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イズマイン  作者: ハルシオン
第二章
12/13

12.灯り~明り

「今は静かに眠るんだ」

ナギの力を介した俺の言葉で少女は安らかな眠りについた。

意識が途切れる最中、彼女も泣いていた。

「許さない」と歯を食いしばり、涙をこぼしながら倒れこんだ。





12.灯り~明り





 ナギの病室を訪れたのは真夜中になってからだった。

ベッドに寝そべって週刊誌を読んでいた。

俺の気配に気付くや背中を向けたままで話し始めた。

「受け入れろ。でないと俺達が殺されていた」



「殺された方が良かったなんてことは」

有り得ない。

命があるから悲しみや喜びや憎しみがあるんだ。

死んでしまったら何も考えられないし伝えられない。

こんなに悲しいことはない。

わかっているのになぜあの時、「母の死が悲しくなかった」なんて口走ったのだろうか。





 4月25日、事故から一周忌を迎えた今日。

ソニアはあれからずっと病院で眠り続けている。

目覚めるのは今日か明日か、それとも一年後か。

聞こえていないだろうけどここで伝えておく。

「嘘はついてないよ。

俺が生きる目的を作る。

許してもらえないだろうけどそれでいい。

これ以上誰も不幸にならなくて済む方法を一緒に考えよう」



 そんな都合の良い話。

しかし夢物語にはさせない。

桜の花は既に散ってしまい、若葉が芽吹きはじめていた。





 尺が余ったので兄、ナギが補足物語を伝える。

二人の敵を相手する作戦に当たり、トムに支配の力を丸ごと与えたおかげで厄介なことになった。

俺の力が弱まり、その分のパワーがトムに定着してしまったようだ。



 そしてイレギュラーは重なる。

病室にあいつが見舞いに訪れた。

「ひさしぶりだねナギ。私の愛する弟よ」

相変わらずの渇いた笑みが気持ち悪かった。





To be continued…

第二章、完です。

三年近く前に執筆した物語なのに、転載が遅れてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。


第三章はこの辺りにあります↓

http://ameblo.jp/halxion/theme6-10004894890.html#main

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