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吸血鬼編(中)

すみません。

前編、後編で分けるつもりでしたが、三部作となってしまいました。

これは中編なので、前編から読むのをオススメします。今日中に後編もあげるのでよろしくお願いします。

俺の名前はガイ。トレジャーハンターだ。

今日も俺は宝を探して旅に出る。

いつもクールなナイスガイ。






 俺はヴァンパイアがいる小屋の近くに来た。

 今回の俺の武器は、相棒の「阿僧祇」とMG10・20。

 そして、背中には国宝級の双剣「那由多」だ。

 この剣は、一振りするだけで切ったものをかなり細かくしてしまうという双剣だ。また、切れ味も鋭い。

 いくらヴァンパイアでも、これで切られてしまえば再生にも時間がかかるだろう。

 そのときに「阿僧祇」で、首をはねれば大丈夫だろう。




 俺は小屋に着いた。

 小屋の中からなにものかの気配がする。

 俺は背中から「那由多」を抜き、構える。

 二刀流だ。

 そして、一気に小屋ごと切り裂く。

 「那由多」の斬撃が小屋を襲う。

 小屋は一瞬にして、ボロボロになる。

 黒い影が飛び出してきて、俺から距離をとるように後ろに位置をとる。

 そこに俺はもう一回「那由多」を振り下ろす。

 「那由多」の斬撃が地面を抉るようにして相手に襲いかかる。

 相手はそれをさっと避ける。

 次の瞬間、俺の目の前に現れ、俺の首目掛けて歯をたてる。

 咄嗟に俺は距離をとろうと後ろに飛び退くが、それに合わせて相手の蹴りが来る。

 辛うじて腕で防御するが、俺は吹き飛ぶ。

 俺が吹き飛ぶのに合わせて相手が素早い突きを放ってくる。

 そこに俺は防御していない方の腕で、持っていた「那由多」を振り下ろす。

 相手の突きを放った左手が斬撃によって、ボロボロになる。

 俺は吹き飛んだ勢いを利用して、相手から離れた。

 相手は、ボロボロになった左手を治療しているようで、俺を追ってこない。

 俺はポケットに入っている最上級の回復薬を飲む。

 お互いが怪我を治し距離をとる。


「君は一体何者だ。私のスピードついて来て尚且つ私に此だけのダメージを与えた。君はもしかしたら、シンクェンタのメンバーか。」


 ヴァンパイアが喋る。

 あんな「シンクェンタ」のメンバーと一緒にされたくない。

 あいつらは、自分の命を大切にしない糞野郎共だ。


「いや違う。あんな糞野郎共と一緒にしないでくれ。俺はお前に壊されたタオゼントの恨みを晴らしに来たただの、トレジャーハンターだ。トレジャーハンターガイだ。」


 俺が言う。

 ヴァンパイアが高笑いをする。


「すまない。君もあのシンクェンタの一員だと思ったものでな。そうか、君はトレジャーハンターか。そんなに強いトレジャーハンターもいるのだな。私の名前はキリオイ。ヴァンパイア・キングのキリオイだ。私はシンクェンタ以外の人族に興味がない。すまないがもうやめないか。お互いただの消耗戦になってしまうぞ。」


 俺は少し迷った。

 それは、相手がヴァンパイア・キングを名乗ったからだ。

 基本的にキングと名乗るものはその生き物頂点だ。 前に戦った突然変異レベルの生き物とは分けが違う。

 文字通りキングなのだ。

 だが、あいつは俺の「タオゼント」を噛み砕いた。 これは、絶対に許せない。せめて、あいつの「歯」ぐらいは俺のものにしたい。


「もし、お前がその『歯』を俺に渡すならこの勝負止めてやってもよい。だが、それが出来ないなら無理だ。」


「この歯は同胞たちの恨みを果たすためにある。それ故この歯は失うことが出来ないのだ。私は、復讐を果たすために生きている。そのためには、こんなところで、私の武器を失うことは出来ない。」


 それを言った瞬間、物凄いスピードでキリオイが、飛び込んでくる。

 一瞬で俺の首を折るか、食いちぎろうとしたんだろう。

 それを予期していた俺はもう「那由多」を手放していた。

 そして、俺にキリオイが近づいた瞬間、腰にさしてあった、「阿僧祇」を居合いの要領で振り切った。

 キリオイの首が胴体と別れて吹き飛んだ。

 ヴァンパイアは首と体が別れたら生きていくことは出来ない。

 俺の勝ちだ。




 俺はゆっくりと吹き飛んだ首の元に行った。

 「歯」を手に入れるためだ。

 後は、「血」でも手にいれてギルドに渡せばいいだろう。

 「シンクェンタ」の連中も残念がって帰るだろうな。

 ただ、あのヴァンパイア・キングは何故そんなに「シンクェンタ」を恨んでいたんだろうか。

 同胞たちの恨みと言っていたがあいつの身に何があったんだろうか。


 と思いながらキリオイの顔を見ると、ミイラ化していた。

 俺はヤバい予感がして、後ろを振り向く。

 そこには頭を生やしたキリオイが立っていた。




 嘘だろ。

 ヴァンパイアは首と体を切り離したら生きることはできないはずだ。

 なんだ、こいつは。

 化け物か。


「そう。私は化け物だ。私は絶対に死ぬことはない。正真正銘の不死なのだ。良いことを教えてやる。実はヴァンパイアには二種類いるのだ。世界の生まれからいるヴァンパイア、そしてそれが産み出したヴァンパイア。私は前者だ。そして、もうこの世には私以外の前者のヴァンパイアはいないのだ。また、後者のヴァンパイアもあの忌まわしいシンクェンタのせいでもうほとんど残っていないのだ。」


 そう言った時のキリオイの顔は凄く苦しそうだった。


「仕方ない。君にはここで死んでもらって、シンクェンタを呼び出すための生け贄になってもらおう。」


「お前が俺を殺せるか。その程度の力では俺は殺せないぞ。」


「私は不死だ。消耗戦では私の方が有利だ。だから、さっき言ったんだよ。消耗戦は止めた方がいいと。」


 そう言って、キリオイが近づいてきた。

 仕方ない、切り札を使おう。

 多分これで殺すことは出来ないだろうが、相手は戦闘不能になるだろう。


 俺は、落ちていた「那由多」を構え、斬撃を飛ばす。

 全てを切り裂いて行く。

 キリオイに当たる。

 もう、避ける気はないらしい。

 ボロボロのまま近づいてくる。

 だが、すぐに体は治っていく。

 俺は、「阿僧祇」でキリオイが近付いてくるのを牽制する。

 それすら無視をして俺に近付いてくる。

 そして、一瞬の隙を突かれて俺の左肩に噛みつく。

 左肩に激痛が走る。

 ただ、これでよい。

 これで、こいつは一瞬動けなくなる。

 俺は右手を動かしMG10・20をキリオイの心臓付近に押し当てる。

 キリオイは俺の顔を見て笑う。

 俺はキリオイの顔を見て笑う。

 そう、心臓に弾を打ち込んでもこいつにはほんとんど効かないだろう。

 だがな、キリオイこれから打ち込むのは俺の切り札だ。

 俺はMG10・20の引き金を引く。

 なかにある、ある物で出来た弾がキリオイの心臓を襲う。




 そして、キリオイは一度死んだ。




 俺は、キリオイの死骸を蹴飛ばし、心臓に持っている弾を全て打ち込んだ。


 そうこれは、自然界最高の銀。


 「白銀のクワガタ虫」で作った銀の弾だ。

 ヴァンパイア・キングも古い生き物だ。

 だが、そうは言ってもこちらが打ち込んだのは、自然界最高の銀だ。

 あの時、情報屋にとられたのを俺が無理を言って返し手もらったんだ。それを弾に加工してもらったのだ。俺にしては勿体ないことをしたかも知れないがこれは仕方がない。


 多分こいつは復活することは出来るだろうがこれを打ち込めば時間はかなり稼げる。

 俺は、「那由多」でこいつの体をかなり細かくして持ってきた袋にその体の破片を集めて家に持って帰った。

 こいつには聞きたいことが、色々あるからな。

読んでいただきありがとうございます。

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