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戦隊ピンクは素直でいたい〜頼むから私に振り向いてくれ〜  作者: 仮面大将G


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第31話 巻き込まれ会議

 ボディビルマンを倒してから数日経った。怪人はここ数日現れておらず、私はいつも通りの日常に戻っていた。今日は会社も休みだし、家でゆっくりするか。


 それにしても橋田のやつ、私を女性として意識してくれてるのかくれてないのか、分かりにくいやつだな……。もっと分かりやすいアクションがあれば、私だってもっと橋田にアタックできるのに。


 ……いやいや、だとしても私は橋田の上司だし、そんな明らさまにアタックしたら引かれてしまうかもしれないし……。こんなに悩むなんて、私らしくないな。もっと突っ走って、橋田に向かって一直線! みたいな感じで振る舞えたら良いんだがなあ。


 でも本当に橋田にアタックするなら、どこかでデートにでも誘ってやらないと始まらない。あの橋田が自分から私を誘うことは無いだろうしな。とは言え、私だって男性経験が豊富なわけじゃないんだ。しかも追う恋なんて、初めてに等しい。それに相手は仕事では部下で、戦隊では先輩。どう接したらいいものか……。


 そんなことを考えていると、ハシレチェンジャーに通信が入る。なんだ? また怪人か?


「こちら鳥羽桃子! どうした!」


「ああ桃子さん、今ちょっといいかしら? 緊急で基地まで来て欲しいのだけれど」


「黄花くんか! どうしたんだ? 怪人か?」


「怪人ではないわ。私たちの今後を決める、とても大事な話し合いをしようと思っているの。桃子さんもぜひ参加して欲しいのだけれど、どうかしら?」


 私たちの今後を決める話し合い……? なんかよく分からないが、方向性とかそういうことか? 私が加入したことで、よりチームとしての団結力をアップさせる施策を考えるとか。

 何にせよ、私も行った方が良さそうだな。


「分かった! すぐに向かうから待っててくれ! 手土産は何かあった方がいいか?」


「そうね、ハムかタオルがあれば助かるわ」


「なんでお歳暮のラインナップなんだ!?」


 とりあえず家を出た私は、一応近くの店でタオルを買ってから基地へと向かった。


 基地へ着くと、珍しく真面目な顔をしている紅希くんと黄花くんに、呆れたような表情の橋田が座っていた。なんだ? 今後を決める大事な話し合いじゃないのか? なんで橋田は呆れてるんだ?


「桃子さん、来てくれてありがとう。さあ、座ってもらえるかしら」


「おお、分かったが……。これは一体何の話し合いなんだ?」


「私たちにはリーダーがいないの。でも戦隊と言えばリーダーがいるものでしょう? だから、私たちの中で誰がリーダーに相応しいか、話し合いで決めるのよ」


 なるほど……。確かにハシレンジャーのリーダーが誰かなんて知らなかったが、そもそもいなかったんだな。それは決めておいた方が良いかもしれないな。


「桃子さんも立候補してくれてもいいのよ?」


「いや、私はまだ加入したばかりだし、所謂追加戦士のポジションだ。リーダーは初期メンバーの中から決めるべきだと思うし、そもそも私がいると多数決だと偶数になるぞ? 3人で決めた方が良いんじゃないか?」


「でもよー、桃子がいねーとこでリーダー決めるなんて苦闘兵だぜ!」


「不公平だろう!? なんだその苦戦している兵士は!?」


 結局丸め込まれ、私もリーダー会議に参加することになってしまった。まあ一応、私も誰がリーダーに相応しいか考えながらいるか。


「ということで、リーダー会議を開催するわよ」


「リーダー会議とは言っても……どうやって進めるんだ?」


 橋田が素朴な疑問をぶつける。それはそうだな。今まで話し合いなんてしたことも無かっただろうしな。


「基本的には立候補制ね。もし誰も手を挙げなかったら、みんなで投票して決める形になるわ。時間が余ったら沙悟浄オーディションもやるわよ」


「まだ沙悟浄を引っ張るのか! しつこいぞそろそろ!」


 沙悟浄……? 今まで彼らはどんな話をしてたんだ? 沙悟浄が会話に出てくるシチュエーションなんてほとんど無いと思うが……。

 それは置いといて、やっぱり私がいると多数決がやりにくいな。意見が割れたらどうするんだ。一応最初に私の意見として、今私がいる必要があるのか聞いてみよう。


「これ、私はいた方がいいのか? 後から加入した身としては誰がリーダーであっても文句は無いぞ。先輩へのリスペクトがあるからな。あ、橋田、ちょっと喉が渇いたからコーラを買ってきてくれ」


「リスペクトはどこへ捨ててきたんですか! 早速パシらせてるじゃないですか!」


「コーラが無かったら酵素でもいいぞ!」


「酵素の方が無いでしょう!? そんなのが売ってる自販機見たことありませんよ!?」


 橋田のツッコミはいつも通りだ。これだけ見たら、橋田がリーダーなのが1番まとまる気がするが、そういうわけにはいかないんだろうか。


「それじゃ、立候補を募るわよ。ハシレンジャーのリーダーになりたい人、両手を挙げて『宗院財閥万歳』と叫びなさい」


「思想の強い挙手! 自社の支持者を増やそうとするな!」


「宗院財閥万歳!」


「宗院財閥万歳!」


「宗院財閥万歳!」


「ええ……」


 あ、しまった! つい私も手を挙げてしまったぞ! しかも勢い良く両手を! おいおい、これじゃ私は途中から入って来たのにリーダーになりたがってる都合の良いやつじゃないか! こういうのはつい手を挙げてしまうんだよなあ……。


「いや紅希と黄花はともかく、部長はさっき先輩へのリスペクトどうこう言ってたじゃないですか! なんで我先に挙手してるんですか!」


「私は管理職が好きなんだ! 人を耳で使う快感ったらもう!」


「顎でしょうそこは! 耳は両側にあるからどっちか分からないじゃないですか!」


「まあいいです。それで、紅希と黄花はなんでリーダーになりたいんだ?」


 こうなってしまった以上、もう引けないからな。一応私なりにリーダーに相応しいところを見せられるように頑張ろう。


「俺はやっぱりみんなを引っ張っていきてーんだ! 引っ張って引っ張って、限界まで引っ張ってから離してーんだよ!」


「ゴムパッチンか! 何の罰ゲームだ!」


「ゴムパッチンってなんだー? 後ろから膝を曲げてコケさせるやつかー?」


「それは膝カックンだ! だから何の罰ゲームだ!」


 紅希くん、それじゃリーダーにはなれないぞ! もっと将来のビジョンだったり何だったりを言わないとな!

 続いて黄花くんが話し始める。


「私は普通に考えて私がリーダーだと思っているわ。紅希はボケ、碧はツッコミ、桃子さんは大ボケっていう役割がそれぞれあるでしょう? 私しか余っていないじゃない」


「俺たちは漫才師じゃないぞ! あとお前もボケだと思うが!?」


「何を言っているの? 私は紅希や桃子さん、司令なんかと比べるとボケ密度は低いでしょう。むしろ自分で意識してボケたことは無いわ」


「そういうのを天然ボケって言うんだ! 無意識にボケられる方が困るぞこっちは!」


 うーん……。これじゃ話し合いがまとまらないじゃないか! やっぱりヒーローになるような人間は、みんな我が強いんだな。


「逆に碧は何故リーダーになりたくないのかしら。1番目立つわよ?」


「俺は真ん中に立って目立つのはあまり好まないんでな。まとめ役や仕切り役はもっと熱いやつがやった方がヒーローっぽいんじゃないか? 俺はクールでいたいからな」


「そういうことね。碧はプールにいたいのね」


「クールでいたいんだ! 別に水に入りたいわけじゃないぞ!?」


「なるほどー! 碧はプールでバイトしてーのかー!」


「誰が監視員だ! 夏休み限定のバイトをさせるな!」


「橋田はプールでタキシードとシルクハットを被った鹿に扮してマラソンを走り切りたいのか! そんな夢があったとはな!」


「プールシュールゴールしないでください! どんどん尾ひれが着いてきますね!?」


「じゃあ碧が鹿紳士マラソンランナーとしてバイトできるプールを探すわよ」


「議題が変わってるぞ! そんなどうでもいいものを探すな! 見つかるわけないだろう!?」


 結局話し合いは難航し始める。ハシレンジャーのメンバーはこうもまとまりが無いのか。呆れたものだぞ! ……いや、掻き乱してるのは私もか?


「さて、困ったわね。3人も立候補者がいたら多数決ができないわ」


「うーむそうだな。今この場にいるのは橋田とそのペットのコモドドラゴンだけだしな……」


「俺がいつそんな足の早いトカゲを飼ったんですか!」


 困っていると、紅希くんが突然口を開いた。


「じゃーもう碧に決めてもらえばいーんじゃねーの? どーせ1人しかいねーんだし」


「そうね。それしか無いと思うわ。桃子さんもそれでいいかしら?」


「ああ、異論は無いぞ。ところで沙悟浄オーディションはこの後でいいのか? 私も参加したいんだが」


「そろそろ沙悟浄への拘り捨てられますか?」


「よっしゃー! じゃー碧、せーのでリーダーに選ぶやつを指さしてくれ! せーの!」


 橋田は迷うこと無く、紅希くんを指さした。この流れで紅希くんなのか!? やはり橋田は紅希くんのことが……。いやいや、そんなはずは無い! 私にだってまだチャンスはあるはずだ!

 ……これ、リーダーのことか橋田の相手になることか、どっちか自分でも分からなくなってないか?


「おい碧! 人のこと指さすなよ!」


「お前が指させと言ったんだろう! どこにキレてるんだ!」


「……ということで、ハシレンジャーのリーダーは紅希に決定よ」


 ついにリーダーが決まったな! 私は思わず拍手を始める。なんか気分が良くなってきたぞ。歌うか!


「パンパンパン! そーれかっ飛ばーせ橋田! 打ってーもアウトでも部署異動! かっ飛ばせー! は・し・だ!」


「理不尽な応援歌やめられます!? なんで俺だけ野球で部署決められるんですか!」


 さてリーダーも決まったことだし、私は橋田を追いかけることに集中! ……じゃなかった、怪人を倒すことに集中しないとな!

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