女の涙」は稀少性が高く、女性には憧れの宝石だ。

 俺は雪女とも戦うことも想定して、「阿僧祇」を持っていくことにした。

 前のようになると困るからな。




 雪山に到着した。

 この雪山は年がら年中ずっと雪が降り注いでいる。この山に降る雪は止むことはないそうだ。

 俺はその雪山の中に足を踏み入れた。

 目指すは雪女の目撃が一番多い、山の中腹だ。




 防寒具を着ているはずだが、この雪山の寒さには勝てなかったらしい。物凄く寒い。

 気を緩めると足が止まり倒れてしまいそうだ。

 また吹雪が強すぎで数メートルほどしか目がきかない。

 仮にこの状態で雪女との戦闘になってしまったら、負けるかもしれない。

 と、考えながら山の中腹辺りを散策していると数十メートル先に倒れている人らしきものを見つけた。

 何が可笑しい気がしたが俺はその倒れている人らしきものに向かって進んだ。




 数十秒後にその倒れている人らしきものにたどり着いた。しかし俺はそれに激しく後悔した。

 人、多分女らしきものが倒れている。

 ただし、インパクトが凄すぎて俺は数秒放心したように立ち尽くしてしまった。

 その、倒れている女らしき人は推定体重二百キログラム以上の超巨漢だった。矛盾しているかも知れないが巨漢な女だった。

 それがまるで蛙が潰れたように雪山に倒れていた。

 これはまず人間なのかの判断が俺には出来ない。

 ただ伝承で伝えられている雪女とはあまりにも違いがありすぎるので多分これは雪女ではない。

 雪女は、美人で白い着物を着て男を惑わす生き物のはずだ。

 これはあまりにもかけ離れている。着ている物も山賊のようなベストだ。

 もしかしたら、女山賊なのかもしれない。

 とにかく俺はその女が生きているのかどうか確かめることにした。

 俺の手が冷たくなりすぎたのか、この女が長時間吹雪に当たり過ぎたのか分からないが、この女は氷のように冷たい肌をしていた。

 この女がもし山賊だったら、助けることによって大金が転がりこんで来るかもしれない。

 俺は、その事を期待してこの女を助けることにした。

 彼女は俺がおんぶして山の麓まで運ぶことにした。

 生きているか分からないが、俺が彼女を背負った時に多少動いた気がしたし、まだ死んではいないようだ。

 俺は二百キログラム以上重くなった体に鞭をうってゆっくりと山を下っていった。




 かなり時間が経ち、山の麓までもう少しとなった時、後ろの生き物がもぞもぞと動き出した。

 俺は、彼女が生きていることに安堵した。

 これで金になると思い、俺は小躍りしたい気分になった。

 が、ここで彼女に嫌われ金を払って貰えないと困るので彼女を安心させるために、彼女を励まし始めた。


「もう大丈夫だ。もう少しで山の麓につく。そこまで行けばもう大丈夫だ」


「君はあの吹雪の中よく頑張った後少しだけ頑張るだけで大丈夫だ」


「もうちょっとだけ辛抱してくれ」


 そう言った言葉を俺は掛け続けると彼女の動きは止まった。


 俺は山を降りる途中ずっと声を掛け続けた。

 そしてそろそろ麓につきそうになったときまた、後ろで彼女が動き出した。

 俺はもうちょっと良い言葉を掛けようかと思った時に彼女が泣いていることに気づいた。

 すすり泣いているようだが、如何せん体が大き過ぎて急に俺の足に掛かる負担は大きくなった。

 俺の足が悲鳴をあげる直前に彼女はその巨大な顔を俺の耳元に近づけた。

 そして急に俺の耳元で一言


「ありがとうございました」


と言って、消えていなくなってしまった。

 急に後ろにあった超重量の荷物が消えて俺は尻餅をついてしまった。

 背中に手をまわしてもあの巨大な体はない。

 慌てて立ち上がって辺りを見回しても何もない。

 あの体だったら隠れることも一苦労ありそうなのにどこにもいなくなっていた。

 俺は狐に摘ままれたような気分になった。

 



 もう諦めて帰ろうと思い、体についた雪を払った時に体から何かキラキラとした物体が落ちた。

 俺はそれを見た瞬間はっとした。

 慌ててそれを拾うとそれは案の定「雪女の涙」だった。






 情報屋は俺の渡した「雪女の涙」を嬉しそうに貰っていった。

 ただ俺が拾うことが出来た全てを持っていかれたことは、想定外だった。




 今回のお宝:「雪女の涙」(全て情報屋に譲渡)

読んでくれる皆様に感謝です。これからも宜しくお願いいたします。

感想待っています。

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