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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第33話 打倒幹部!橋田の作戦

 そして翌日、あっという間にケイシマンが指定した時間になってしまった。ハシレンジャーのメンバーたちは、強ばった顔で基地の中に立っている。

 そんなに固くなるものなのか? 幹部とは言え、怪人の1人だろうに。それにハシレンジャーは既に患部を1人倒してるし、ケイシマンはバカであることがもう分かっている。

 そんな状況で、こんなに固くなることがあるのか? 私にはまだ理解できないが、もしかしたらホーテーソク団の幹部と戦うというのは、結構覚悟が要ることなのかもしれないな。


 そんなことを考えている間に、目の前に虹色の空間が出現する。これを抜けたらケイシマンがいるんだな。いよいよ私たちも幹部と戦うんだ! これでより、ハシレンジャーの一員になれた気がするな。


「ほな自分ら、頼むで!」


 司令が私たちの背中を1人ずつ叩いて気合いを入れる。それを合図に、私たちは虹色の空間へと飛び込んだ。


 そして虹色の空間を走り抜けると、大きな崖がある荒れ地のようなところに出る。おお、これはヒーロー番組でよく見る景色じゃないか! 決戦とかでよく出てくるところだな。憧れの場所に来られて感動だ!


 心を躍らせながら景色を見渡していると、真ん中で黙々とベンチプレスをしている怪人の姿が目に入る。あれがケイシマンだな。


「おう、やっと来たかハシレンジャー。待ちくたびれてリッチになっちまうとこだったぜ」


「なるとしたらマッチョだろう! なんで筋トレしてるだけで金が増えるんだ!」


「んじゃ、早速始めっか。だるまさんがころんだでいいか?」


「いいわけあるか! 戦うんじゃないのか!?」


「なんだてめえら、俺様と戦いてえのか? なら戦ってやってもいいぜ。だるまさんがころんだでいいか?」


「だからなんで遊びになるんだ! 何度このやり取りをさせる気だ!?」


「じゃー俺が鬼なー! みんな動いちゃダメだぞー?」


「乗るなバカ! ちゃんと戦え!」


 うん、話には聞いていたがかなりバカそうだな。これが脅威になり得るのか?


 そんな私の考えに喝を入れるかのように、鋭い目に変わったケイシマンがこちらに向き直る。


「さあてめえら、かかって来いよ。ねちゃねちゃにしてやるぜ」


「気持ち悪い擬音だな! ガムでも踏んだのか!?」


「ちげえよ、チューインキャンディーだよ」


「どっちでもいい! なんでそこに拘るんだ!」


「行くぜおめーら!」


「ハシレチェンジ!」


 紅希くんの合図で、私たちは一斉にハシレチェンジャーのアクセルを回し、ハシレンジャーへとチェンジする。


「赤い暴走! ハシレッド!」


「青い突風! ハシレブルー!」


「黄色い光! ハシレイエロー!」


「ピンクに突撃! ハシレピンク!」


「エンジン全開、突っ走れ! 暴走戦隊!」


「ハシレンジャー!」


 うん、名乗りもスムーズに言えるようになってきたぞ! いよいよ私もヒーローらしくなってきたな!


 名乗りを終えると、イエロー/黄花くんが崖の方に歩き出す。


「じゃあ私が鬼をやるわ。みんな早く後ろに下がりなさい」


「だるまさんがころんだはもういい! チェンジした意味はどうするんだ!」


「あら、私がやろうとしているのはだんごむし鬼よ」


「マイナーな鬼ごっこをしようとするな! いいから戦うぞ!」


「じゃあ私は不倫調査の鬼になるぞ!」


「ドロドロした鬼やめてください!」


「しゃー! エンジン全開だー!」


 レッド/紅希くんの声で、私たちは走り出す。よし、私はまずメモとカメラを持って、ケイシマンが不倫してないか探るぞ! 私は不倫調査の鬼だからな!

 待てよ、そもそもケイシマンが結婚してるかどうか確かめないと、不倫調査も何も無いじゃないか! 私としたことが一生の不覚! 仕方ない、このイライラを爆弾に込めて、ケイシマンにぶつけよう。


 私が爆弾を取り出している間に、他のメンバーはケイシマンと既に交錯している。が、ケイシマンが振り回しているランニングマシンに尽くやられているようだ。これは私の出番だな!


 両手に持った2つの爆弾を、ケイシマンに向かって放り投げる。だが、ケイシマンはすぐ爆弾に気づき、ランニングマシンで爆弾を2つとも振り払ってしまった。なんだあのランニングマシンは!? チートじゃないか! そんなことをするなら、私だって今度はモッツァレラチーズがふんだんに使われた爆弾を投げて、ベッタベタにしてやってもいいんだからな!


 睨み付けていると、ケイシマンはブルー/橋田に声をかけた。


「おいブルーよお、てめえは何もして来ねえのかよ? そこで仁王立ちのまま絶命するつもりか?」


「弁慶か! そんな最期を迎えるつもりは無い。気づかないのか? お前がもう俺の策に嵌っていることに」


 そう、この攻撃は全て橋田の作戦だ。私の爆弾で地面に大きな穴が空き、ケイシマンが落ちていく。私の爆弾は、ケイシマンの周りに穴を空けるためのものだったんだ! 流石は橋田、クールな男だ! ますます惚れてしまうじゃないか! 

 つまり、私が投げた爆弾は振り払われることを想定していた。……一応。心底、普通に爆弾で倒せるとは思ってたんだ。バカそうだったし。でも思ったより筋肉が強かった……! クソッ! やはり筋肉こそ正義なのか! 私だってもっと鍛えて、ムッキムキになっていれば……!


 おっと、今は後悔してる場合じゃないな。ちゃんとケイシマンを倒さないと!


 落ちたケイシマンは、穴の中から大声を張り上げる。


「何ィッ!? この決闘はドッキリだったのかよ!」


「そんなわけあるか! 売れ始めの芸人じゃないんだから!」


「てめえ……! やりやがったな! 俺様の後頭部を刈り上げやがるとは……!」


「なんだそれ知らないぞ!? お前が落ちた時に勝手にちぎれたんじゃないのか!?」


「虎刈りになっちまったじゃねえか……! この恨み、どうしてくれようか……」


「そもそもお前そのロボットみたいな見た目で髪の毛があるのか!?」


 ケイシマンは今虎刈りなのか! ぜひ写真を撮らせてもらいたいな。私は虎刈りの中年男性を撮影するのが趣味なんだ。


 こっそりとまたカメラを取り出しながら、他のメンバーと一緒に穴の中を覗き込む。穴の中にいるケイシマンは、悔しそうな顔で私たちを見上げた。


「てめえら、よくもやってくれやがったな! 今上っててめえらを4月してやるぜ!」


「始末だろう! なんでエイプリルするんだ!」


「4月したら5月して6月して、9月してやるぜ!」


「夏休みだけ飛ばすな! 1番大事なところだそこは!」


 橋田がケイシマンの相手をしている間に、私は大きな爆弾をハシレンジャー全員に配る。全員に配り終えた瞬間、私たちはその爆弾を穴の中に投げ込んだ。

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