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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第38話 仮説

 私は橋田の後に着いて、待ち合わせ場所へと向かっていた。しかし橋田のやつ、切り替えがすごいな。今まで私とデートをしてたと言うのに、もうハシレンジャーの戦士としての顔になってしまった。私も見習わないとな……。と思いつつも、少し悔しい。私とのデートは、怪人からの通信1つで消えてしまうような時間だったのか?

 ……いやいや、それは違うだろう。あくまで橋田は、戦士としての役目を果たそうとしてるだけ。私とのデートは、また別件だ。


 自分を納得させながら走っていると、待ち合わせ場所に着いた。上の方から紅希くんの声が聞こえてくる。


「碧ー! こっちだこっちー! あ、こっちって言っても分かんねーか! 今お前の正面にあるビルの37階だー!」


「なんでそんなところにいるんだお前は! 早く降りて来い!」


「面倒にもほどがあるわね。碧たちが上って来なさいよ」


「お前らが上るからだろう!? いいから降りて来い!」


 橋田がツッコミを入れると、紅希くんと黄花くんが文句を言いながらビルを降りて来る。まあ高いところに上るのは反射みたいなものだからな! 私もよく分かるぞ! 子どもの頃によく木に登って裁縫をしてたからな。あの時作ったトイレットペーパーホルダーは、今でも私の宝物だ。


 紅希くんと黄花くんが降りて来ると、橋田はすぐに2人に声をかける。


「紅希、黄花、作戦を立てるぞ」


「作戦ってなんだー? 名前がペンの韓国人かー?」


「それはパク・ペンだ! ……誰だパク・ペンとは!?」


「パク・ペンを知らないなんて損してるわね。今大人気のK-POPアイドルグループ『WHITE FIY』のメインハッカーよ」


「グループ名が白飛びだが!? あとなんだメインハッカーって! アイドルが何してるんだ!」


「サブハッカーのソン・ユギョンも人気よ」


「知らないがアイドルがハッキングするな!」


「おい橋田、そんな話をしに来たんじゃないぞ!」


「ああそうでした。ありがとうございます部長」


 全く、橋田のやつめ。本題を忘れてどうするんだ! 仕方ない、ここは私が仕切ってやろう!


「紅希くん、黄花くん、大変だ! 例のパンケーキの店に行けたぞ!」


「期待した俺がバカでした! 今その話はいいです!」


「カリフォルニアロールが特に美味くてな!」


「なんであれほんとに注文したんですか! いやだからいいんですその話は!」


 しまった……。ついさっきのデートの余韻に浸ってしまった。でも、橋田とパンケーキの店に行けたのが嬉しかったんだ! 仕方ないだろ!


 そんな私の気持ちを余所に、橋田は冷静に話し始めた。


「さっき伝えたが、ハシレイが捕まって俺たちの基地が占拠された。ホーテーソク団の幹部3人の仕業だ。ハシレイと基地を取り返すには、俺たちが全員で明日の昼12時に基地へ行く必要がある。つまり宣戦布告された形だ」


「何かしらその話。私は聞いてないわよ」


「……は? え、部長、黄花に通信してくださいって言いましたよね?」


「ああ、通信したぞ? しりとりをして楽しかったぞ!」


「何呑気なことしてるんですか! 敵の情報を伝えろって意味ですよ!」


「ああそうだったのか? それはすまないことをした。ちなみに黄花くんが『コンスタンティン』と言って負けた」


「黄花お前負けに行ってるじゃないか! ……いやそれはどうでもいい!」


「そーだぜおめーら! まずはしりとりが何か俺に教えろ!」


「自分で調べろ! 作戦の話をさせてくれ!」


 実は橋田に声をかけられてからも、通信を切らずに黄花くんとしりとりを続けたんだ。ブランド豚で負けるのが悔しかったからな! あの時は一旦また今度と言ったが、駄々を捏ねて続けさせてもらったところ、黄花くんが根負けしてコンスタンティンと言ってくれたんだ。しりとりは、結局チキンレースなんだな!


 勝ち誇る私の横で、橋田は無理やり話を本題に戻す。


「正直に言って、ケイシマンを倒せたのは奇跡だ。ハシレイの試作品のリーゼントが無ければ、俺たちは相当追い込まれていただろう」


「確かにそうね。今の私たちがその幹部3人を一気に相手して勝てるとは思えないわ。ところで37階から降りて来たから喉が渇いて仕方ないの。うどん出汁とか持ってないかしら?」


「余計喉が渇くものを飲もうとするな! 適当に水でも飲んでろお前は!」


 しかしあれだな、冷静に考えると、突然3人も幹部が現れたのはおかしな話だ。まるで私のデートを邪魔するかのような……。はっ! まさか本当に私の恋路の邪魔を……!? そうだったらマズい。紅希くんと黄花くんにも、この可能性をしれっと共有しておこう。


「幹部3人か……。何故ホーテーソク団はいきなりそんな大物を送り込んで来たんだろうか? そこが不思議じゃないかと私は思ってるぞ」


 さあ、これで察してくれるか? いやでも、紅希くんと黄花くんはなかなかにあれだからな。頭が悪いと言うか。


 しかし私の言葉は、想定外の効果を発揮した。橋田が深く考え込んだんだ。あ、確かにこれあれだな。真面目に幹部のことを考えてるようにしか聞こえないな。しまった……。


 結局幹部について考え始めた3人に、一瞬の沈黙が訪れる。だがすぐに紅希くんが口を開いた。


「それはよー、さっさと俺たちを潰そーとしてんじゃねーの? 幹部を送り込んでもひゃめひゃもんめんもん」


「何を食ってるんだお前は! 大事なところが聞き取れないじゃないか!」


「わたあめだぜ! 美味そーだろ?」


「祭りにでも行ってきたのか!? それはいいから大事なところを言い直せ!」


 わたあめ、美味そうだな。私も後でもらおう。

 わたあめを飲み込んだ紅希くんは、再び話し始める。


「俺がホーテーソク団ならよー、幹部が2人倒されたらやべーって思うと思うんだよ! 俺たちで言うと碧が2人倒されたよーなもんだろ?」


「なんで俺ばっかり倒されるんだ! 俺と誰かでいいだろう!?」


「そーなったら本気でこいつら倒さなきゃなーって思わねーか? つまり、ホーテーソク団は本気で俺たちを潰そーとしてんだよ」


 その線ももちろんあるが、私の恋路を邪魔しようとしてる可能性も考えて欲しいぞ! 私にとっては結構な大問題なんだ!

 とりあえずなんとかこの話し合いを早く終わらせて、ホーテーソク団が私の恋路を邪魔してる可能性について、黄花くんと相談をしないと……。


 その黄花くんは、珍しく真面目に紅希くんの話を聞いている。なんでこういう時だけ真面目なんだ!


「納得ね。ということは1人ずつ順番に出て来るとかいう舐めた戦い方は期待できないのね……。3人全員が同時に襲って来るとしたら、私たちに勝ち目は……」


「そこでなんだけどよー、俺にいい考えがあるんだけど、乗ってみねーか?」


「おお! そんなものがあるのか! ぜひSNSに書き込んで教えてくれ!」


「なんでネット越しなんですか! 今直接聞けばいいでしょう!?」


「俺の作戦ってのはよー……」


 紅希くんは私たちに耳打ちを始めるが、私の頭はホーテーソク団が恋路を邪魔しようとしてる可能性でいっぱいで、何も入って来ない。SNSに書いてくれたらさっさとこの話し合いも終わったんだがな……。

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