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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第5話 橋田を説得しよう

 次の日の朝。私はそわそわしながら橋田が出勤するのを待っていた。早く橋田と話がしたくて7時には会社に着いてしまったが故に、橋田はまだ来ない。

 そう言えば橋田が初めて出勤した時もこれぐらい早く着いてしまったな……。あの時はどうしてたんだっけな? ああそうだ、ノートパソコンをデコってたんだ。あの時の水晶玉がまだ引き出しにあるから、どうにかしてこれを貼り付けてみよう。どうせ暇だし。


 ノートパソコンに水晶玉を貼り付けようと四苦八苦していると、徐々に社員が出社し始めた。橋田も朝来るのは早い方だし、そろそろ来るか?


 一旦水晶玉をしまったタイミングで、ちょうど橋田が出社してきた。お、来たな。とりあえずいつも通り声をかけてみよう。いきなりハシレンジャーの話をぶっ込むのも良くないしな。あと普通に橋田と話したい。


「橋田、おはよう!」


「おはようございます鳥羽部長。相変わらず派手ですね」


「んん? 私のどこが派手なんだ? ちゃんとスーツを着てるだろ?」


「そのスーツがショッキングピンクだから言ってるんですよ。どこの経理がピンクスーツで出勤するんですか」


 失礼だな橋田のやつめ。別に経理がショッキングピンクのスーツで出勤しちゃいけないなんてルールは無いはずだぞ? 

 まあそれはいい。橋田はいつも通りで、特に私に変身を見られたことに気づいている様子は無い。1度違う話と見せかけて、さらっとハシレンジャーの話に入ってみよう。


「橋田、ちょっと話があるんだ。このパソコンを見て欲しい。どうだこのラインストーンの数々! 見事だろう?」


「なんで会社のパソコンにラインストーンが付いてるんですか! 早く剥がしてください!」


「そのうち水晶も貼りつけようと思ってるんだがどうだ?」


「重くなるでしょう!? 物理的にパソコンを重くしてどうするんですか!」


「まあそれは一旦どうでもいい。それより最近の君の勤務についてだ」


 私がそう言うと、橋田の顔は急に強張る。勘付いたかな? まあどうせ今から話すんだから、このタイミングで勘付かれても特に問題は無い。

 ただ私が直接見たと言うと動揺するかもしれないし、既に社長に話を通したことも説明しないといけなくなる。あくまで私が勢いで橋田を我が社の広告塔にすることを決めた体でいないと、橋田も困惑してしまうだろうしな。一旦誰か他の社員が見たという体で話を進めよう。


「橋田、最近の早退は一体どういうことだ?」


「ちょっと体調が芳しくなくてですね……」


「その割にはツッコミが元気じゃないか? ……正直に言ってもらいたいんだ。君を外で見た社員がいる。その社員によると、君が最近噂になってるハシレンジャーに変身していたということだ。君がヒーロー活動をしているというのは、本当なのか?」


 そこまで言うと橋田は諦めたような顔になり、1度目を閉じて息を吐いてから、再び口を開いた。


「ええ。俺はハシレンジャーのハシレブルーです」


「やっぱりか……。まさか本当に君がヒーローをやってるとはな……。それで? 会社はどうするんだ? 実際ヒーロー活動をしているとしたら、早退は……」


「分かっています。俺も勝手に戦隊にされたので、抜けようかと思っていたところです。これ以上会社に迷惑はかけられないので」


「何を言ってるんだ? 戦隊は抜けないでくれ。我が社にヒーローがいるなんて、これ以上ない広告塔じゃないか!」


「……は?」


 やはり困惑するか。今の段階ではあくまで私が勝手にPRの話をしていると思ってもらわないと、橋田の困惑が大きくなるだけだ。

 あと勝手に社長の承認を得たことを橋田に言うと怒られそう。


 私は橋田を納得させるため、話を続ける。


「ウチはPRが足りてないのがずっと課題だっただろ? そこに今話題のハシレンジャーが急に現れたんだ。名を広めるチャンスじゃないか! あとあわよくば私も変身したい」


「最後なんて言いました?」


「とにかく、君は今日から経理と広報を兼任だ! 経理としての仕事量は減らして、新たに人材を入れる。君は怪人が出たら戦隊活動の方に注力してくれ! あとあわよくば私も変身したい」


「それでいいんですか……? 社長の承認は? あと最後なんて言いました?」


「社長には私が話を通しておこう。広告塔を欲しがっていたから、高確率で承認してくれるだろう。まあ私が決定事項として伝えれば、社長も何も言えないさ」


「ええ……。そもそもウチの会社って副業OKでしたっけ?」


「ああ。申請すれば大丈夫だぞ。営業の竹岡なんて副業で葉っぱを売ってるし」


「多分そいつ早くクビにした方がいいですよ!?」


 よしよし、橋田がいつもの調子に戻ってきたぞ。これで上手く私が勝手に動いているように見せかけることができた。実際は既に社長の承認は得ているし、橋田のOKが出たことを上に伝えれば、橋田がハシレブルーとして活動していることと、そのハシレブルーが我が社の広告塔になってくれることが周知されることになる。

 そうなれば、橋田が戦隊を辞めるなんて言い出すことは無くなるはずだ! ……おっと、本音が漏れてしまったな。


「橋田がブルーだって大々的に宣伝すれば、我が社の利益も何倍かに……。おお、楽しみだ! あわよくば私も変身したい」


「皮算用しないでください! あと最後なんて言いました?」


 橋田は完全にいつもの調子だ。しかしこの橋田がハシレンジャーか……。前回見た時は驚きとチェキ撮影で余裕が無かったから、実際に活動しているところをちゃんと見てみたいな。また怪人とか出て来ないだろうか。

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