寝床
「「「「今日もいい?」」」」
今日も俺の布団に潜り込もうとする四人。
「だめです」
「なんでー?」
「いろいろ大変だからです」
主に俺の体力と耐久性と精神的に。……そうだ、いい解決案が出たんだった。
「今日は朝葉のところはどうだ? いつも一緒じゃおもしろくないだろう」
自分で言ったことだが、眠るのにおもしろさを求めるのはどうだろう。
「いやだー、なんで鬼、じゃなくて先生のところに行かないといけないのだ。久夜がいい。」
鬼って……そんなに厳しくしてんのか朝葉のやつ。
鬼とは思わないまでも梓もそれは嫌なようだった。学校の先生と一緒に寝るってどれだけひどい罰ゲームだよ。みんなも想像したらわかる。修学旅行の時、騒がしすぎて先生が寝るまで見張ってるようなものだろ。違うかな?
「へー誰が鬼なのかな?」
背後に異常に甘い猫撫で声で聞く声が。
「もちろん朝葉のことに――ってちがいますぅ」
おきまりである。典型的なドラマ・漫画的パターン。朝葉の登場だ。
今さら否定しても間に合わないぞ。
「あはは、ノーラちゃんは私と寝たいんだよね?」
断ることのできない雰囲気を醸し出してやるなよ。小学生相手にさ。
「うにゅにゅにゅにゅ……久夜がいい」
なんとか反抗して言う。この流れで鬼、もとい朝葉のいる部屋に行くのは怖すぎる……。
「そうなんだ。そんなに久夜と寝たいのか。しょうがないなー久夜の部屋で一緒に寝るかーあはははは」
被害を拡大させた結果になった。
「お、おいノーラ。本当は朝葉と一緒に寝たいんだよな」
「そうだよね」
「そうであって欲しい……」
「そうなのら」
俺も梓も裕太も宇柚でさえも、朝葉がこのように来るのなら全力で結託し阻止させていただこう。ノーラを差し出すことで。生贄は一人でいい。
ちなみに発言したのは順に俺、梓、裕太、宇柚、である。宇柚が言い出したのにはびっくりした。どうせみんなのマネしただけだろうけど。
「な、裏切るのかー」
はいそうです。キレた朝葉と誰が一緒にいたいと思うんだよ。
「そ、そんなに私のことが嫌いかー。ぜったい、ぜぇぇぇたいに一緒に寝てやるんだからっ」
さらにキレた朝葉。これはもう手のつけようがない。
ついに俺の隣に朝葉、そしてその向こう側に子供たちという並びに。
どうでもいい話を少し展開します。三行ほど飛ばすのは難しいかもしれないが、飛ばしたい人はどうぞ。
子供たちの『たち』というのは複数形が二重になっているらしいよ。古典の時間に教えてもらったから古文的見方では、らしいけど。まあ現代では『子供』で単数になっているから、繰り返すがどうでもいい話です。
どうでもいい話でした。おしまい。
朝葉が子供たちと俺との間を断絶する関所みたいな役割をはたしている。どうすれば向こうに行けるのだろう。朝葉が発行する札がいるのか? 金がいるのか? いくら払えば通してくれる。
……別に、行きたいわけではないのだが。
「……おやすみ」
「おやすみなさい」
眠ることにする。
「はあ……私がこんなに近くにいるのに………………少しぐらい意識してくれたもいいのに……はあ……」
朝葉がなんか独り言を言っていたけれど聞き取れなかった。




