表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

密かな目標。

誰にも譲りたくない、『役目』のこと。

 僕等の住む里には『外』にあるという学校というものがない。

 もちろん、文字とかいろんな事を学ばなきゃいけないのは一緒なんだけど。

 魔法の使い方を覚える方が先決という考え方で、僕等はそれぞれ先輩の魔法使いに魔法の使い方と、それに付随して色々と基本的な事を教えてもらう。

 僕の先生は僕の従兄。

 サエナは叔母さん。

 リルーはお母さん。

 でも、ガーヴェはこの里にただ一人しかいない光輝魔法の使い手だから、先輩に当たる人は当然いない。


「いいよなあ~。マリト達は」 


 ガーヴェは不満そうにいつも言う。

 もちろん、ガーヴェ一人を放っておく訳にもいかないから、教師代わりの人がつくんだけど、それが長(つまり僕の祖父)だから堪らない。

 いつもこってり絞られているらしい……。気の毒に。

 でも、僕は知っている。

 ガーヴェの先代に当たる人がじいちゃんの親友だったって事。だからこそ、じいちゃんはガーヴェの教師になれたんだ。

 ずっと、子供の頃からすぐ近くで光輝魔法を見ていていたから──。

 だから僕がガーヴェより長生きをしたら、今度はきっと僕の番。もちろん、僕が先に死ぬって事もあり得るけど……。

 そうなってもいいように、しっかり見ていようと思うんだ。

 自分本来のものじゃない魔法を教える事はきっと思うより難しいだろうと思うけど、ガーヴェとは生まれた時からの付き合いだもの。他の誰にもその役目を譲るつもりはないんだ。

 そして多分、じいちゃんがいつもガーヴェに言うみたいに、『先代は素晴らしかった』って言うんだろうな。

 ……これはガーヴェ自身には教えない、秘密の目標。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ