鬼ヶ島編
初めての長編小説に挑戦します。至らないところが多いと思いますが、ぜひ応援宜しくお願いします。
俺の名前はガイ。トレジャーハンターだ。今日も俺は宝を探して旅に出る。
いつもクールなナイスガイ。
今日の獲物は鬼ヶ島にある大量のお宝だ。
情報屋の話では、最近ある島に鬼が大量発生したそうだ。そして、鬼達は島に住む人間達を殺し、島を占拠した。
また、鬼達は島を占拠しただけでは飽き足らず、周りの島や村を脅し金、銀、財宝を納めさせ私腹を肥やしているそうだ。
なんと羨ましい……もとい許せない奴らだ。
どうせ、鬼なんて酒を飲んで寝る位のことしか出来ないのだから、その沢山ある宝を俺が奪ったところでなに一つ困らないであろう。
また、その鬼達にはかなりの人数の人間が殺されているそうで、鬼達を全滅させた人間には高額の賞金が出るそうだ。金は幾らあっても困ることはないし、俺は、鬼ヶ島に鬼退治に行くことにした。
鬼は、あまり頭の良い種族とは言えない。鬼が、普段することといったら、それこそ酒を飲んで寝ることや人を拐って食べる位しかやらない。ただ、本能のままでしか動けないのだ。
それが何故か今回は金、銀、財宝を集めている。そして、その財宝などを納めさせた島や村は襲うのを後回しにされているとも聞く。
これは、どうも可笑しな話だ。
普通の鬼が、金、銀、財宝の価値をわかるはずがない。そして、ただの鬼が、交渉できるはずがない。
もしかしたら鬼の中に、突然変異でかなりの高い知性を持つ奴がいるのかもしれない。
この世界には、様々な生き物がいる。
人間、獣族、魔族、魔物、悪魔、天使、精霊etc……
生き物の種類を挙げるだけでもきりがない。
そして、ほとんどの生き物が「宝」を持っている。俺の夢はその宝を全て集めることだ。まだまだ夢の途中だが。
この世界の「宝」にはレア度別にランクが付けられていて、下から
下宝級(Eランク)
中宝級(Dランク)
上宝級(Cランク)
最上宝級(Bランク)
国宝級(Aランク)
神宝級(Sランク)
と、なっている。まあ中には、ランク付け不可能のお宝もあるようだが。
今回のお宝は下宝級と中宝級が主になると思う。
価値はあまりないが、鬼達がかなりの量を周りから奪い取っているようなので、質より量を取ることにした。
ただ、鬼の中に知性の高いやつがいるはずなので注意が必要だ。まあ、所詮鬼だろうがな。
そんなことを考えながら、えっちらおっちら舟を漕いでいると、かなり大きな鬼の顔が岩に彫ってある島を見つけた。あれが噂の鬼ヶ島だ。やはり、鬼には知性というものはほとんどない。
こんなに分かりやすく、THE鬼ヶ島みたいなものを作るなんて、何時でも退治してください、と言っているようなもんだ。
アジトというのは、バレないようにしておくのが普通だと思うが。
俺は鬼ヶ島に上陸した。
ここまで、鬼は一匹も見ていない。さっさと鬼を全滅させてお宝を奪う、もとい返してもらいたいところだが。
と、思いながら歩いているとかなり大きな門が現れた。俺の身長の10倍位の大きさの門だ。一応、押してみたが、うんともすんとも言わない。
しょうがない俺は腰にさしておいた刀を抜き、構えた。
この剣は「阿僧祇」と呼ばれる国宝級の刀だ。これは昔ある国の武士と呼ばれている人間から譲ってもらったものだ。譲ってもらったというより盗んだに近いんだかな。でもそこから俺の相棒となっている。国宝級というだけあって切れ味も良いし、全然刃こぼれもしない名刀だ。
もう1つの相棒は、腰にあるMG10・20という銃だ。これは、下宝級の銃だが俺の子供のころからの相棒で長い時間俺と過ごしている。威力は強いんだが1発1発撃つのに時間がかかり今回のように大量の敵を相手にするには向いてない。よって今回は俺の腰でお留守番だ。
じゃあ、そろそろこのデカイ門を切るか。
俺は門を一刀両断し中の広場に入っていった。
中の広場は鬼の世界だった。酒盛りの真っ最中だったようで、急に入ってきた俺に全員困惑したようだった。
俺はしめたとばかり、近くにいた鬼に向かって「阿僧祇」を振った。鬼の首が、すっぱりと斬れる。首をふっとんでいく。鬼の体から黒い血が吹き出す。俺はすぐ別の鬼に向かって斬りかかっていく。
鬼達はやっとここで襲撃者に気づいたようだったが、もう遅い。
とにかく近くの鬼から俺はどんどん斬っていく。
鬼も俺に向かってくるがほとんどの鬼が酔っぱらっているようで、千鳥足だ。持っている金棒の重さに耐えられたくスッ転んでいる鬼もいる。とにかく俺は無心で鬼を刈っていく。
だんだんと鬼が、減ってくるにつれて動きが機敏な鬼がでて来たが、所詮鬼だ。俺と「阿僧祇」の敵ではない。
と、ここであの門の半分ほどの大きさの鬼が現れ、もの凄いデカイ声で叫びだした。
「なんだ、お前は。我が同族を殺してただで済むとは思うなよ。」
と、言ったと同時にあの門ほどありそうな、金棒を俺に向かって、降り下ろしてきた。
かなりのスピードが出ていたが、正直俺の敵ではない。「阿僧祇」で金棒を両断し、その勢いのまま鬼の右手を切り落とした。
鬼は、切られると思っていなかったのか、なくなってしまった腕を見、怒り狂い俺に襲いかってきた。が、片腕だけでは無論相手になるはずではない。 せめて痛みを感じないようと首をはねた。
他の鬼達はリーダーがいなくなったことによって本能で動くようになったのか、俺から逃げるように島のあちこちに走り去っていった。
今から全員を探して鬼を一匹残らずやるには骨が折れすぎるので、俺は賞金は諦めて、お宝を探すことにした。
島の奥深くに行くと大量の金、銀、財宝がある部屋に着いた。そう、俺はこの為だけにここに来たのだ。その、大量のお宝を持っていこうとすると何処かから、
「助けて、助けて」
と、言う声がする。辺りを見回すと、牢屋の中には沢山の子供たちが捕らわれていた。それを見逃すほどの人間では、ないので助けてみるとこの子たちは鬼に襲われた村の住人たちだった。
このままではまだ島に残っている鬼達に殺されてしまいそうだったので、俺が連れて帰ることにした。
ただ、この子たちを連れて帰ると、このお宝が運べないことに気づいた。
しかし、誰もこんなところに来ることもないしと、思い。
俺はもう一回来て全部持って帰ればいいや、という安易な考えでいたのだ。今思えば、少なくともあのとき金貨くらいポケットに入れておけば良かったのだ。
そして、俺は鬼ヶ島を一回離れた。
そうその時しっかり確認しておけば良かったのだ。鬼ヶ島に向かっている一艘の船があったのを。
そう俺が、鬼ヶ島に戻ってきたときには鬼ヶ島はもぬけの殻だった。
俺が、殺していない鬼も全て殺されていた。また全員の角がとってあり、鬼を討ち取ったという証拠も全て持ってかれていた。
そして、極めつけはあの金、銀、財宝全てのお宝が持っていかれているということだ。
これは、ショックだ。しかも、誰がここまで、来て鬼を全滅させ、金、銀、財宝を持っていったのか、俺に分からない。
俺は、とぼとぼと帰路についたのだった。
今回のお宝:なし(子供たちの笑顔:プライスレス)
読んでくださりありがとうございました。
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